和歌山の恐い話 二題 | たけおか ぼちぼち日記

たけおか ぼちぼち日記

思いついたらメモ


和歌山の恐い話 二題

夏なので、恐い話を…

恐い話の基本パターンに「私の友達の友達が恐い目にあった話」があるが、
ここに書く話は、僕の友達が体験した、と、自称している話である。
その友人の名を、仮に京子とする(分かる人には、「ちっとも仮名になっていない(苦笑)」と、突っ込まれる実在の人物である)。
もっとも、京子は、一日の終わりに、x51.orgだとか、恐い話だとかをwebでチェックしないと寝れない、という御仁なので、どこまでが本当の話かはわからない。
京子は、大学は京都だったが、和歌山生まれで、夏休みなどには和歌山によく帰っていた。

ここに書く話を聞いたのは、もう3~4年も前になるだろうか…



一題目 和歌山の幽霊旅館

和歌山の幽霊旅館の話は、非常に有名である。今でもGoolgeで検索すればすぐに幾つか話が見つかる。
しかし、京子の話は、そういう単純なものではない。
京子が夏の夜に和歌山で友人たちと、うだうだしていて、ふと、有名な幽霊旅館の話になった。
その友人たちの中には、霊感が強く、ときどき変なものが見えて困る、という男子も居た。当然、その男子は、幽霊とか変なものの存在を認めている。
さて、幽霊旅館の話を誰かがはじめる。「あの旅館って、経営が破綻して、オーナーが旅館で自殺したとかで、幽霊が出るらしいよな。」
しかし、くだんの幽霊見える青年は、「その旅館には、絶対に幽霊なんか出ない。誰も自殺なんかしていない」と強硬に主張する。別な誰かが、「どうしてお前はそんなことを言い切れるんだ?どういうことだ」と問うと、くだんの青年が「だって、あの旅館、俺の親戚の家だもん。もう、おじさん達は、隠居したくて、旅館を閉めただけさ。俺、あの旅館に何度も行ってるけど、変なものなんか全然居なかったよ。」
退屈な若者たちの集まりなので、よせばいいのに「なんだ、そうか。じゃー、みんなで今から、その幽霊旅館に行こうぜ」と、車で出かけた。人数が9人ほどだったので、二台に分乗して向かう。くだんの青年と京子は、後の車。
さて、後の車が旅館に到着する頃には、先の車の連中は、車を降りて、勝手に旅館の庭に入ったり、建物の中に入ったり…
後の車から、青年や京子が降りたら、青年が変な顔をして…
「やばいわ。入ったらアカン。」
当然、京子たちには、何も見えない。
「みんなを呼び戻さないと…あの門のところに、もう人間じゃないものが居る。化け物になり始めてる。あと、あの二階の窓のところから、呼んでる奴が居る」と、青年は言う。
後続車のみんなは慌てて、先行の者たちを呼び戻し、みなで逃げ帰った。
しかし、一番、びっくりしてビビっていたのは、くだんの幽霊の見える青年だったそうだ。絶対に幽霊の居ないはずの親戚の旅館跡に、恐いものが居たのだから…
最近のWeb検索の結果では、もう、その旅館は取り壊されているようだ。




二題目 恐竜公園

和歌山の恐竜公園の恐い話も有名な話だ。だが、僕が京子から聞いたものは、同型だが少し違う。
恐竜公園は山の上にある。なんともパラダイス(関西では、独特の意味を持つ)な公園であり、Web検索すれば、パラダイスな描写と、恐い話がヒットする。
その山の上がり口あたりにコンビニがある(と京子が言っていた)。
そこのコンビニで京子の友人がアルバイトをしていたそうだ。
ある日、コンビニのバイト仲間男子2人、女子2人で、恐竜公園に車で行った。
運転手の男子は「なんだか気持ちが悪いから、車で休んでるわ」と言い、車に残った。
別の男子と女子2名は、公園に行き、男子を真ん中にし、ベンチに座った。
しばらくすると、男子が「あんなぁ、変なこと言うけど、ちょっと俺の脚のあたり見てくれへん?」と女子二人に言う。
女子が男子の脚を見ると、地面から手が出て、男子の両足首を掴んでいた。
女子二人は驚き、逃げ出し、車のところへ行き、うたたねをしていた運転手の男子を叩き起こし、「早く車を出して。すぐに!」運転手男子は、わけもわからず車を出した。
山を降りた辺りで、みんな少し落ち着いた。運転手男子がもう一人の男子の居ないことに気づき、「あれ?××君(僕は本名を京子から聞いたが失念)は?」と尋ねた。
女子たちは、これこれこういうことで、恐くて逃げた、というと、運転手男子は「それはいけないだろう」と、一喝し、車で恐竜公園に戻った。
しかし、そこにはあの男子は居なかった。
恐竜公園までの道は、一本で、車で行けば、必ず彼とすれ違うはずなのだが、ちっとも見つからなかった。仕方がないので、バイト先のコンビニに行き、バイトに来ていたみんなにも手伝ってもらい、山を探した。その日は、結局見つからなかったが、「ま、地元民だし、歩いて帰ってこれられるだろう」と、楽観して解散した。
しかし、行方不明の彼はずっと見つからなかった。
ところが、三ヶ月ほどして、大阪の枚方をもう少し超えた交野のあたりで行方不明の彼は見つかった。これは新聞にも載った事実だそうだ。
でも、彼は記憶喪失になり、長く療養生活をしていたそうだ。
最近では、一応、友人のことは少し思い出し、雑談ぐらいはできるようになったそうだ。

(ちなみに、コンビニのチェーン名も実名を聞いたが、差し障りがあると、なんなので、ここでは伏せる。あと若干、伏せてる事柄あり)




上記は、僕が京子から聞いた話で、京子は、旅館の話は自分の経験であり、恐竜公園は自分の友人の話だ、と言っていた。

地面から手が出る話は、当時、流行した話なのだが、後日に消えた人物が見つかるのは、類が無い。

実は、ポピュラーな話だったら、わざわざ僕が書く必要が無いので、3年ぐらい寝かせて、時々、同類の話が出ないか、Webでサーチしていた。
しかし、同類の話が現れないので、今回、blogに書いてみました。