「ノロウィルスが大流行!!」
最近こんなニュースを多く見かけます。
実際に当院にも嘔吐・下痢を訴える子供たちが最近とても多く受診するようになりました。
ママ達は決まってこう聞きます。「先生、ノロでしょうか??」
僕は正直に答えます。「分かりません!!」
ノロウィルスを検出する簡易検査キットはありません。
本当に調べようとするならば、検体(便など)を専門の検査機関に送り、数週間結果を待たねばなりません。
つまり、クリニックはおろか一般の病院でさえ、ノロウィルスを「検出」することはできないのです。
でも実際にはそこまでして調べる必要はないのです。(そもそも判明する頃にはもう治ってるし)
なので我々は流行状況の情報などをもとに、「ノロみたいな物なんじゃないの?」というあいまいな説明をします。
事実、この時期には多くのウィルスによる胃腸風邪が流行します。
ノロ、ロタ、アデノ、、、
色々ありますが、どのウィルスにかかっているのかはそれほど重要でなないのです。
なぜならどのウィルスにしても、症状(嘔吐や下痢)や治療法に変わりがないからです。
さっきノロを検出するキットはないと言いましたが、最近はいくつか発売されていて、使っておられる先生もいます。
でも僕は検査しません。
だって、ノロだと分かって何か得します?
例えばインフルエンザと分かれば、タミフルなどの特効薬が使えるので検査にメリットがあるでしょう。
でもノロには特効薬はありません。分かった所で何の解決にもならない余計な検査は不要だと考えます。
ノロをはじめとしたウィルス性胃腸風邪は、ひどいと水分が全然とれずに脱水状態になることがあります。
そうなると点滴をしなければなりません。
嫌がる子供に針を刺すのは極力さけたいので、僕は早いうちに吐き気止めの座薬を処方します。
とりあえず吐き気を取り除いてあげれば水分がとれるし、辛い腹痛や吐き気が緩和されます。
なにより痛い思いをせずに済みます。
子供に不必要な痛い思い(注射や浣腸など)はしたくありません。
さて、くどいようですが。
あらゆる風邪予防の基本は「手洗い・うがい」です!
皆さんも欠かさずに!!