受けたいときに医療が受けられる、当たり前に感じていることが出来なくなる世の中がいよいよ迫っています。

 

それは他ならぬ今年の春から始まる「医師の働き方改革」です。

 

今年の4月から、勤務医の時間外労働の上限が原則として年間960時間となります。

(地域医療の医師は特例として1860時間、でもいずれ解除されるらしい)

 

さらにさらに、連続勤務の上限も28時間までとなり、終業から次の始業まで最低9時間あけることも求められてます。

 

 

・・・こんなんなったら医師不足の診療科はたちまち回らなくなります。

 

例えば小児科。

 

多くの病院の小児科はだいたい医師2~3人程度で、病棟や夜間外来があるならこの人数で当直業務も回してます。

 

なので週2~3回の当直ってのは小児科医としては極めて普通なことでしたし、当直明けも普通に病棟業務や外来診療をこなして夕方に上がる、、、これがごく一般的な小児科医の業務です。

 

僕がいたNICUなんてもっと大変で、ヘタすると数日は病院に拘束されることだってザラでした。

 

連続28時間まで、しかも9時間は休まなければならない、となるとこりゃもう回らない。

 

 

このようにただでさえ慢性的に人不足な中でさらに労働時間を制限されれば、患者受け入れを制限せざるをえなくなります。

 

実際、病院の一部機能を休止する病院が出始めてます。

 

 

医療の質が大いに低下することでしょう。

 

 

また、こんな制度では若手医師の育成も進まない。

 

場数の少ない経験不足な医者が増えて、しかも「5時だから帰りま~す」と責任感も薄い、こんな医者に僕らは診てももらうことになるわけです。

 

 

10年後が怖いね。。。