切り子のグラスの向こうには
今日の新しい陽が覗く

蒼いグラスの縁には
昨日の月が瞬いている

そっと寄せる唇
ガラスなのに冷たくなく

初めてなのに
ずっと昔からのようで

でも優しく
でも厳しく

指先とはいえ
ぎゅっと掴んだまま

一緒に感じられる時間が
何よりの一人の時間

眠る水にそっと
唇を重ねる