さて、個別要素の最後。


コーラスです。


コーラスは「掛け声」のようなものと、「和音系(ハモり含む)」でアプローチが異なります。



まず、掛け声系は迫力を出すことが最優先になるはずです。


コンプを強めにして割れた感を出しましょう。


リバーブはすごく深めにかけます。

(大人数で歌っているように聴こえる)


そして、何よりも大事なのは高音をカットすることです。


この場合、EQよりも、むしろリバーブの高音を切ることが大事です。


なぜでしょう?


大人数で広いホールで録っているとして、残響音がクリアなんて、あり得ないからです。


距離が遠くなると、高音ほど減衰します。

(野外ライブなんて遠くから聴くと低音しか聴こえませんね)



このようなことを再現するために、リバーブの高音カットが重要です。


リバーブのハイカット(これ以上の音を切るという意味)を2キロヘルツと極端に下げている例↓


こうすることで迫力が出ます。




次に和音系(ハモり含む)の調整です。


ここで最も大事なのは、コーラス(ハモり)を歌とは思わないことです。


キーボードだと思って処理しましょう。


だから、ベースや、ギターの花道を作ることもやります。


歌だと思って2500ヘルツを上げるのはNGです。


ボーカルより一枚後ろに引っ込んでいることが大事です。


簡単に歌よりも後ろに生かせる方法は、リバーブの高音をボーカルよりもやや低くすることです。


リバーブで、ボーカル(左)はハイカットが7.0キロ。コーラス(右)はハイカットが6.0キロの例↓

こうすると、コーラス自体はクリアな音でも、ボーカルより前に出ることはなくなります。



このように、音の前後関係はイコライザーだけでなく、リバーブのハイカットにも注意を払う、というのは全てのパートにおいて言える重要なことです。

(先述の通り遠い音ほど、音が減衰するからです)


また、リバーブの重低音が音抜けに対して悪さをしていないかも全パートのチェックポイントになります。(ローカット周波数で調整)




最後に、コーラスのPANに関しては、


・歌とのハーモニー感を重視したいなら、センター付近。(センターの歌と混ぜる)


・サビ等からの広がりを重視したいなら左右に振ると良いでしょう。


いずれにしても、キーボードと似た役割、音域になるので、キーボードとは距離を取るパンニングが良いと思います。



ボーカルに対しての音量調整も、楽器と同じようにやります。


以上で個別要素は全て終了です。


お疲れ様でした!👍


chuma@WDRS