Episode of nonet #1 "Start Line" | ガールフレンド(非公式) 物語

ガールフレンド(非公式) 物語

ガールフレンド(仮)の同人小説を掲載します!
全ガールを登場させる予定です!

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それは突然理事長から発表された。
創士郎「聖櫻学園は本日より『全国学生ダンスバトルロイヤル』に向けた音楽活動強化へと方針を変更する!」
心実「え?」
「えぇ~っ!?」

突然の発表に生徒は困惑していた。
心実「そんな…私の高校生活が音楽活動に…そもそも全国学生ダンスバトルロイヤルってなんなんですか…」
りさ「名前の通りよ。全国の学生がダンスで競い合う。まあ歌も必要なんだけどね」
心実「なるほど…」
鞠香「でもダンスなんてやったことないし…」
りさ「そのための教育方針の転換よ。それに無理に参加する必要はないわ」
エミ「なーんだー!じゃあ私はパース」
鞠香「私も様子見かなー」
凜乃「あたしは楽しそうだと思うけど」
はな「じゃあはなと組もー!」
凜乃「それは遠慮しようか」
エミ「心実ちゃんも部活があるし無理だよね」
心実「え?ええ…」

一方、困惑していない生徒もいた。
明音「ダンスだって!ダンスだよ!」
由紀恵「いつも通りうるさいわね」
美知留「いつも通り硬いね」
園美「ですね」
由紀恵「悪かったわね」
つぐみ「まあまあ。でも結構面白そうじゃない?」
一葉「ね!一緒にやろうよ!」
つぐみ「もちろんいいよ!奈央ちゃんもどう?」
奈央「私はモデルの仕事もあるから」
つぐみ「そっか。じゃあ…」
明音「わ、私も入っていい?」
つぐみ「大歓迎!ね!」
一葉「おう!」
由紀恵「能天気な人たちね。そういえば男の子はどうするの?」
咲里「え?うーん…男子の部はないんですか?」
典子「あるわよ。ただ女子が多い聖櫻学園ではやりづらいかもね」
咲里「まあそもそも運動神経が悪いからダンスはできないんですけどね」
未涼「私たちにとっては苦でしかないわね」
咲里「ですね」
美知留「あきらめちゃ駄目だーっ!」
由紀恵「静かにしなさい」
美知留「私も君たちのユニットに参加しよう」
つぐみ「これで四人!」
美知留「しかーし!歌って踊りはしない」
一葉「どゆこと?」
美知留「私は君たちの衣装担当になってあげようと言っているのだ」
明音「なるほど。確かに必要かも!」
つぐみ「あんまり信頼できないけどね」
美知留「確かに」
一葉「おいおい」
由紀恵「でも確かにそういう関わり方も有りね」
美知留「トムトムミッチーは新たな世界を切り拓く!」
咲里「どうします?」
未涼「私は勉強があるから。あなたも踊るために聖櫻に入ったわけではないでしょ?」
咲里「…」

文緒「ご利用ありがとうございました」
咲里「はぁ…」
真尋「咲里はどこまでも深く沈んでいきそうなほど重いため息を吐いた」
咲里「それ、やめてください」
真尋「冗談よ。どうしたの?」
咲里「ダンスバトル…」
真尋「ロワイヤル?」
咲里「そう、それです。僕はどうすればいいんだろうって」
真尋「別に今まで通りでもいいんじゃない?」
咲里「でも…夏目さんは何かやるんですか?」
真尋「まあ一応ね。誘われたから」
咲里「やるんだ…村上先輩は?」
文緒「えっ?ああ、私は遠慮しようかと。私には無理ですから」
咲里「やっぱり人には向き不向きってものがありますよね」
真尋「村上先輩はかわいいし向いてると思うんですけど」
文緒「そんなことありませんよ」
咲里「僕は無理なんですね」
真尋「まあそこまで深く考えなくてもやりたければやる、やりたくなければやらないでいいと思う」
咲里「やりたければ、ね…」

夕暮れの中、咲里は中庭のベンチに座った。
咲里「やりたいのかもわからないから困ってるのに…」
咲里は独り言を呟いた。
「私もです」
しかしその独り言に返事が返ってきた。左を見ると離れたベンチに二年生の制服を着た女の子が座っていた。
咲里「…正直意味わかりませんよ。突然ダンスバトルロイヤルだなんて」
「そうですよね。今までそんなことをするなんて全く思っていませんでした。でも…」
咲里「…」
「なぜだかわからないけど惹かれているんです。興味ないはずなのに…新体操を続けたいはずなのに…」
咲里「僕も同じ風に思ってました。理事長の言うことは意味わかりませんけどもしかしたら僕たちにわからないだけで深い意味があるのかもしれない」
「一人だと勇気が出ないけど」
咲里「二人ならできる」
二人は同時に立ち上がった。
「お願いできますか?」
咲里「僕でよければ」
「ありがとうございます!」
咲里「白木咲里です。よろしくお願いします」
「椎名…」
心実「椎名心実です!よろしくお願いします!」


