欲望や不幸、ストレスとの付き合い方 | ニートは正社員より強し

ニートは正社員より強し

拙者、無職侍。自分に嘘ついて労働する者を成敗いたす!
法律を守らないブラック企業と戦うブログ 絶対にブラック企業を許さない!

私たちにとって、心と言葉や行動が一致していることは重要なこと。そこに矛盾があると心が混乱し、筋道だった考え方ができなくなり、記憶力や判断力が衰えていきます。それはとても疲れることで、ここで新たな怒りが生まれてしまう。そこでまた、ストレスを抱え込むというわけです。



怒りは、心理学で言う二次感情であることがほとんどです。プライドが傷ついたり、不安であったりという、認めたくない一次感情を隠すために現われるものなのです。


たとえば、会社である企画を提案し、それについて議論が行われたとしましょう。企画と自分とは別次元のもの。企画が通ったとしてもそれはあくまで企画が認められたのであって、自分が認められたということではありません。逆に、企画が通らなくても、自分が否定されたと落ち込む必要もないのです。


未来の不安にとらわれるのは無駄なこと。それよりも今やるべきことに意識を集中するのが有益です。


「どういう状況でもなんとかなる」と、将来に向かってゆったりと心を開いていれば、人は強くなれます。貧乏になったらなったで生活を変えていけばいいんだと、現状に執着しない人のほうが、のびのびと能力を発揮できて、その結果、物事がうまくいくと考えられます。


自分から進んで差し出す行為は、自分の心を元気にしますが、嫌だなと思いながら出す行為は、心を疲れさせてしまいます。



人間も心身のメンテナンスをせずにこき使っていると、ダメになってしまいます。仕事最優先で、家族や友人あるいは自分一人で過ごす時間をないがしろにすれば、結果として、自己の再生産のための力が落ちていってしまうのです。


人は、不安でビクビクしたり、堅張していたりすると、冷静な判断ができなかったり、能力を充分に発揮できなくなるものです。つまり不安を抱くことで、自分のパフォーマンスを落としてしまうことになってしまうのです。


煩悩により「いい人」ぶって偽善者の仮面を被るのは、自分の心に害を及ぼすものです。自分の本心とは違う言動をすると、ふたつの矛盾した思考が無意識的に衝突し合います。これは多大なストレスの発生源となります。


本当の幸福とは何か。ブッダは「褒められても心が浮つくことなく、非難されても決して落ち込むことなく、心が平静でいられるのが幸せである」と言っています。心が波打つ苦しみから解放されて、穏やかに安らいでいる状態。それが万人に共通する最高の幸せだと言います。


快感を得ることがすべて駄目と言うつもりは毛頭ありません。快感との付き合い方を考えるべきであり、快感を入力しない時間が必要だと思うのです。一時の快感で偽の幸福感を得て脳をいわばドーパミン漬けにしてきた現代人の支払うツケは、ドーパミンの効果が薄れて気持ちがそわそわしたり、イライラしたり。じつは苦しみのもとでしかないのです。



脳内の快楽物質は麻薬のようなものです。快感を連続して入力するということは、麻薬を絶えず脳内に分泌している状態なので中毒化します。言ってみれば、慣れが生じて同じ分量の快感物質では同じ気持ちよさを感じられなくなる。同じ気持ちよさを感じるためには、より大量の快感物質を必要とします。それができないと、現状維持をしているだけで前より状況が悪くなってはいないのに「自分は不幸だ」と感じるようになるのです。



しょっちゅう携帯電話のメールチェックをしないと気が済まない人は、誰かとつながっていることを確認して快感を覚える、ある種の快感中毒といえます。携帯電話やパソコンで頻繁に情報にアクセスするのは、ドーパミンを連射しているようなもの。依存症やうつ病など精神的な疾患が増えているのは、そのあたりにも関連がありそうです。



現代では年収200万円で負け組と言われている人でさえ、その多くは貧窮しないで、昔の王様並みの生活ができます。ちょっとお金の使い方のバランスを変えれば、豪華な食事もできる。デジタルツールで瞬時に他人とつながることもできます。お金を出せばいくらでも自分の欲を満たせて脳内麻薬を生み出せる。歴史上、大半はそういう状況にない中で人間は自己形成されてきました。快感スイッチを連続入力するような現代の生活は、人間の生き物としての仕組みを壊してしまう気がします。



五感のどこかに集中して考えを止める。その究極が座禅ということになりますが、そこまでしなくても、普段の生活のなかで集中することはできます。たとえば、昼食のとき。ただ味わうことに集中して召しあがってみてください。ビジネスマンの方は、昼食ですら仕事をしながらデスクでとっている方もいらっしゃるでしょうから、そんなことをしたら時間の無駄だと思われるかもしれません。けれど、ときにはゆっくり味わってみると、心がとてもリフレッシュしたことを実感できるはずです。お試しください。



仏教的に申しますと、「欲望」は「苦しみ」から生じます。ストレスは心に苦痛を与えるもの。一方、欲望はそれを抱いたときにも満たしたときにも、心に大きな刺激を与えます。ゆえにストレスがたまると、その苦痛を紛らわそうとして、刺激をくれる欲望がわいてくるのです。つまりストレスが大きくなればなるほど、欲望が増大することになります。



思うように貯金ができない理由は「使ってしまうから」でしょう。「給料が少ないから貯まらない」と思うのは錯覚で、給料が多くても、たくさん使ってしまったら貯まりません。まずは「自分がなぜお金を使ってしまうのか」を考える必要があります。人は自分の力を実感しようとしてお金を使うことが多いのです。自分の消費は常日頃の「無力感」によるストレスを忘れようとしてのものではないかと、心の内を探ってみましょう。



小池龍之介