THE WANDERERS・・・ 放浪者たち
僕が青春のすべてを注ぎ込んだバンド。
Oi PUNKS というカテゴリーには居ながら胸を打つメロディーを目指した異色の存在。
何ものにも属さなかった、まさに放浪者。
そんなバンド名のもとになったのは、映画、WANDERERSだった。
アメリカングラフィティーと同じ年代を描いた青春映画だが、こちらはとにかくカッコ良かった。
若者たちは、背中にチームのロゴを貼った揃いのジャンパーを着て、他チームと対立していた。
その中の一つがWANDERERS。
イタリア系移民の貧しいチームだ。
貧民街のストリートを歩きながら、口笛を吹くと、いろんなアパートから仲間が現れる。
そして、いつしかチーム全員が揃いストリートを闊歩する。
最高にカッコいいシーンだ。
そんな映画を更に渋く盛り上げていた曲が、DION の 「THE WANDERER」 だ。
この曲はロックンロールナンバーでありながら、1962年に全米2位に上昇する快挙を成し遂げた。
ロックンロールは1959年のバディーホリーの死亡とともに死んだと言われている。
その通り、1960年以降、ロックンロールがチャートのトップ10に入ったことは無い。
似たような曲はあったが、それはすべて「ツイスト」という商業ダンスミュージックに姿を変えていた。
そんな、「ロックンロールは過去のもの」として、皆が忘れ去った1962年に、
DION の「THE WANDERER」は彗星のごとく登場し、皆の心をかっさらっていった。
(全米2位とはそういうことだろう・・・)
そう、
突き抜けた楽曲は、流行さえも超越してしまう。
そんな突き抜けたものが、次の流行を作って行くのだろう。
それは、自分が良いと信じる「信念」からしか生まれない。
周りがやっているから、とか
流行っているから、
とかではない。
これぞ、まさに WANDERER・・・放浪者
何ものにも属さない・・・
そのアウトロー精神だけは、いつまでも忘れたくない。