設計耐用年数を超える?40年超の老朽原発、しかも原子炉建屋直下には複数の断層が・・

それでも、大阪地裁の井上直哉裁判長は、安全性に問題はない?と、運転停止認めず。

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NHKニュースWEB 2022年12月20日 17時45分
【詳しく】福井 美浜原発3号機 運転停止認めない決定 大阪地裁

【大阪地方裁判所の井上直哉裁判長は20日、決定を出し、この中で40年を超えた原発の安全評価について「有識者の議論や原子力規制委員会の技術評価を踏まえると、関西電力が経年劣化の状況を評価した手法は不合理とはいえず、規制委員会の審査も問題があるとはいえない。運転開始後40年以上経過していることをもって、新規制基準が定める対策以上に原発の安全性を厳格、慎重に判断しなければならないとはいえない」とする判断を示しました。

また地震に対する安全性についても「関西電力は、耐震補強工事を実施したうえで耐震性を評価しており、問題があるとはいえない」として市民グループの申し立てを退けました。

裁判所が運転開始から40年を超えて稼働している原発の安全性について審理したのは初めてで、判断が注目されていました。

老朽原発の安全性の確認は

原子力発電所の運転期間は、東京電力福島第一原発の事故のあと原則40年に制限され、1回に限り最長60年までの延長が可能とされました。

原発の老朽化に対応するため、電力会社には運転開始から30年を超える前に重要な設備が安全に使えるか評価し管理方針を作って、10年ごとに更新することが義務づけられています。

ただ、原子炉の大部分や土台のコンクリートといった重要な設備は構造上交換することが難しく、長期間放射線をあびることでもろくなるリスクなども指摘されています。

40年を超えて運転しようとする場合は、原子炉内部の広い範囲で、超音波による検査を行ったり、コンクリートの一部を実際に切り出して強度や放射線を遮る性能を調べたりする「特別点検」を行った上で、原子力規制委員会に申請して審査を受ける必要があります。

美浜原発 耐震性・安全対策は

関西電力の美浜原子力発電所3号機をめぐっては、原子炉建屋の真下や敷地内を通る9本の「破砕帯」と呼ばれる断層の活動性や、敷地のおよそ1キロ東側にある活断層の「白木ー丹生断層」が動いた場合引きづられて動く可能性が指摘されていました。

関西電力はボーリング調査などを実施した結果から、9本の断層は活断層と定義される12万から13万年前以降の活動はなく近くの活断層が動いても影響はないと主張し、原子力規制委員会も現地調査を行ったうえで関西電力の説明を妥当と判断しました。



一方で、美浜原発で想定される地震の揺れ「基準地震動」について、関西電力は当初、北西にある長さ18キロの活断層「C断層」などを震源として、断層の深さを4キロとして最大750ガルの揺れを想定していました。

しかし、原子力規制委員会から震源を浅く設定することや複数の断層が連動することを想定するよう求められ、関西電力は震源の深さを3キロに変更し揺れの想定を最大993ガルに引き上げました。

そして、設備の耐震設計を修正したり追加の補強工事を行ったりして、2016年に規制委員会から地震対策を含めた安全対策が新規制基準に適合していると認められました。

今回の仮処分の申し立てで、住民側は破砕帯が動く可能性を改めて主張したほか、原発からおよそ1キロの距離にある「白木ー丹生断層」について、極めて近い距離にあるにも関わらず、耐震設計で必要とされる「特別な考慮」がされていないなどと主張しています。

原発の耐震性をめぐる裁判では、2020年、大阪地方裁判所が関西電力大飯原発の「基準地震動」に関する原子力規制委員会の審査の過程に看過しがたい誤りがあるなどとして、原発の設置許可を取り消す判決を言い渡しました。】一部抜粋