10月14日にアラブ首長国連邦のドバイにセブンイレブンがオープンしたというニュースを見られた方は少なくないと思う。

セブンがドバイに1号店 初の中東進出(朝日新聞)
中東初日本のコンビニがドバイに進出(NHK)
コンビニ(遊牧民的人生ー2)

ちょうど週末をドバイで過ごす予定であったので、今回オープンしたセブンイレブン・ドバイ1号店を訪れてみた。私自身はドバイの事情にさほど精通しているわけでもなく、また流通・小売業界については全くの門外漢であるため専門的な記事を書くことはできない。今回は実際に店舗を訪れての感想程度の記事となることを予めご理解いただきたい。なお、店舗内の写真撮影については、店舗のマネジャーの了承を得ている点を予めお断りしておきたい。

立地はドバイのランドマークで世界一の高さを誇るブルジュ・ハリファの南側の"Bay Square"と呼ばれる地区となる。タクシーの運転手に”Bay Square”と指示したところ"EMMAR Square"に連れてかれてしまったことや、道を聞いても「"EMMAR Square"だろ?」と言われたことを考えるとまだまだ知名度の高い地区ではないのかもしれない。最初に乗ったタクシーの運転手が場所を知らなかったことから、"EMMAR Square"から歩いてみることにした。迷った分を差し引いて考えると、ブルジュ・ハリファから徒歩20~25分程度である。一帯は現在開発中という色彩が強く、工事中の道路や建物が多かった。オフィス街といったところで、休日の金曜日ということもありあたりは閑散としていた。
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店舗面積は日本の標準的なセブンイレブンと変わらない。店舗レイアウトは窓側に雑誌コーナーがなく、イートインになっている以外は日本と変わらない。開店したばかりということもあり、店員の数は多く、ドアのところにもわざわざ一人配置していた。取り扱っている商品は、文房具、トイレタリー、菓子類、飲料品(酒類販売はなし、セルフサービスのドリンクコーナーあり)、冷凍食品、アイス、乳製品、菓子パン、サンドウィッチ、弁当、おにぎり、たばこ、銀行ATM、チケット類を扱う電子端末といったところである。なお、日本のようなレジ脇のスナック、肉まん、おでんのコーナーはない。
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トイレタリー、菓子類、飲料品の特徴は、日本のような少量多品種ではなく、多量少品種である。日本の場合、コーラであればレギュラー、糖質ゼロ・ゼロカロリー、カフェインゼロなど様々なブランド(コカ、ペプシ、キリン、PBなど)がある。ドバイの場合(サウジアラビアも同じだが)、レギュラーとダイエットタイプが一般的で、ブランドはコカとペプシのみである。なお、500mlペットボトル入りのコカ・コーラの価格が2.50AEDなので、約81.3円(1AED=32.5JPY換算)と日本半額程度である。
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弁当類・お惣菜類のラインナップはビリヤニのようなご飯ものの弁当、カレー、焼肉弁当、アラビア料理の幕の内弁当のようなもの、サラダ、ラップロール、サンドウィッチ、アラビア風おにぎり(Rice Ball)などが陳列されていた。これらも基本的には多量少品種であった。価格は弁当が15~17AED(490~550円程度)、サラダが12AED(390円)、サンドウィッチとおにぎりが8AED(260円)である。おにぎりが割高であるが、その他は日本の価格帯と大きくは変わらない。
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店員の対応を含めてサービスは日本のセブンイレブンとほとんど変わらないと言ってよいと思う。7 & i ホールディングスは今後3年間で100店舗の開業を目指すとのことだが、この方針は慎重に精査しつつ進めた方が良いだろう。「遊牧民的人生ー2」でも書かれているように、UAEに限らず湾岸諸国は大家族であり、買い物については大規模なスーパーに車で訪れて大量に購入することが一般的である。わざわざコンビニで小さいサイズのものを買うということはあまりないだろう。

もっとも、今回オープンした1号店のように、オフィス街の店舗についてはある程度需要が見込まれるとも思う。その場合は24時間営業とせず、文字通り"7 Eleven"(7時から11時の営業)とすれば人件費や光熱水費を抑えつつ昼間に大きな売り上げを上げられるのではないだろうか。7 & i が都市部での集中出店を考えている背景には、この辺をある程度考慮しているのかもしれない。ドバイのようにまだまだ開発が進む都市においてはある程度のリスクを取るだけの価値はありそうである。

東南アジアなどでは日本のコンビニが進出し、現地で独自の文化(コンビニが社交の場になったり、パブリック・ビューイングの場になったりしている)が花開いたとも言われる。今回のドバイへの出店でドバイで新たな文化が生まれればおもしろいと思う。