今年は毎週月曜日の朝礼をやめたのですが、僕の判断で必要と感じた時に、こうやってミーティングの機会をたまに持とうと思ってます。
先日 火曜日ですね、いつかは出すだろうと思ってた不良品が、【小寺鉄工所さん】で発生してしまいました。スリ漏れ(やり忘れ)製品の混入です。原因は、前掛に品物を置く時に右側の完成品の箱にはいったか、落ちてた品物を拾ってヨコバリを確認せずに自分の工程だけ磨いて入れたか、カゴに刺さってた品物に気づかなかったか、レース台の上に置いてたピンホールではねた品物が落ちたか…数えたらキリがない程あります。今回は奇跡的に小寺さん社内で発見してくれたから良かったものの、コレがもし組立工程や、自転車屋さんで見つかると、最悪の場合、半年ぐらい遡って完成している全製品の検品をさせられます。その数はザッと20～30万個以上の検品です。今回はホントに、見つけてくれた方に感謝です。
今まで10年、小寺さんの仕事をして来て、このような〈スリ漏れやスリ過ぎ、ベルトの番手間違い・混入〉の不良を実は何回か出しています。
その度に僕が必ず言う事は、
『《俺が・私が出した不良じゃない》と思うんじゃなく、《もしかしたら自分が出したかもしれない》と《全員》が思う事』
です。前にも言いましたが、会社は1つのチームなので、1人に責任を押し付けるのではなく、みんなでフォローし合って はじめて良い品質の製品が出来上がるとつねづね思ってて下さい。誰かが個人プレイに走ると、この先 必ず、企業競争に負けます。お客さんの為に、小寺さんの為に、上司の為に、チームメイトの為に、自分じゃない誰かの為に毎日仕事をする事が、いつの間にか自分の為に成ってるんです。
出してしまった不良は、もう仕方ない事です。お金で弁済できれば楽なんですが、1番難しいのは、失った信用をまた積み上げてゆく事。良い製品を出した記憶はすぐ忘れられますが、不良を出した記憶はなかなか忘れてもらえないので、またみんなで頑張って信頼を積み上げるために協力して下さい。
それから、申し訳ないですけど、ちょっと仕事を止めて、今からみんなに出来上がった製品の検品をやってもらいますが、今後〈やり忘れや混入の不良〉を防ぐ為に、検品専属の人を2,3人雇う事にしました。理由は、ウチが受注しているSHIMANOさんの仕事は1万個の中に1個不良発生しただけでも、協力業者点数の減点や、不良原因・対策書を長々と書いて提出しなくてはいけないようなお客様だからです。さっき挙げた原因以外にも、体調不良や集中力散漫、睡眠不足の様な、当たり前に起こりうるヒューマンエラーを防ぐには、人をかけてカバーする以外に今は他に方法が無いからです。勿論この検品に対してシマノさん・小寺さんからお金をいただける訳ではありません。つまり、今の単価のままで、検品専属の人にお給料を支払う事になるという事です。実質 全製品1円ぐらいの値下げになると思って下さい。本当のところ、この検品作業は今までやりたくてもコスト面で できなかった作業で、僕も 実際はじめて取り組む事なので、今後どれだけ毎日の納品に影響がでるか、どれだけ売上に影響を及ぼすのか全くの未知数です。でも、今のウチは、新人・中堅・ベテランと、過去最高のメンバーが揃ってくれているので、必ず乗り越えてくれると信じていますし、こうやって品質を上げてゆくコトで、ずっと続いてきた小寺さんに対する不良発生のイタチごっこから脱却し、また信頼される会社に大きく成長できると信じています。例えば一人一人が、1時間に10個でも今より多く磨けたとするなら、1日で70個、それが10人で700個、1ヶ月で14,000個の増産になります。製品単価6.5円とすると✖️14,000個で、ひと月91,000円の売上増という事になります。うまくいけば半日パートさんの1ヶ月分の給料は出せる計算ですね。まぁ、こんな数字通りには簡単にうまくいかないですけど、会社はチームで仕事をする という事は、そういうコトです。
社長としての僕の仕事は、今はとにかくお客さんに頭下げて今回は勘弁してもらい
ます。そして、本当の意味でこの改革がうまくいって、ウチの品質が今よりグッと上がれば、小寺さんだけじゃなく、他の取引先にも値段の交渉や待遇面で、少しでも優位に交渉して、みんなに返していくコト と思ってます。それには、みんなの協力が絶対に必要です。僕ももっと頑張りますので、また色々と助けて下さい。
よろしくお願いします。
m(__)m