最近の中東情勢の情報整理をしていたので、その一端を紹介しよう。以下は5月1日以降、本日6月9日までに私が受け取ったリスク管理情報の一覧である。ヘッドラインだけをコピー&ペーストした単純なものである。私は現在サウジアラビアに赴任しているため、主にサウジアラビアや近隣の湾岸諸国の情報でなければ深く掘り下げられない。あまりにも多くの事件が起きるため、湾岸諸国以外まで拡大してしまうととてもではないけど全てを詳細に分析することなどできないのである。

5/1 トルコで戦闘、兵士3人死亡=PKK掃討中、交戦か
5/1 警察狙い自動車爆弾、2人死亡=トルコ
5/1 ISテロ、33人死亡=イラク南部サマワ
5/2 また自動車爆弾、兵士死亡=トルコ
5/2 シーア派狙いテロ、14人死亡=イラク
5/3 病院砲撃で3人死亡=反体制派が実行-シリア・アレッポ
5/6 避難民に空爆、28人死亡=アサド政権攻撃か-シリア
5/6 交戦で73人死亡=イスラム過激派、要衝制圧-シリア
5/11 自動車爆弾で3人死亡=PKK関与か-トルコ南東部
5/11 車爆弾で50人死亡=首都のシーア派居住区-イラク
5/12 IS攻撃で5人死亡=イラク首都西方
5/14 ISが店襲撃、16人死亡=サッカーファン集う-イラク
5/14 ISが病院襲撃、警備の20人殺害=シリア
5/15 ガス工場で自爆、11人死亡=IS、犯行認める-イラク
5/15 IS自爆で25人死亡=イエメン
5/17 自爆テロなどで44人死亡=IS関与か-イラク首都
5/17 交戦で52人死亡=反体制派系が内紛-シリア
5/18 空爆で一家13人死亡=シリア
5/21 政治混乱収拾めど立たず=デモ隊4人死亡、テロ拡大に懸念-イラク
5/23 爆発相次ぎ46人死亡=シリア
5/23 軍狙い自爆、41人死亡=ISが犯行声明-イエメン
5/28 IS部隊に空爆150回=「首都」攻略戦-シリア
5/30 イエメンで戦闘、48人死亡
5/31 タリバンがバス襲撃、16人死亡=30人以上拉致-アフガン
6/3 政権側の攻撃で31人死亡=民間人のバス被弾-シリア
6/4 政権部隊がラッカ県進攻=クルド民兵とIS挟撃も-シリア
6/6 空爆で民間人17人死亡=シリア
6/7 爆弾テロで11人死亡=トルコ
6/8 警察本部前で爆発、3人死亡=首相「PKKの犯行」-トルコ南東部
6/8 空爆で民間人15人死亡=シリア
6/9 商業施設で銃撃、4人死亡=パレスチナ人2人が乱射-イスラエル

おそらく上記のリストを見た人の多くはこう思うだろう、「日本では伝えられていないが、これが中東の現実だ」と。それははっきり言ってしまうと間違っている。上記のリストの情報源のほとんどは日本の時事通信社によるものであり、時事通信のニュースサイトを見ればきちんと掲載されている。中東の現実は、少なくとも時事通信という大手メディアが日本において日本語できちんと発信をしている。また、AFP通信やBBCといった海外メディアの日本語版でもきちんと発信されている。

つまり、正確を期するのであれば、多くの日本人は中東情勢に関心がないだけである。もし中東情勢を知りたいというのであれば、まずは時事通信やAFP、BBCなどの日本語サイトでもよいから目を通してみることだ。それらに目を通すだけで、少しくらいは「中東で何が起きているか?」を知ることができるはずだ。