お姉ちゃんはパパが休みの日にはいっつも抱っこしてましたね。
疲れて下ろすと、両手を上げて顔を見上げて半べそで抱っこ抱っこって全然歩いてくれませんでしたね。
それでもパパが『もうしんどいから、自分で歩いてね』と突き放すと、
今度は半べそでママ抱っこしてーって感じでしたね。
お出かけはいつもベビーカーに乗っているか、抱っこでした。
下の息子が生まれてからは息子がベビーカーで、またお姉ちゃんは抱っこしてーって。
息子が歩けるようになるとお姉ちゃんがベビーカーで息子が手を繋いで歩いていましたよね。
お姉ちゃんの方が赤ちゃんみたいやなぁって言うと聞いてないフリ。
息子が3歳くらいになってもお姉ちゃんは抱っこされ息子はパパとママの周りを走っていましたね。
ベビーカーは荷物を載せる為に便利なのとお姉ちゃんを運ぶのに便利な為ずっと持ち歩いていました。
ママ抱っこしてーっ
パパ抱っこしてーっ
出かける度に抱っこ抱っこ抱っこでしたね。
毎週パパと洗車をするとお姉ちゃんが水かけ係でいつもびしょ濡れでママに怒られて2人で苦笑いしてましたよね。
兄妹が並んで座るといつもどっちの手が当たったとかですぐ喧嘩していましたよね。
でも、そんなお姉ちゃんも友達や学校では人に優しく調和を取る様になっていきました。
でも、家に帰ると少しパパや弟には厳しかったね。
お姉ちゃんも中学生になるとママの口癖がお姉ちゃんの口癖になってた様な気がします。
平日の夕方に電話をかけると、まずお姉ちゃんが電話に出て、パパやけどって言うと『またご飯要らんて言う電話やろ』ってすかさず返されていましたよね。
まあ、だいたい当たってるんやけどね。
家に帰るとママより先に『またビールのむん?』って聞いてましたよね。
母子って似てくるんですよね。
でも、お姉ちゃんも息子もパパの事もママの事も大好きでしたね。
沢山わがまま言ってほんまに大変なお姉ちゃんやったけど、その分いっぱい愛情感じてくれてたんやろな。
人一倍、信頼感と自信をもらったんやろな。
そんな、人が良くて、強気で、わがままで、我慢強いお姉ちゃんも、もうすぐ22歳で車で迎えにきてくれた事もありました。
息子のバイクの後ろに乗って息子にしがみついた時にも、『成長したなぁ』って感動したよ。
パパとママが別々に暮らす様になってお姉ちゃんは面倒見が良くもっと兄妹仲良くなれた気がします。
息子はお姉ちゃんは女王様って言われてたけどね。
でも、
兄妹仲良くしてくれて、
助け合ってくれて、
心配しあってくれて、
思いやってくれて、
ほんまにいい兄妹やなぁって思うよ。
あの時は『抱っこ抱っこ抱っこ抱っこ』って言われて、またかぁーってなってたけど、
今はもう抱っこなんて言ってくれないし貴重な時間だったと思うよ。
あの重さや腕のダルさが幸せやったんやなって思うよ。
2人ともパパが死ぬまで、まだ力があるうちにまた抱っこさせて欲しいな。
もっと、まだまだ、一緒に暮らせるはずやった、そのつもりでしかなかった。
あまりにも早く、予定の半分以下の時間しか
一緒に暮らせなかったことが、未だに心残りに思うよ。
空白の時間がお前達とはあるけども、
今度はパパに信頼感と自信を与えて欲しいな。
パパは子供達に愛されてるって感じたいな
お前達を抱いた時の腕の重さの感覚をあっちの世界に持っていけたらと思ってるよ。
お前達に出会えて少しの時間で、まだまだ親としてやってあげれなかった事あったと思うけど、
そんなパパを許してね。
そして、これからも永遠に宜しくね。
いっぱいまた遊ぼうね。
パパより