油が切れた扉を開け
古びた階段を降りていく

闇の中から
鎖の揺れる音と
ゆっくりとしたテンポの雫音が響く

暗闇に慣れたからか
私を察し私だけの隷女が呻き始めた

仄暗い蝋燭の灯りの中
諦め欲しがるだけの影が揺れる

お待たせと頭を撫でると
おかえりなさいの微笑みを返してきた

今宵も
快楽以外の感情を断ち切った
ドールの悦びを感じられると思ったようで
涎の雫音が早くなり
瞬く間に淫靡な匂いが立ち込めた

私は可愛いドールの頬を撫で
蝋燭灯る棚に向かった