十三章 ~猫にはまる~
実は私の場合、言葉が正確か分かりませんが、7年前に猫を飼ってから、猫の魅力にはまってしまいました。
とは言え、私の周りにも猫にはまっている人達をたくさん知っています。
はまるというのはどのような気持ちになっているのか、あまり上手く表現できませんが、どうやら猫には神秘的な魅力があるのは確かです。
犬も猫も小さい子供であればほとんど違いはありませんが、成犬や成猫と初めて会った場合を想定してみてください。
犬の場合、よほど難しい子でない限り、美味しい餌をたくさん持っていれば、10分も要さず懐かせることができる子も多いでしょう。
頭を撫でるだけならば、人間側が恐がらない限り、すぐにでも出来るほど容易いと思います。
私は物心がついた頃から今もなお、犬と一緒に過ごしてきていますが、その経験から犬ならばきっと懐いてくれると信じることができます。
そしてこれが『人間の永遠の友達』と言われる犬という動物の最たる長所でもあり、世界の万人に愛される証でもあります。
今も元気だね、ムク!
しかし猫の場合、しかも成猫ともなると、そうは簡単には懐きません。ましてそれが野良猫だったりしたら、頭を撫でられるようになるだけでも3年も掛かってしまうこともあるのです。
野良猫のシマ子がうちの事務所の前に置いていったためうちの子になった4匹目のタラちゃんがそうでした。
毎日の食事やトイレの掃除を始めとし、少しでも住みやすい環境となるように常に考え、そして常日頃から優しく接していたつもりでしたが、何か至らなかったのでしょう。なかなか想いは伝わりませんでした。
本当に3年を過ぎた当たりからやっと背中を触らせてくれるようになり、それから約1年経った今では甘え声で鳴きながら擦り寄って来るまでに進展しました。
抱っこまではできませんが、つい先日、両手で抱えるように持ち上げてみたら、いつもの「ギャー‼️」はありませんでした。
やっと懐いてくれたね、タラちゃん!
実はこういうところが猫の魅力なんだと思うのです。
犬の10分に対し、猫は3年もかかるというこのスローストーリー、永い時間を掛けて成就できるこの過程と達成感は、特殊な事情でもない限りなかなか味わうことはできません。
猫を知らない人にしてみると、
「あー面倒臭い!」と一蹴でしょう。
かつて私も同じでした。
7年前までは。
犬が好きで、3頭(ゴールデン1頭とマルチーズ2匹→うち一匹は現在もうちで総指揮官として頑張っているムクです。)飼っていた頃に先輩のTさんと良く犬と猫の可愛さの違いについて議論しました。
在りし日のベル、お利口だったね!
その頃の私には猫の可愛さはわからず、議論はいつも平行線でした。
そして結論はいつも
「猫は飼ってみなければ解らないよ。」
とのTさんの言葉でした。
当時は「そうですね。」などと言いながらも、私自身、本当の意味が分かっていませんでしたが、今なら良く理解できます。
在りし日のチョビを忘れられず、絵音痴?の私が描いてみた
しかしここまでハマってしまった猫。
本当に猫には魔力があるのでしょうか。