ずっと張り詰めたまま暮らしてきたから、
トモダチとは年に一度、正月に会うだけになっていた。

それぞれの生活があり、諸事情があり、
学生の頃のように遊ぶわけにもいかない。
僕が家族のために精一杯がんばっていることは、
皆、苦言を呈しつつも理解してくれている。
そう思って、不義理を平気で続けていた。

ずっと傍にいて、僕のことを最も理解してくれている
と思っていた妻は、「理解できない」と立ち去った。

ずっと離れていて、「理解できない」と僕の不義理を
嘆いていたトモダチは、一人になった僕を理解してくれた。

核心での信頼。
僕の求めるキズナは、そこにある。