40歳になった時、突然、箸の持ち方を直そうと思い立った。


ずっと、人からも「おかしい」と言われ続けた40年。


矯正中は豆もつかめず、ご飯もちっともおいしくない。

それでもあきらめずに直し続けた。


人から見れば、そんなのどうでもいいことなんだけど、

僕は40歳になったからといって、何かを諦めたくなかったんだ。

一番、幼い子がやるようなことを、40歳からだってやり直せる!っていうことをまず自分に証明したかった。



もう一つ40歳から真剣に始めたことがある。


それはアコースティックギターをちゃんと弾くこと。

そう、弦を右手の指で弾くこと。


ずっとエレキをピックで弾いてきたので、左手はなんぼでも動くけど、右手はまさにゼロ歳児。


弦がどこにあるかをつかむだけで2年かかった。

ピックなら出来ることが全然できないもどかしさ。

それでも、やっぱり40歳からだって、何だってできると証明したかった。

人生はこれからだと。


今、左手は29歳で、右手は3歳児。

まったくイメージの自分には届いていないけど、僕には40歳の時に決めた目標があるんだ。


それは、50歳になった時に、超絶アコースティックギターリストになっていること。

プロになっている必要はないけれど、ひとたび人前でギターを弾けば、ギター一本で感動してもらえる演奏ができること。

ギター一本の新たな可能性を示すこと。


今、毎日エレキを必死で弾いているけれど、アコースティックの目標も並行してやって行く。


人間、「自分一人でも大丈夫」っていう強さも必要だと思うから。


それに、そんな自分でないと、友はいつまでも「相棒」って呼んでくれないと思うから(笑)。