次はキーボード(シンセ)です。
キーボード(シンセ)と言っていますが、
ピアノ、エレピ、ストリングス等、どのようなものでも基本は同じです。
キーボードは機材直結のライン録音か、ソフトシンセから鳴らすことになると思いますが、最大の問題点は「音が良すぎる」ことです。
デジタル音源そのままなので重低音から高音まで綺麗に出過ぎています。
・重低音は全ての楽器と歌の邪魔をします
・高音は音を安っぽくします
不思議なもので、クリアすぎると人はそれをニセモノ(生音ではない)と判断するのです。
なので、シンセの音色を調整する時に最も大事なのは、せっかくの高音質をナローにするということです。
高音を削られたシンセは音が悪くなるように思いますが、こうすることで逆にシンセの自然な居場所が出来て、良い音で聴こえるようになります。
基本音色が決まれば、ベースの花道を開けるのは、今までの解説通りマストで実施しましょう。
ギターと歌に対する花道も必要なら同様にです。
シンセは複数の音色を入れることが多くなると思いますが、そのシンセ同士の音がぶつかっていることも多々あります。
そんな場合はどちらかのシンセの600ヘルツ辺りをカットすると双方が分離することが多いです。
(600ヘルツ付近でダメだった場合、ヘルツのフェーダーを動かしながらポイントを探しましょう)
さて、ここまでイコライザーはカットする話ばかりをしていましたが、こういった複雑な音の組み合わせを成り立たせて行く場合、時には増幅することもあります。
ただし、
増幅する場合も一箇所だけです。
その音が、最もそれらしく聴こえる箇所を、わずかだけ増幅しましょう。
ここまで来ると、全ての音を鳴らして、狙った楽器が抜けるポイントをフェーダーをずらしながら探す方法を使うこともできます。
もし、どうしても抜けない音が、ある場合はどうしたら良いでしょう?
それは音色選び、または弾く音階に問題がある可能性があります。
実は、録音の時から、すでに分離している音を選択するところから、ミックスダウンは始まっています。
時には弾き直すことも選択しましょう。
あなたは、周波数を満遍なく配置するクリエーターなのです👍
最後にシンセのPANですが、気をつけた方が良いのは、
ストリングスやピアノ系など、低音から高音まで全てが出ているような音色はセンターから遠ざけ過ぎないことです。
そんなしっかりした音がサイドから鳴っていると、そちらに耳を引っ張られ過ぎます。
逆に、ブラスや、ベル等の高音系は左右に振った方が、歌を邪魔せず、ステレオ感が出ます。
シンセ系も最後は歌に対する音量調整をして完了です。
chuma@WDRS