こんにちは、心理セラピストのたなだかつひこです。
“つらい子ども時代”を経験した人の中には、大人になった現在も自分の親に対して「怒り」の感情を持ち続けている人がいます。
その「怒り」は、子ども時代に自分の欲求やニーズを大切にして、満たしてもらえなかったことへの「怒り」であり、自分の子ども時代を台無しにされたことへの「怒り」です。
しかし、その「怒り」は本物の感情ではないために、どれほど親に腹を立てようとも、気持ちがスッキリして癒しが起きることも、ましてや問題が解決することもありません。
それどころか、「怒り」がどんどん増長して「憎しみ」のレベルにまでなってくると、いずれは自分自身に跳ね返ってきて、最悪の場合には健康状態にまで悪影響をおよぼし始めるようになります。
それはまるで、「自分の親を親として受け入れるくらいなら、病気になって死んだ方がまだマシだ!」と主張しているかのような状態です。
そして実際に、親に「怒り」や「憎しみ」「恨み」を持ち続けている女性の何割かが、乳がんや子宮筋腫等、婦人科系の病気を経験します(不思議です・・・・・)。
そういう人の中で何が起きているのかというと、偽物の「怒り」が本物の「悲しみ」の核を覆い隠している状態になっています。
なので、ただ「怒り」を感じて表出するだけでは、癒しが起きることはありませんし、問題が解決することもありません。
癒しが起きて、問題が解決するためには、「怒り」の下に覆い隠された本物の感情に触れて、純粋に心から「悲しむ」必要があります。
まずは「怒り」を表現しましょう。
“つらい子ども時代”を経験した人が親に対して持ち続けている「怒り」は、大人になった今のあなたのものではなく、子どもの○○ちゃんの魂の叫びであり悲鳴です。
その子どもの○○ちゃんの「怒り」を出しましょう。
ただし、「怒り」を表現するためには、安全な場所と環境を選ばなくてはなりません。
「怒り」を親に直接ぶつけたい衝動にかられるかもしれませんが、そうすることは状況を悪化させるだけです。
「怒り」で親や周囲の人たちを傷つけてしまうと、あなたは新たな「悲しみ」を背負い込むことになります。
それは、あなたの親が子どものあなたを「怒り」で傷つけたときに経験したことの二の舞です。
あなたは親と同じことをやってはいけません。
あなたの心の中にいる○○ちゃんの「怒り」や「悲しみ」に心から共感し、その辛さを一緒に分かち合ってくれるセラピストか安全なグループを見つけて、そこで「怒り」を表現するようにしましょう。
「怒り」を表現することができると、その下に覆い隠されていた「悲しみ」が現れてきます。
「悲しみ」が現れてきたら、思い存分泣きましょう。
思い存分です。
どれくらい泣いたらよいかは、あなたのココロとカラダが教えてくれます。
十分に悲しむことができると、ココロとカラダがフッと軽くなります。
涙があなたの“つらい子ども時代”を癒してくれます。
このときも、○○ちゃんの「悲しみ」をセラピストか安心できるグループの仲間たちと一緒に分かち合いましょう。
もしも、つらい子ども時代にかけて欲しかった言葉があるならば、セラピストや仲間にお願いして、かけてもらいましょう。
「つらかったね」「よくがんばったね」「家族のためにがまんしてくれて偉かったね」「でも、もうだいじょうぶだよ」「もう、がまんしなくてもいいんだよ」「つらいときは泣いてもいいんだよ」・・・・・等など。
子どもの頃に自分の親から受け取れなかったものは、信頼のできる仲間や、そして何よりも自分自身から受け取ることができます。
あなたの中にいる傷ついた○○ちゃんの「悲しみ」を十分に出してあげてください。
そうやって思い存分に「悲しむ」ことができる頃には、気が付いてみるとココロもカラダも軽くなって、“つらい子ども時代”の影響から解放されているはずです。
それは、積年の「怒り」や「憎しみ」から解放された<新しい自分>との出会いを意味します。
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心理セラピスト 棚田克彦