NICUから離れてもう10年以上になりますが、当時のことは今でも忘れませんしNICUを辞めることになった事も、もう多くは語りませんが忘れることはありません。

 

医師の働き方改革などとバカなことが言われてますが、三日三晩病棟に張り付いて赤ちゃんの命をつなぐ、それを僕はキツいとか辞めたいとか労働基準法違反だとか、思ったことはありませんでした。

 

そりゃ確かに身体は辛かったけど、やりがいに満ちて日々頑張ったし、何より元気になった赤ちゃんがママに抱かれて退院していく姿を見ることが何よりの報酬でした。

 

 

先日ふと電話が鳴りました。

 

知らない番号でしたが出てみると

「18年前に先生に命を救っていただいた○○の母です」

 

もちろん忘れるはずもない名前、NICUで自分が送り出した1000g未満で産まれた子供達の名前は全員覚えてます。

 

退院後も何かあって困った場合にと、僕は自分の携帯番号を患者さんに教えてたんですね。

 

 

18年ぶり、、、もうそんなになるのかあ、、、

 

聞けばお子さんは今年大学生になるとのこと、そして命を助けてくれた先生に是非一言お礼が言いたいからクリニックに行っても良いかという電話だったんです。

 

 

超未熟児で産まれて何度も生死をさまよった子が、普通に健康に育っただけでなく大学にも合格し、しかも顔も覚えていないはずの主治医に感謝したいという人間としても立派に育っていた・・・

 

 

こんな嬉しいことはありませんでした。