山あり谷谷山あり谷谷 恋に人生に情熱大陸

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三十路♀。日本に住めなくて毎年ひとり海外移住
日本と海外を行ったり来たり、どこにも落ちつかず、誰とも落ち着かず
そろそろ本当に疲れてきた。どこかの国に永住して落ち着きたい

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昨年4月、わたしはヨルダン勤務が決まっていた。
採用されたのだ。ヨルダンの観光業の責任者のポジションだった。
ヨルダンもまた、この広い世界の中でわたしの血を騒がせる国のひとつ
中学生の頃から通っていた学校は私立のプロテスタントの学校だったため、
毎朝の礼拝で、聖書を読んだ。わたしにとって聖書に触れる時間は宗教ではなく、見知らぬイスラエルや中東、ローマの地を想像させるわくわくする世界史の授業だった。
その影響からなのか、わたしは中東に対する危機感が全くなく、イスラム教に対する疑いの価値観も持たないで育った。

そんなわたしにヨルダンに住む機会が32歳の時に訪れた。
そのときわたしはフランス人と大恋愛の真っ最中で、二人で国を去り新たな移住地を探している過程だった。
彼にはシェフという大事なキャリアがあったので、彼は慎重になっていた。
8歳年下だったのでまだまだ若く、シェフとしてもまだ若手のポジションしか廻ってこないことにストレスを感じていた。シェフの世界では、Sous Chef (料理長のすぐ下のポジション、under Chef) 以上ではないと、通常外国での勤務の際ビザが降りない。
このSous Chefはだいたい28歳くらいからやっと就けるポジション。
彼は24歳だったが、英語が流暢で野心家で18歳のときから厨房で働いてきた彼としては、このポジションについて海外移住をしたいと考えていた。
でも、それはやはり難しく、Sous Chefポジションに応募しても彼を雇うレストランやホテルはなく、彼は行き詰まっていた。

そんなとき私はヨルダンの採用に目をつけ、応募したところ採用すると言われた。
わたしにとっては、インディアナジョーンズを自でいく、ミステリーハンターライフを予感させるような大変わくわくすることだった。
一人身なら絶対に行っていた。でも彼はアラブを毛嫌いしているフランス人の典型的タイプ。
ヨルダンには仕事がないし住みたくないと言った。
UAEやカタールなどの国だったらいいけれど、ヨルダンのように本当のイスラム教の国は住みたくないという意味だった。
わたしにとっては逆。UAEやカタールは、"Fake"な中東であり、あれは本当の中東、イスラム教の国の姿ではない。
西洋化され、金にSoulを奪われ、外国人労働者で経済をまわしている、見かけは豊な国。
カタールに住んでいたとき、同僚や友人はよくヴァカンスにオマーンへ飛んでいた。
そして、オマーンはかつての本当の中東のエッセンスが残っていると言っていた。
UAEなどは全く魅力を感じなかった。高級なものも、煌びやかなもの、人工的なものに興味がないわたしには楽しむことがない環境だった。
ヨルダンは本当の中東が残っている国。だからこそ、私はわくわくした。


そしてそのときのわたしはそのオファーを蹴った。わたしにとって、彼との将来が一番大事だったから。
これまで世界中で働いてきたし、冒険を諦め、落ち着き普通に暮らしたいと思っていた。

それを優先させた。それから数ヶ月後、彼と私は別れた。
(このブログは2年間もの間アップしないまま下書きに入ったままだった。今日見つけた。なんでわたしはアップしなかったんだろう。あれから2年が経ち、まったく優しい道ではなかった。人世で一番苦しい道だったと言った方が早い。そしていまこのヨルダンブログを読んでいて、あのとき行けばよかったと今心底思う。男なんて、そのとき付き合っている相手にフォーカスしてはいけない。自分の夢とか、目標とかちゃんと自分がわかっていれば、すっきり決められた決断だったんだろうな。あのときのわたしは、自分と対話したり、夢とか目標とかしっかり自分の心に聞いてみなかったから、相手に流される結果になった)

とにかく、本当にいろいろあった2014年だった。
もう他人に振り回されるのはうんざりなんだ。
そうしてきた自分の行動の結果なのだと言えばそれまで。
今わたしの脳裏には、 "Invest in yourself" という言葉が巡っている。
自分自身に投資しろ 
わたしはずっと他人に投資してきた。その結果がこれだ。何もない人生になってしまう。
人を信用することも、感情豊かに生きることも、どちらも利点だと思って生きてきたけれども、
現実のこの世界ではどちらも不利になる。

一体自分がどこの国の、どんな人の中で属するのかさえ今のわたしにはわからない。
いろんな国を巡ってきた結果、わたしの脳みそも心も爆発しそうになるときがある。
わたしは旅ができない。旅をすると、その土地を愛し、住みたくなってしまうから。
感動し、その土地の人と出会い、風土を感じ、料理を味わい、歴史や音楽を肌で感じる度に、
わたしはその土地から離れられなくなる。


去年の春、ヨルダン勤務を受けていたら今頃わたしはどうなっていたのだろう。
今ヨルダンは観光客がいないだろう、オフィスはテロでどういう状態になっているのだろう。
両親は、ヨルダンに行かなくてよかったね、と言っているが、
わたしはうんとはうなずけない。行っていたら行っていたでわたしはきっと楽しんでやっていただろう。中東になんか絶対行かないとわたしの友達はよく言うが、是非一度中東に実際に行ってどんなところなのか生活してみてから判断してほしいな、とおもう。