汚染土の再利用?と言えば聞こえはいいが、実際には、“全国どこでも除染土処分場化計画” なのでは?

道路が除染土の最終処分場に?! 環境省、所沢「環境調査研修所」で再利用の実証試験

福島汚染土、再利用計画「99%可能」?? 2ヶ月前は「除染土 “8割が再生利用可”」だったが・・


 東京新聞 2022年12月21日 22時09分
雨水は安全確認後、下水に放流…新宿御苑での汚染土再利用説明会 「持ち込み反対」の抗議も

【東京電力福島第一原発事故後に福島県内の除染で回収された放射性物質を含む汚染土の再利用を巡り、環境省は21日、同県外で予定する実証事業の候補地である同省所管の東京・新宿御苑(東京都新宿区)で住民説明会を開いた。会場前で市民団体による抗議行動があり、「汚染土持ち込み反対」と声が上がった。(加藤益丈、鈴鹿雄大)
◆事務所裏の花壇の穴に汚染土

 環境省によると、実証事業は一般入園者が通常立ち入らない事務所棟裏側の花壇に長さ10メートル、幅3メートル、深さ1メートルの穴を掘って遮水シートを敷き、国が再利用のため定めた土壌中の放射性セシウム濃度の基準(1キロ当たり8000ベクレル)以下の土を50センチ(6立方メートル)入れ、現地の土を50センチほどかぶせて植物を植える。

 雨水は穴の近くに設置する貯水槽にため、安全性を確認後、下水道に放流する。搬入2カ月前から工事中も含めて大気中や地下水の放射能濃度を調べる。着工時期や事業期間は未定。事業が終了後、汚染土は福島県内に再び戻す。
◆説明会は住民限定、所沢やつくばでも
汚染土の再生利用実証事業の住民説明会=21日、東京都新宿区で
汚染土の再生利用実証事業の住民説明会=21日、東京都新宿区で

 説明会は冒頭を除き非公開で、28人が参加。対象は予定地に最も近い新宿1、2丁目の住民に限定された。環境省によると、「除染土を全国に拡散して大丈夫なのか」という不安の声の他、「成果が得られるよう取り組んでほしい」という意見があった。
 御苑前には約50人が集まり、「住民が合意できる説明を」などのプラカードを掲げて抗議の声を上げた。男性会社員(39)は「人体や環境への説明が不十分で納得できない。汚染土の再利用が全国に広がる不安を感じている」と話した。
再生利用実証実験の説明会場前で除染土の持ち込みに抗議する人たち=21日、東京都新宿区で
再生利用実証実験の説明会場前で除染土の持ち込みに抗議する人たち=21日、東京都新宿区で

 環境省は実証事業を同省が所管する首都圏3カ所で計画。説明会は環境調査研修所(埼玉県所沢市)では16日に開き、国立環境研究所(茨城県つくば市)でも実施を検討している。
 福島県内の汚染土は第一原発周辺の中間貯蔵施設(同県大熊町、双葉町)に保管され、11月末時点で1336万立方メートル。国はその4分の3の土を再利用する方針。汚染度の高い土は2045年までに県外の最終処分場に搬出する計画だが、場所は決まっていない。
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