借地借家法その2(借地)~講義速攻復習(水野塾4回目・スーパー合格Bの6回目) | 水野健の宅建・合格魂!養成ブログ

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借地借家法の借地です。

 

借家よりも馴染みが無いことも多いのとイメージがつきにくいので

苦手とされる方も多いです。

ただ借地借家法の2問は権利関係の中では

点数にしやすいところですので頑張って行きましょう。

 

  借地借家法の適用範囲

建物を建てるために土地を借りる場合は借地借家法で借主を保護します。

 

建物所有を目的としていない、

資材置き場や青空駐車場の用に供する目的等の場合は、

借地借家法ではなく民法の規定が適用されますし、

 

地上権と賃借権が対象となりますから、

使用貸借(タダで借りる)は適用されません。

 

また、一時使用目的であることが明らかな場合も、

借地借家法ではなく民法の賃貸借のルールが適用されます。

 

要するに土地を借りるといっても保護されるのは

建物所有のために土地を借りている場合のみ!

 

土地を建物所有のために借りる権利を

賃借権と地上権を合わせて

借地権と呼ぶのです。

 

 

  借地契約の存続期間等

借地借家法の借地の規定では、民法とも、借地借家法の借家どちらとも異なる

存続期間等の定めがあります。

 

最長期間:制限なし

最短期間:30年

 

長く借りれれば借りれるほど借主保護なので最長期間は制限なしは

建物と同じなのですんなり頭に入ると思いますが

最短30年というのを確実にしましょう。

 

最短なので

土地を建物建てるために借りる場合に

 

25年と定めると30年とされます。

逆に35年と定めると35年のまま有効になります。

 

30年とだけ覚えるのはやめましょう。

 

  更新について

借地権も更新できます。

 

1当事者の合意で更新

建物があるときに限り借地権者が更新を請求したときは、更新したものとみなされる(請求による更新)

3借地権が終了しても、建物がある状態で借地権者が土地の使用を継続しているときは、更新したものとみなされる(法定更新)

 

ポイントは2と3は建物のある時だけです

 

更新を拒絶するには

土地の所有者(借地権設定者)が遅滞なく正当事由ある異議を述べる必要があります。

 

※ここで言う正当事由も借家と同じように、貸主借主の必要としている事情とか立退料等考慮されます。

古い判例ですが地主(借地権設定者)が生活のために土地に家を建て子供達と同居したい、土地の借主(借地権者)は居住用の不動産を所有していて経済的に苦労しておらず、建物の老朽化しており借地は居住用に使用する予定ない等で正当事由を認めた判例があります。(暗記不要)

 

更新の期間最初の更新時の最短期間:20年

2回目以降の更新時の最短期間:10年

 

30年→20年→10年→10年→10年

と最低期間が更新ごとに推移します。

 

更新の際もそれなりの期間がないとダメということです。

 

復習ポイントは

借地権は、最初の契約の期間は30年以上でないと30年になる。

短いと借主保護にならないから。

 

その後

一回目の更新は20年以上、その後の更新は10年以上

これより短い場合には

やっぱり借主にとって不利な特約とされ無効となる。

 

 

  借地上の建物の滅失と建物の再築

 

土地を建物所有目的で借りている最中に建物が滅失した場合の話です。

最初の30年の存続期間満了前に滅失した場合と更新後に建物が滅失場合の時で違いが出ます。

 

存続期間満了前に滅失した場合

借地権者が存続期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつき

借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権者は承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から20年

存続します→これより長い期間を定めた時はその期間

 

建物を再築する通知を地主にしてから2か月以内に異議を述べないと承諾あったものとみなされます。

 

更新後に建物が滅失した場合

借地権者は借地契約の解約申し入れができる→解約から3か月経過により借地権は消滅します。

 

 

  対抗力

民法の賃貸借では、賃借権の登記だけが借主の対抗力となっていましたが、

 

借家でのルールでは引渡しが対抗力となりました。

 

借地(建物建てるための借地)ルールの対抗力は次のとおり。

・借地権の登記

・借地上の建物の借地権者名義の登記

(権利に関する登記に限らず、表示に関する登記でもOK)

 

注意のポイントは建物の登記は表示登記(義務の登記)でも良いが

借地権者の自己名義ではなければならず、配偶者や長男名義ではダメな点を覚えておきましょう。

 

建物の登記があったのに火災等で滅失した場合→表示の登記は抹消する義務があります。

借主が再築予定であれば、土地に看板(〇建物の特定〇滅失した旨〇再築する旨)を立てておけば

2年間は対抗できる明認方法があるという点まで押さえましょう。

 

 

 

  建物買取請求権

借地権設定契約が更新されず(正当事由ある異議を述べられた等)終了した場合は

借地権者(土地を借りて建物借りていた人)は借地権設定者(地主)に建物の買取請求ができます。

地主はヤダとか言えず、請求した時点で成立となります。

 

ただし、借地権者が地代を債務不履行により解除されたような場合は

約束守らないような悪い借主は買い取り請求できません。

 

 

  借地上の建物の譲渡と競売

借地上の建物を他の人に売る場合も競売の場合でも土地を使う人が変わるのは借地権設定者の承諾は必要です。

 

もし承諾をもらえない時に裁判所に申し立てをするという場面の際に誰が申し立てるかが問われます。

 

通常の売買は売主ですが競売の場合は競落人(買った方)です。

自分の物件が競売で落札されて売らされてしまった人が買主のために申し立てをしてもらえる可能性は低いからです。

下記動画を参考にしてください。

 

 

 

 

  特殊な借地権

借地借家法の借地のルールにも、

借家ルールの定期建物賃貸借のように、

特殊な契約が存在します。

 

特殊な借地権のポイントは、

期間を覚える・目的の制限・法定更新の可否・建物買取請求権があるか?

そして契約方法について覚えることです。

 

 

 

長期の定期借地権

 

期間:50年以上

目的:制限なし(居住用でも大丈夫

更新:なし

再築による期間延長なし

建物買取請求権不可

契約方法:公正証書書面又は電磁的記録

要するに公正証書ではなくて紙ならOKです。

 

 

建物譲渡特約付借地権

 

期間:30年以上

目的:制限なし

更新:なし

建物買取請求権:建物の譲渡特約をする

契約方法:書面作成不要

理由は講義でお話した通りです

 

 

事業用定期借地権

 

期間→10年以上50年未満(50年以上なら長期の定借でやれば良いから)

目的はもっぱら事業用(居住用は不可)→社宅も人が住むのでダメ

更新もなし

再築による期間の延長もなし

建物買取請求権もなし

契約方法→必ず公正証書でやる必要あり

 

 

賃貸借・借地借家法は言葉に慣れないと難しい、覚えてもどこの知識を使って解くかが出来ないといけない

だから簡単ではないですが整理しながらじっくりと頑張ってください!

 

 

スーパー合格講座確認テストB-6解説動画↓