新しいプロジェクトとして、「クラシック×電子テクノロジー」というのを始めてみました。
これまでの経緯を書きます。
まず、私自身の音楽編歴ですが、10歳でクラシックの世界を体感させて頂き、15歳でロックに目覚めます。
バンド浸りの高校生活を送りながらも、奇跡的に教育大学に入学し、再度クラシックを学びます。(同時にビジュアル系バンドもやってましたが。笑)
一応、二つの世界を行ったり来たりした私は、あまりにも二つの世界がかけ離れすぎていることを肌で感じました。
と、ここで日本の音楽教育について考えてみます。
携わっている先生は、クラシックを中心に勉強してきた方が多いのは周知の事実です。
多くの教員養成機関ではクラシックを中心に学ぶので、ポピュラー音楽を学んでいる人が少ないのでは、と思います。
となると、音楽教育は必然的にクラシックに偏ったものになるでしょう。
決して否定しているわけではなく、なんだかもったいないなと、率直に思うのです。
一般社会には様々な音楽が溢れています。
可能性が満ち溢れている子供の頃に、もっと幅広い音楽体験をして欲しいのです。
なにかアクションを起こそうと、まずは、ピアノ講師さんに向けた新しいタイプのリズム教本を執筆しました。
クラシック畑の方々に、ポピュラー音楽との距離を縮めて頂きたく、それにはリズムを切り口にすると近道ですよ、というコンセプトです。
お世話になっているローランドさんの音楽教室展開の一環として、リズム教本活用セミナーで全国を周らせて頂きました。
そんな中、私自身がクラシックとの距離を再度縮める必要があると思い、一年間限定でピアノを習ったのです。
発表会に出演もしました。
結果、音を追求する楽しさを再認識することが出来たのと同時に、クラシックピアノは性に合わないと改めて痛感しました。笑
そんなこんなで蓄積したものがいろいろと結び付いていく中で、この新しいプロジェクト「クラシック×電子テクノロジー」が誕生しました。
クラシックの演奏に対して、電子テクノロジーを活用して一緒にアンサンブルさせて頂こう、というコンセプトです。
作曲者と演奏者に敬意を払うことを第一にして、わりと最新のサウンドを融合させます。
お相手の演奏内容は基本的に譜面通りですが、こちら側のアレンジを加えることによって、音楽的な化学反応を起こすことが狙いです。
システム的な特徴としては、打ち込みサウンドをリアルタイムに演奏したり、アコースティックピアノにエフェクターを付加したりします。
まだまだ試行錯誤中にも関わらず、共演して頂いたピアニストの方々には感謝しております。
音楽教育界において、クラシックとポピュラーの距離が、良い形で縮まっていくことを切に願いながら、継続していきたいと思います。