サウジアラビアでは今日からラマダン入りのはずだったのであるが、Arab Newsのこの記事にもある通りラマダンが「延期」された。理由は極めて単純で、「新月を確認することができなかった」からである。

新月の確認を行った後にラマダンに入るということは知っていたのだけど、まさか初めてのラマダンでそんなことが起こるとは思ってもいなかった。サウジアラビアでは雨がめったに降らないことから(事実私はこの100日間でたったの1回しか雨を経験していない)、「月が見えない」ということ自体が起きないものだと思っていた。しかし、昨日は新月が確認できなかったというのが最高法院の見解のようである。

ラマダンが延期となると、暦はどうなるのだろうと思って調べてみた。Arab Newsの記事によると、本来Ramadan(9月)の1日の今日が、Sha'aban(8月)の30日となり、明日がRamadanの1日となって以降繰り下がるようだ。そして本来30日あるRamadanが29日で終わり、イード・アル・フィタル(ラマダン明け休暇)は予定通りの暦となるようだ。ヒジュラ暦は29日の月と30日の月を織り交ぜているのだけど、ラマダンについてはこのように調整をするということ。

ちなみにサウジアラビアの公文書や契約書はヒジュラ暦で管理されていることが多い。少なくとも私の知る限りでは、パスポートの出入国管理や居住許可証(Iqama)、ビザ、雇用契約書、大使館へのAuthorization Letterなどは全てヒジュラ暦が記載されている。今回のラマダン入りの延期によって、ラマダン中に期限を迎えるものは1日ほど期限がずれるということだ。

今回のような「新月」が確認できないというのがよくあることなのかどうかは今のところよくわからない。明日同僚のアラブ人に聞いてみてもよいかもしれない。