クックパッドはなぜ支持されるのか(書評) | スマホアプリ開発記

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食べログ有料化から1カ月が経とうとしますが、未だ炎上が鎮火する兆しも見えません。

その中で、よく見かけた意見の一つが、「なぜ同じくランキングを有料化しているクックパッドはユーザーに受け入れられているのかか?」というものです。

クックパッドというのは、1998年に始まったレシピ投稿&検索サイトで、去年の時点で600万人以上の会員がいる巨大サービスです。恥ずかしながら、私がこのサイトを知ったのは数年前でした。そして、昨年の株式上場でも「何でレシピサイトをやってるだけの会社が上場できるんだ?」と思っていました。更に、売上は数十億円もあるのです。どんなビジネスモデルなのかとずっと不思議に思っていました。

そんな折、一年以上前のものなのですが、ふと本屋でクックパッドの本を見つけました。

600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書)
上阪 徹
角川SSコミュニケーションズ
売り上げランキング: 859
おすすめ度の平均: 4.0
5 WEBサービスを成功させる秘訣が書かれた一冊
5 熱くなる
4 Web関係の経験や、知識をもっている方向け
5 読むと料理よりもWEBサイトを作りたくなります。
3 簡単なようで難しいこと。読んで損はしない。

本の内容は、クックパッド社の社長を始めとした社員のインタビューを元にしているため、客観的なものではないということには留意が必要ですが(実際、かなりべた褒めの内容)、それを差し置いてもとても参考になります。

クックパッドのサイトの基本的な理念になっているのがユーザーの目線に立つということです。

例えば、広告も露骨なものは打たない。なるほど、サイトを訪れてみて納得。確かに、広告がサイトのコンテンツに溶け込んでいます。

インターフェイスにも徹底的にこだわっている。いかに簡単にレシピを投稿させるか。言葉で説明をしなければならないインターフェイスはレベルが低い、と。

ランキングについてのスタンスも興味深い。クックパッドとしては、新着のレシピに注目して欲しいため、元々はランキングを公表したくなかった。料理の価値観は人それぞれなわけで、人気という形の答えを提供するのがよいのか?しかし、あまりにも要望が多いので、有料ユーザーには機能を提供することにした、と。

ちなみに、ビジネスモデルは他サービスとは変わらず広告がほとんどを占めるようです。そして、この本では半分近いページを使って、クックパッドがなぜ広告で成功しているのかが事例と共に説明されています。

全体的に、自社本という感じは否めませんでしたが、とはいえ書かれている内容はどれも重要と思えることばかりでした。クックパッドは「成功事例」として参考になるところが多いと思います。