8月お盆明けに到着!カンパーニャからの新ワイナリー「ジョヴァンニ・イアヌッチ」 | トレジャーのブログ~Bom・ba・ba・ba~

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2015年のトレジャーは5月にエミリア・ロマーニャのクアルティチェッロ、6月にはシチリアのウーヴァ・タントゥムと連チャンで新ワイナリーが仲間入りしてきましたが、8月にも新たなワイナリーが1蔵到着します!

ワイナリーがだんだん増えていくのは本当に嬉しい事です…新しいワイナリーの資料が加わったワインリストを見るとついニヤニヤとしてしまいます(^.^)

さて、今回のブログではまずは8月のお盆明けから出荷開始を予定しているワイナリーのご紹介です。カンパーニャ州ベネヴェント県からなんとまだ30歳ジャスト!若き造り手ジョヴァンニ・イアヌッチです。

祖父から父の代までは自家消費ワインと組合へのブドウ販売を行っていましたが、2012年ジョヴァンニが元詰めワイナリーを正式に立ち上げ、自分達のワインを造り始めました。
僅か2ヘクタールのブドウ畑の為、年間生産量はわずか4,000本と極少生産者ですが、素晴らしいワインを造ります。現在ボトルにしている品種は、ファランギーナ、トレッビアーノ、バルべーラ(ピエモンテのとは別の土着品種)です。それぞれ個性豊かに仕上げています。


ジョヴァンニ30歳


ジョヴァンニは知人のワイナリーなどから積極的に醸造を学び、独自の感覚でワインを醸造しています。経験年数などを考えると驚くような品質の高いワインを造ります。
これから現地でもさらに注目を集めること間違いありません。そんな彼のワインを順番にご紹介していきます!



ファランギーナ100%の「カンポ・ディ・マンドリエ」

このワインは生産量が非常に少ないジョヴァンニのワインの中では唯一まとまった本数が生産されているワインです。上質な白ワインが多いカンパーニャの中でも際立つ強い個性を持っているファランギーナです。

完全無農薬で栽培された畑から手積みで収穫されたファランギーナを、セメントタンクとトノーに分けて自然発酵させ、48時間マセラシオンします。写真後ろに少し写っていますが、少し黄金色をしています。発酵完了後にセメントとトノーそれぞれでシュール・リー状態で12ヶ月間熟成され、フィルタリングや清澄作業をせずにそのまま瓶詰めされます。

フルーティーでさっぱりな印象の強いファランギーナ種ですが、カンポ・ディ・マンドリエはマセラシオンしたことによって、皮が持つブドウ本来の風味、ボリューム感も抽出され、香り、味わい共に情報がたっぷりと詰まっています。トロピカルでパインのような香りもありますが、ドライハーブやスパイスのニュアンスもあり、味わいは骨格がしっかりとしています。じんわりと長く続く余韻は色々な料理にぶつけてみたくなります。澱引きなど一切行わない醸造工程なので、自然にシュール・リー状態での熟成となります。そこから生まれる旨味とビターな余韻はたまりません。


そして次はバルべーラ・デル・サンニオ種100%の「コスタ・デッレ・ヴィオレ」

品種がバルべーラですが、ピエモンテのバルべーラとは異なるそうです。このヴェネヴェントで大昔から栽培されており、この地域の土着品種だとジョヴァンニは言います。特徴としてはピエモンテのバルべーラに少し通じる部分もありますが、ジョヴァンニ以外のこのバルべーラを飲んでいない為、判断は難しいです。ただ、とても魅力的なワインだと理解できました。


これがバルべーラ・デル・サンニオ種


少し濃いめの紫がかった外観をしている為、濃くてタニックな味わいが連想されましたが、飲んでみるとすごーくしっとり柔らか!甘いブルーベリーな果実味と少しダシの効いた味わい。決して薄っぺらいワインではありませんが、とにかく飲み心地を極めた様な赤ワインです!夏場でもスルスル系です。ブドウを絞ったナチュラルなジュース感が強いですが、余韻の繊細さ、香りの要素などワインとしての形もしっかりと保っています。

あぁ、これはやばいな…1本1人で空けてしまうだろうな…といった第一印象でした笑まだまだフレッシュ感が全面に出ていますが、こういった元々柔らかいワインが2~3年熟成するとグッと上品になってさらに圧力の無い飲み心地になると思います。少しおいてみるのも楽しそうです。
到着が待ち遠しい!

ちなみにこのワインは「ダミジャーノ」と呼ばれる小さな容器にて熟成されます。大きなステンレスや木樽を使用する程の生産量もない為、ダミジャーノを使用いているそうです。


こちらがダミジャーノ


昔から自家消費ワインはこの容器を発酵&熟成で使用していたそうです。この容器は他のワイナリーやワインショップとかでも見かけますね。自分達で知っている限りで、ボトル販売しているワイナリーでは発酵熟成で使用している生産者はジョヴァンニが初めてでした。

そして最後のワインが一番鮮烈です。


トレッビアーノ100%で造られる「フラニェート」
貴腐菌の付いたブドウから生まれる香り高き白ワインです。

ジョヴァンニの畑のトレッビアーノには貴腐菌が付く事があり、2013年は貴腐菌付きブドウを用いて辛口の白ワインを醸造しました。

ファランギーナよりもさらに濃い黄金色をしています。このワインは発酵と熟成両方をダミジャーノを使用しています。生産量も非常に少ないです。今回購入できたのは本当に僅か…どうしよう笑

このワインはジョヴァンニの個性の真骨頂ともいうべきワインです。最初の香りのアタックで驚かされ、飲み心地と伸びやかな余韻に心をつかまれます。元詰め歴3年でこんなすごいワインを造っちゃうなんて…恐るべしです。

香りは、貴腐ブドウらしい熟れたフルーツの濃密で甘いアロマがグラスからこぼれます…華やかな香りからすぐに通常の白ワインとの違いが確認できます。

果実味は滑らかな質感で、甘い風味も口の中に広がりますが、酸味と硬質なミネラル感がしっかりと内包されている為、ボディは引き締まっています。決して甘ったるいワインではありません。

カンパーニャでこのタイプの白ワインは見かけたことはありませんし、イタリア全土でも珍しいタイプだと思います。最初にテイスティングした時は正直びっくりしました。文句なくおいしい特別なワインです。このワインが今後どうなって行くのか本当に気になります。末長くトレジャーで輸入したいです。

唯一残念なのは毎年条件がかみ合わないと醸造できないワインという事…なので、次回はいつ何本生産されるかは全くの未定です…

ジョヴァンニのワインは総生産量でも約3000本、そのうちのほとんどはファランギーナです。バルべーラとトレッビアーノは本当に少ない量なので、ご興味のある方は是非お早目にご連絡ください!

ジョヴァンニ・イアヌッチのワインは8月後半より出荷開始予定です。是非皆さまも一度テイスティングしてみてください!今までにないカンパーニャワインに魅了されるはずです!