DSMやICDの最新版では、性同一性障害(GID)の呼称が変わっています。

 

性同一性障害の診断名変更の理念と、その影響を正確に理解したくて、GID治療の第一人者である針間先生が書いた一般向けの本「性別違和・性別不合へ」を読んでみました。

中身はとても良かったんですが、残念なのは表紙。カバーを外しても背景が白いだけで全く同じです。でっかい文字。当事者や当事者の家族が読むことを考えると、せめてカバーを外したらタイトルが目立たないデザインにしてほしいと思いました。

 

あと、最近はキンドルアプリ&携帯で読むのに慣れたので、本を持ち歩いて眼鏡を付けたり外したり…だと、通勤や隙間時間じゃぁ読みにくくて、読み終えるのに時間がかかった。

 

とても良かったのは、単なる解説ではなくて周辺のエピソード、日本の臨床医としての危惧や感想、播磨先生の個人的予測を含めた読み物として一般向けに書かれているので、思った以上に読んでいて面白かった事。お薦めです。

 

 

 

わたし達の脱医療化で難しいのは、精神障害では無いと決定しても、ホルモン補充療法や血液凝固検査、性別適合手術など医療の介入を必要とする人が多いこと。

 

同性愛のように「病気じゃありません」って宣言してめでたしめでたしではない。

 

わたしは、広義のトランスジェンダーは極力連帯すべきだと思っているので、新しい診断名とその変更の理念を理解しておきたいと思いました。

 

 

 

内容をざっくり要約すると。

 

DSM:新診断名 性別違和

理念としては疾病から外したいが、そもそも「精神医学のマニュアル」であるアメリカのDSMでは完全にマニュアルから外すことが難しかった(当事者の医療アクセスが困難になる恐れ)。そのため、性別違和自体は精神障害ではないが、違和があることで引き起こされる苦しみに診断名をつける形をとった。同時に、性別違和自体に治療が必要な疾病のニュアンスを弱めた診断名に変更。

 

ICD:新診断名 性別不合(仮の訳語)

ICDはWHOによる「疾病全体の分類」です。性別不合は「精神疾患」の項目を外れて「性の健康に関する状態」へ移ります。性機能不全とかと同じ項目。精神疾患ではないとしつつ、場合によって医療へのアクセスが必要であることを担保するために別の項目に移したわけですね。日本ではICDに基づく形で診断名がつけられることになります。

 

診断名が性同一性障害から性別不合に代わることの影響

海外では精神障害と分類されていることで、かつての性的指向と同じように性同一性障害がスティグマ化される問題があった。そのため性自認自体を“治療”の対象にするコンバージョン・セラピーなどの問題があり、当事者から脱医療化の声が上がっていた。これに応える形の変更。

日本では状況が異なって、性同一性障害と言う診断名があることで存在の周知に繋がり、治療の制度化・性別変更の法整備につながった側面が大きかったと思います。それでも理念としての脱医療化を求める当事者もいたことや、診断名があることで身体的治療をすることが当然だという意識に繋がりやすかった事も事実だと思います。

 

日本で診断名が変わることでの直接的影響

厚労省とGID学会との話し合いの中で、性別適合手術に続いてホルモン療法も保険適用にして行く方向性に変化はないという事は確認しているそうです。

ただ、ホルモン剤のクロス・ホルモン療法としての効果を個々の薬剤ごとに調査した論文が海外にも存在しないので、今後新たに日本国内で多額の費用をかけて調査せざるを得ない状況らしい。

当事者の数が少なくて製薬会社が動くことは期待できないため、相当な時間がかかりそうです。

 

今後もしクラウドファンディングなどで申請費用を募る動きがあったら、(抑制ホルモン療法も含めて)出来る範囲で協力したいと思っています。

 

 

 

ご報告♪


12月29日の決勝レース時刻が発表になりました。

決勝第1ヒート 14:14~(15分程度?)

決勝第2ヒート 15:43~(レースの長さは状況により変更が有りそう)

 

例によって決勝レースはツイッターのレースアカウントでライブ配信します。良かったら見てください(後からタイム・ライン上で動画としても見れます)

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