アラサーOL雑誌「AneCan」の休刊が告知されました。

「AneCan」は07年創刊で、赤文字系雑誌の一つである「CanCam」のお姉さん版です。前身は文字通り「CanCam」増刊号として06年に2号発売された「お姉さんCanCam」。

赤文字系雑誌の「お姉さん版」の休刊は、13年の「GLAMOROUS」(「ViVi」の系列誌)に続いて2例目です。

そもそも「AneCan」というのは、以下のような性格を有する雑誌です。
1. 所謂アラサーOL雑誌。この世代の高い購買力をアテにした商業メディア。
2. CanCamのお姉さん版。オフも意識した華やかな通勤服を主に提案。
3. 同じ出版社で対象年齢が同じバリキャリ系「Oggi」との差別化を目指した。
4. 少数精鋭の専属モデルには、「CanCam」「ViVi」など、自社・他社各誌のビッグネームが揃う。
5. 近日卒業と伝えられる押切もえは創設メンバー。

対象年齢が同じ「Oggi」がありながら新規に創刊された経緯には、以下のような状況があったと考えられます。
・「CanCam」がコンサバ服から、ギャル色を含んだ、よりカジュアルで華やかなスタイル中心に転換し、「Oggi」とのつながりが薄くなってきた。
・「Oggi」の創刊した90年前後は、キャリアウーマン黄金時代でバリキャリが女性の働き方の憧れだったが、00年代に入るとそうでもなくなり、「ほどほどにキャリアを積みつつも、恋をして、結婚して、子宝にも恵まれたい」との意見が主流になってきた。

世論の熱い期待を背に、06年の「お姉さんCanCam」を経て、07年創刊に至ります。創刊第1号の表紙は押切もえでした。
後に「CanCam」黄金時代の中心を担った蛯原友里などもチームに加わって競合各誌と比べても際立って豪華なオーダーを誇りました。

長らく他誌出身の元主力級モデルばかりでチームを編成していましたが、15年には初の生え抜き専属モデルとして石川理咲子を獲得しました。

…で、休刊につながる要因というと、そもそもジャンル的に差別化要素が少なく、それでいて競合が多いことと、最近スポンサーの付きがあまり良くなかったぐらいで(それでも1年程度はその状況で存続していた)、それ以外に特段「危ない」要素は見受けられませんでした。それゆえ、個人的には何とも「釈然としない」幕切れです。