心実「おはようございます、白木さん」
咲里「あ、おはようございます。改めて頑張りましょう」
心実「はい!」
咲里「…で、何をすればいいんでしょう?」
心実「それはダンスの練習ですよ」
咲里「それは椎名さんがやるんでしょう」
心実「えっ?」
咲里「えっ?」
心実「わ、私が出る方なんですか?」
咲里「そりゃそうでしょう。なんで僕が踊るんですか」
心実「私だって無理ですよ!」
咲里「新体操部なんですよね?」
心実「それは…そうですけど」
咲里「なら大丈夫です」
心実「それは違います!」
咲里「違いませんよ、大丈夫だと言い聞かせるんです」
心実「それ結構無謀なことにやるものですから!」
咲里「じゃあ…出てくれるメンバーを探します?」
心実「なるほど…」
咲里「決定ですね。それじゃあ女子のメンバーを集めましょう」
心実「あっ、ずるい!」

心実「とは言ったものの…メンバーは集めなければいけませんよね…」
鞠香「心実ちゃん、どうしたの?具合悪い?」
心実「いえ、そうではないんですけど」
エミ「何か悩んでるならなんでも言ってよ」
心実「あの…私たちのユニットに参加してもらえませんか?」
エミ&鞠香「ユニット!?」
鞠香「心実ちゃん、ユニット組んだの?」
心実「組んだというかなんというか…」
エミ「どついうこと?」
心実「私を含めてメンバーは二人なんですけど…相手の方は男の子なんです」
エミ「ええっ!まさかの!」
心実「男女混合ユニットってわけではありませんよ!」
鞠香「まあそれじゃ出られないからね」
心実「だからメンバーを集めようと…」
エミ「…いいよ!」
心実「えっ?」
鞠香「私も入ろうかな」
心実「本当ですか?」
鞠香「本当だよ。嘘ついてどうするの」
心実「でも昨日…」
鞠香「実は少し興味があったの。せっかくのチャンスなんだからやってみようかなって」
エミ「そういうこと!この三人なら絶対うまくいくよ!」
鞠香「それはわからないけど」
エミ「え~っ」
鞠香「でもやってみる価値はあると思う」
エミ「うん!」
心実「佐伯さん、相楽さん…!」
エミ「よーし、新ユニット結成!」
鞠香「おーっ!」
心実「…あれっ?私も踊るんですか?」

心実「というわけなので私たちランチタイムデザートを」
心実&エミ&鞠香「よろしくお願いします!」
咲里「いつの間に…」
心実「お二人をお誘いしたら快く引き受けてくださったんです!」
エミ「これからよろしくね、咲里くん!」
鞠香「咲里くん、任せたよ」
咲里「こちらこそよろしくお願いします…ってそうじゃなくて。ユニット名ですよ」
エミ「あー。さっきノリで決まっちゃった」
鞠香「でもかわいい名前でしょ?」
咲里「まあ…でもこれじゃ僕は何をすればいいのかって感じです」
心実「白木さんは私たちが練習できる環境を整えてほしいです」
咲里「環境ですか」
鞠香「練習できなきゃどうしようもないもんね」
咲里「となると僕はマネージャーですか?」
「ユニットリーダーよ」
エミ「おー、りさちゃん!」
りさ「あなたはランチタイムデザートのユニットリーダー。ユニットを支えるのが仕事よ」
咲里「ユニットリーダー…」
エミ「なんだー、りさちゃんも入りたいならそう言えばよかったのに~」
りさ「残念だけどそれはないわ」
エミ「違うの!?」
りさ「私は全てのユニットに公平に協力するだけよ。あなたたちの味方でもあり敵でもある」
心実「敵…ですか」
りさ「そうよ。そしてあなたたちは今多くのライバルを作ったの。そのライバルたちはもう練習を始めているわ。さて、どうするの?」
エミ「よーし、練習だーっ!」
咲里「練習って…まだ場所確保してないですけど」
エミ「今から探すんだよ!心実ちゃん、鞠香ちゃん、行こう!」
心実「はいっ!」
鞠香「よしっ!」
咲里「踊らなくてもついていけるか心配だ…」
りさ「白木くん、だったかしら?」
咲里「え?はい、そうですけど」
りさ「二週間後に第一回の校内大会が開かれるわ」
咲里「はあ…って二週間後ですか!?」
りさ「もし参加するならこの紙に必要事項を書いて生徒会に提出して。健闘を祈ってるわ」
咲里「わかりました。ありがとうございます」
りさ「じゃあ頑張ってね」
咲里「はい」
鞠香「おーい、早く~!」
咲里「あ、待ってください!失礼します」
エミ「置いてっちゃうぞ~」
咲里「待ってくださいって!」
心実「白木さん」
咲里「はい?」
心実「頑張りましょうね!」
咲里「…はい!」

こうして白木咲里と椎名心実は出会った。
彼らは同じ一つの虹を追いかけ始めたのだった。
…すぐ近くに暗雲が立ち込めていることも知らずに…。