店員「ポイントカードのご利用よろしかったでしょうか?」
私「けっこうです」
店員「失礼いたしましたー」

日本に帰国してから1ヶ月がたつのだけど、帰国後ほぼ毎日1回以上はこのやり取りをしていると思う。コンビニ、スーパー、家電量販店、飲食店、ありとあらゆる消費の場面でポイントカードの確認をされては、「けっこうです」と応え、予定調和のごとく店員から「失礼いたしましたー」と言われる…。実に不毛であるし、わざわざブログに書くこと自体不毛であると思う。不毛であることを知りながら、わざわざブログに書こうとしている自分自身、細かいことが気になる、非常に面倒臭い人間であるという自覚がある。同じことを考えている人間は私だけではないと思うが…。私は一体、一生のうちにどれだけこのやり取りをしなければならないのだろうか?

私は別にポイントカードをなくしてほしいわけではない。あまりたくさんポイントカードを持ちたくないためそれほど作ってはいないが、ポイントカードを全く持ってないわけではない。ポイントやマイレージの関係で、利用するクレジットカードや航空会社に偏りがあるのは事実だ。つまり、クレジットカード会社や航空会社の「顧客囲い込み」戦略に協力しているし、彼らに自分の嗜好性を売り渡している自覚はある。(今さらだが、ポイントカードは単純に顧客の囲い込みだけではなく、利用者の消費情報を把握するために用いられる。「ポイント」は顧客の消費情報提供に対する「対価」である)。

ただ、様々なポイントカードが多くの人に認知されるようになったのだから、ポイントカードの有無を毎度のように尋ねるプロセスはもう省いても良いのではないだろうか?たぶん、ポイントカードを持っている人で尋ねられないとポイントカードを出さない人は少数派になっていると思うし、ポイントカードを持っていない人や持つつもりもない人は毎度のようにポイントカードの有無を尋ねられることにイラッときてるかもしれない。

そしてポイントカードの有無を尋ねるも店員もこのやり取りをすることにウンザリしてるのではないかと思う。彼らは接客マニュアルにそう書いてあるからやるのだろうから、内心は「いつも来るこの人は「けっこうです」と言うだろうな。しかも不機嫌そうに」と思っているだろう。暗黙の合意があるのに、不毛なやり取りをしなければならないというのは何だかバカバカしい気もする。

10年ほど前、阿部寛主演の『結婚できない男』というドラマの中で、主人公の桑野がやはりコンビニでのポイントカードのやり取りに苛立ちを見せるシーンがあった。毎日のように同じやり取りをすることにウンザリしたためか、こう言う。

「スプーンも箸もいりませんし、ポイントカードもありません」

まぁ、実際にこう言ってしまうとドン引きされるのが現実だろう。でもできることならばこんな風に言ってみたい。

ポイントカードはありません。作るつもりもありません。このやり取りももうウンザリです」。