【今回の記事】

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「中学生の悩み事」ランキング10

   思春期真っ只中の中学生の悩み事の第1位は「いじめ」。当事者からすると、かなり深刻な悩みである。その悩みがきっかけとなって自殺にまで及ぶ例もある。
   実は、子どもがいじめに遭うかどうかは、「臨界期」と呼ばれる0歳から1歳半の間の養育の仕方でかなり変わってくる。愛着不全には三つのタイプがあり、いじめに遭いやすいのは、そのうちの「抵抗/両価型」と言われるタイプである。詳細は本ブログ「愛着不全のタイプとその養育の仕方」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12170006776.html)を参照のこと。
   このタイプは、親が過保護であったり、過度に教育熱心であったり、親の気分次第で子どもへの接し方が変わったりする場合である。このような養育をしていると、基本的に子どもは何とか親から好かれようと、親の顔色を伺いながら生活することになる。その結果、愛情に飢えた人間になり、人に気に入られようとして、他者からたとえ理不尽な要求を受けたとしても、それに従うようになる。このような子どもは格好のいじめの対象となる。
   また、このタイプの子どもは、常に親からの指示によって動かされているので、自分で“意思決定”するのが苦手である。つまり、友達から意地悪をされた時に、「やめて!」が言えないのである。こういう子どももいじめの対象になりやすい。
   ちなみに、前にも紹介したが、この「意思決定能力」は、文科省が示しているキャリア教育の4つの視点の中の一つである。つまり、自分の気持ちを自分で決めることができない人間は社会では通用しないということである。
   では、どうすれば、子どもの意思決定能力が育つのか?これについては、本ブログ「愛着形成のやり直しの仕方 その2」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12180436474.html)で紹介した支援方法が効果的である。特に、「②子供に穏やかな口調で話しかける」と「子供の話をうなずきながら聴く」が大切である。②は子どもを威圧せずに済むこと、④は親は聴く側の立場に立つこと、という意味でそれぞれ大切である。