【重要】ベースボールブリッジの処遇について | 欧州野球狂の詩

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日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

 いずれは皆さんに、きちんとお知らせしなければならないテーマであることは認識していました。先にお知らせしていた欧州野球ガイドブック「Basbalo」のオランダ・ベルギー編発売を機に、このタイミングできちんと明確にしておきたいと思いアナウンスいたします。

 

 2012年より活動を継続してきたNPO法人国際野球支援団体ベースボールブリッジ(以下BB)ですが、現在解散に向けた手続きを千葉地方法務局及び千葉県庁との間で進行中です。既に第一段階である解散登記は完了しており、今後清算の処理を滞りなく進めていく所存です。

 

 今回、団体を解散するという結論は全会一致により至ったものであり、前代表でこのたび清算人に就任した自分自身も必ずしも後ろ向きなものとは捉えていません。こうした結論に至った経緯は以下に述べる通りです。

 

 2012年9月8日に任意団体「国際野球支援団体ベースボールブリッジ」として旗揚げ、2014年4月18日に法人格を取得しNPO法人に移行したBBは、「出身国・地域に関係なく、全ての野球選手が己の才能と努力次第で、世界最高峰の舞台でも戦えるような野球界を作る」という壮大な目標を掲げ、これまで熱意あふれるメンバーが活動に身を投じてきました。昨年2月に実施した、マニー・ヘルナンデス外野手(グアテマラ代表)及びファン・フランシスコ・マルティン捕手(アルゼンチン代表)に対する移籍支援活動は、その1つの象徴ともいえるものでした。

 

 一方で、まだ国際野球という分野自体がニッチなものであったという事情なども重なり、人材や財源の確保といった課題には常に頭を悩ませてきたことも事実です。自分たちの掲げた理念とは裏腹に、日々世界中から寄せられる様々な依頼に全て対応していくのは、残念ながら極めて困難な状況であったと言わざるを得ません。

 

 そうした状況の中で、移籍支援活動の終結後まで代表の座にあった自分が最もその人脈を生かせるのは、やはり欧州球界でした。ただ、現在の欧州球界が抱えている課題や必要となるであろう物を検討していく中で最終的に行き着いたのが、「如何にプロスポーツコンテンツとしてのブランド価値を高めていくか」「如何に野球界以外のマーケットからの投資を呼び込み、欧州の現場でプレーする選手たちが野球を通じてより大きな収入を得られる環境を作っていくか」ということでした。そしてそれは、あくまで公益に資するというNPO法人としての精神とは相いれないものでもありました。

 

 そもそもBBをNPOという形態で法人に移行したのは、活動を通じて追い求めていたのが自分たちの金銭的収入というよりも、国際野球界というコミュニティの発展という意味での公益であったためです。しかし、現実的に目の前にある課題を解決していくうえでは、NPO法人という立場で取れるアプローチには限界がありました。自分たちはここで、何か新しいやり方を見つけなければならない。それが解散に至ることになった経緯です。

 

 なお、現在自分が代表を務め、Basbaloシリーズの制作や販売を手掛けている任意団体「グローバルベースボール(以下GB)」は、BB時代の仲間も引き続き参加しており事実上のBBの後継組織と言える存在です。まだ立ち上げてから日が浅いですが、皆かつてのBBと同じように一つの目標に向かって日々前進を続けています。

 

 妙な例えではありますが、仮にBBの立場を旧帝国海軍とするならばGBは海上自衛隊のようなものと言えるかもしれません。海自そのものは海軍側からみた直接の後継組織ではなく、旧軍時代とは法的な位置づけも活動のスタンスも異なりますが、祖国防衛という根本的な存在意義は共通ですし組織文化も色濃く受け継いでいるといわれます。また、海自は国際法上は事実上の「日本国海軍」として扱われ、任務遂行上必要な場合は自らそのように名乗ることすらあるそうです。日々国防の最前線に立っておられる、自衛官というスーパーエリートの皆さんと自分たちを比べるのもおこがましいですが、ある意味ではBBとGBの関係も重なって見える部分があるな、と個人的には感じています。

 

 現在は社会人サークルとして活動しているGBですが、今後はまず現在のBasbaloシリーズのラインナップと販売部数の拡大に努めていきたいと思っています。また、ゆくゆくは営利企業としての法人成りも実現したいと考えており、その暁には出版以外の分野も含めた「欧州球界のプロモーション」という立場で、コミュニティの発展に貢献していく所存です。時代は違っても、海軍軍人と海上自衛官の祖国への思いが変わらないのと同じように、看板を掛けかえたとはいえ国際野球に対する情熱は全く変わっていません。BB時代に皆様から賜った様々なご支援に心から感謝しつつ、今後とも自分の夢の実現のため全力で走り続けていきたいと思います。何卒宜しくお願い致します。