最近話題になってますので、ご存じの方も多いかと思います。
重症な麻痺を残すポリオウィルスに対するワクチンで、現在日本で使用されているワクチンは「生ワクチン」という、生きたウィルスを弱らせたものです。
生きたウィルスなので、弱らせていたとしても実際に感染してしまう可能性があります。
事実日本では現在、100万人に1人くらいの確率でウィルスに感染してしまい重症な後遺症に苦しむ子供たちが発生しているんです。
平成元年からの調査では、毎年数人のペースで発生している計算になります。
このあたりはニュースなどで最近さかんに取り上げられているので、見た人もいるでしょう。
問題なのは、実はこの「生ポリオワクチン」、使っている先進国は日本だけ・・・
他の先進国では「生」ではなく「不活化ワクチン」が主流なんです。(日本にはありません)
日本が「ワクチン後進国」と言われる最大のゆえんはここにあると言っても過言ではないでしょう。
「不活化ワクチン」には生きたウィルスがいないので、感染する可能性がなく、今話題になっている後遺症の心配が全くありません。
「じゃあ何で日本はいつまでもそんな危険な生ワクチンを使い続けているの??」
というご質問、ごもっともです。
その辺の事情は、他のサイトなどで詳しく説明(批判?)してますので、興味がありましたら調べてください。
とにかく僕が今言えることは「日本はワクチン後進国だ」という事です。
そして国は早急に対応すべきだと考えてます。
で、
当院でも世界的に広く使われていて安全性が確立されている不活化ポリオワクチンを導入することに決めました。
このワクチン、もちろん厚生労働省の承認を得られている物ではないので、個人輸入した上で希望される方のみを対象に接種するという形をとります。
(扱ってるどこの病院も同様です)
何故輸入してまでこのワクチンを始めようとしたか。
100万分の1の確率をみなさんどうお考えでしょうか・・・
低いとしても、当たったその1人にとっては100%なんです。
毎年発生するそんな不幸な子供たち。
それを「低確率だから」という理由(他にもあるでしょうが)で延々と続けている国。
毎年発生している犠牲者を少しでも減らせたら、という思いが第一。
と同時に本音は、「自分の子供だったらどっちを選択する?」と聞かれたら、迷わず「不活化!」と答えるからです。
親として自分の子供にされて嫌な事を、他人の子供にもしたくはありませんから。