第8回(2014年10月14日)意見陳述第8回(正清) | 経産省前テントひろば応援団のブログ

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これまでの裁判資料 訴状 証拠説明書などは コチラ からご覧いただけます。

「脱原発といのちを守る裁判」HP より)



意見陳述

正清太一


私は、今回の裁判の被告席に立つにあたり、政府、官僚組織の「原子力発電」に対する目に余る態度に、強い憤りを感じております。


福島第一原発事故が起こって既に三年六か月を超す今日、基本的解決策はまったく行われず、その原因さえ国民には明らかにせず、放置したままです。一方では、鹿児島県の川内原発の再稼働を強行しようとしています。

福島現地では、行政不信がますます高まり、福島の主要都市・自治体の長は殆ど現職市長が負け、新人に代わる状況が起きています。しかし、最も責任が問われるべきなのは、今日まで多額の国費を使って「原発推進策」を進めてきた国、政府なのです。

今日でも、多額の国費を投じ続けているが、国民にはその内容は一切明らかにせず、しかも福島県民救済のための予算は、他の省庁の他事業への転換を許したまま、国が責任を持った施策は殆ど行われていません。


私たちは政府への要求として「福島を初めとする、特に子どもたちへの強力な救援策を行え!」ということを訴えてきましたが、国会での全会一致の法案成立にも拘わらず、殆ど進められていません。

特に福島県の子どもの甲状腺検査については、悪性ガンの患者数が、行政側の発表でさえ、前回の89人から103人となっています。これまでの悪性ガン発見のデータから推測すると、今後155人となるものと予想されます。その後の血液検査や尿検査、心電図等の総合的な検査はなされないまま放置されている、そして、結論として「放射線被ばくの影響とは考えられない」とするような判断は、とても許せないことです。しかも、内部被ばくの健康障害は、多岐に亘り、いまだに未知の分野の障害が予想されているにも拘らず、不十分な検査体制のままに放置し、原発による影響を不問にしようという態度は、とても許せないことです。


福島第一原発事故は「スリーマイル島の事故」「チェルノブイリの事故」に次ぐ世界で三回目の事故で、これまで以上の原発大事故として全世界が注目しています。

福島原発事故は決して日本だけの問題ではありません。大気に広がった放射性物質の量は全世界に広がっていることを忘れてはいけません。世界各国の人々が日本の対応を注目しています。今日、日本の主要メディアは、ともすれば「福島原発事故」は既に解決ズミのような報道をしていますが、「カネ」より「イノチ(命)」を大切に考える立場を取るならば、福島原発事故を真剣に報道すべきです。今日、国民の七割から八割までが、特に女性の90%の人々が、「原発はもう止めた方がいい」と考えていることは事実です。

原発はまだ必要だと考える人々は一部の関連企業と政府の指導者だけです。そのことを直視し、「経済の高度成長のため」といって、国民の生命を切り捨てる政策はやめるべきです。


昨日、午後五時半ごろに四、五人の人が突然やってきて、第一テントの前で、「経産省の敷地に無断で建てているテントは私たちが撤去する」と、テントを破壊しようとしていました。私は、「今、テントは裁判所が預かっているので、やめろ」と制止したところ、一人の男が、第二テントによじ登り、屋根から中に侵入し、第二テントの室内の机、いす、書棚を次々と押し倒し、中の書類をバラマキました。その時には、第二テントは誰もいませんでしたが、女性二人が中に這入り、その男の行動を制しようとしました。

「やめて!」と叫びながらその男の行動を押さえようとした際、若干、その女性たちが暴行されたようでしたが、いち早く駆けつけた私服警官によって、テントの外に運び出され、丸の内警察署に連行された、という事件がありました。私たちは、第一テントにいましたので、第二テント(女性用)には手が及ばなかったのでしたが、第二テントに乱入し、室内の諸物をばら撒いた状況は一部始終見ておりました。


私たちは、テントを訪れる人々は常に歓迎していますが、乱入しようとする人には静止しております。このテントには全国から、いろいろな人々が度々訪問されています。もちろん、「脱原発」の立場に異論のある方々もお見えになりますが、論議を重ね、納得して帰られる人を私自身、少なからず経験しています。それは、原発事故発生後六か月の福島支援活動を通じて経験したことが生きていると思います。

まだ福島では何一つ有効な解決が行われていません。福島の被災者が何を望んでいるのか。それに向かって、政府、行政は何をすべきかと是非考え、実行して頂きたいと思っている次第です。

             (以上)