「いろいろ君」「さまざま君」の攻略法 | 坪井秀樹の起業実験日記 いくつになっても「理由なき反抗期」

坪井秀樹の起業実験日記 いくつになっても「理由なき反抗期」

反抗しているんじゃない。反抗期が続いているだけなのさ。







営業会議といった業績に関わる報告をしていく中で、


よく分からない言葉が出てくる ことがあります。



例えば、こんな感じです・・・・・・・。


「売上前年比が89%で不振です。前年と比べると、客数が80%に落ちていることが


分かりましたので、今、それに対して手を打とうと色々と考えているんですよ。


店頭POPを増やしたり、店内放送を定期的にやったり、様々な手で打開していき、


何とか前年比だけは越えたいと思います。」



私が引っかかって、絶対に逃さないのは、「いろいろ」と「さまざま」のコトバです。



もちろん、報告をする時の状況によって、大枠の話をする時と言うのは、


「いろいろ」「さまざま」は 出てくることはあって、それを否定するものではありません。



しかし、私自身、このコトバを出す時は、現状を調べるのに精一杯で、


現状を打破するに あたっての具体策が何ら決められていない時に、


いかにも「やってます」的に誤魔化そうと して使っていたことが多かったので(苦笑)、


人が使った時には警戒をする傾向にあります。



こういう報告をしてくる人は、傾向として施策が曖昧です。


現状が良くないことは自覚しているし、どうしたら良いか分からない、


という気持ちはあるものの、 どうやって打開していくかの具体策は曖昧なタイプがほとんどですね。



最初のうちは、「いろいろ」考えている、「さまざま」な手を打とうとしている、


だろうと期待する ものの、大抵は、毎回同じ報告をしてきます。



要するに、未来に対するシナリオを考えられない人という認識に聞いているこっちはなっていきます。


この場合は「シナリオの考え方」をレクチャーするか、一緒に考えることが大事ですが、


これまたややこしいのは、こいう報告をしてくるタイプはキャリアもそこそこあって、


プライドが 高いタイプ・・・・・・、「自分は分からない」という認識をしたくない人が多いのです。



このタイプは、80年代~90年代にかけて、モノをつくったり、売れているモノを仕入れたり、


あとは何となく目の前の仕事を頑張っていれば、何となく業績が上がっていた時代の


人達に多く、それなりに実績を創ってきた自負があるだけに、


「自分は教える側であって、誰かに教えられたくはない」という心理が根強く残っています。



さらに、もっと面倒なのは、それをアドバイスすべき側の上の人達も、同タイプだったりすると、


もうアウトで、指導と言う名の「もっと、ちゃんと考えろ。」「言っている意味が分からない。」


「最近たるんでいるんじゃないか?」「気合が入っていないんじゃないか?」といった精神論に


終始し始めます。



部下もそうなら、上司もそうで、これが脳にも体にも染みついてしまっている会社は


相当キツイでしょうね・・・・・・。



モノがあれば売れていて、他社よりも行動スピードだけをアップすることで成果を上げてきた


会社は、いまだこうなっていることが結構多いものです。



私は、こういう人達を、『いろいろ君』『さまざま君』と呼んでいます(苦笑)。



「私にはどうして良いのか分かりません。」となかなか言えずに、「大丈夫です。何とかします。」


と言い続けます。そして業績を落とし続けます。



そういう人に対して、どれだけ一緒に考えようと言っても聴く耳は持たないので、


どれだけ分かっていないのか?を双方が共通認識を持つために、質問を繰り返すことがあります。



この人達は、意図的に未来を創り出すことができないに関わらず、


それを自覚していないので、 相当やっかいです。



よって私はこのタイプには、「お願い」とも思える「質問」をします。


プライドが高いので「お願い」しないと答えません(苦笑)。



「今日は、君の言ってる『いろいろ考えてる』ことと、やろうとしている『さまざまな事』を


全部 聞かせてもらっていいかな?


今日は時間がかかってもいいから全部聞かせて下さい。」


と質問します。



この人のその場で何とか答えてみる「いろいろ」は、せいぜい3つです。


この時点で、3つであって、それは「いろいろ」「さまざま」とは言わないのです(笑)。


大抵は、「いろいろ」も 「さまざま」も同じようなことを言います(笑)。


だからいちいちコトバを変えて、いかにもたくさん考えているように見せなくていいのです(笑)。




自分はスゲーたくさん考えているし、やる気満々だと自覚したいんじゃねーか?


と思ってしまう訳です(苦笑)。




さらに言うと、言うことも、あまりに具体性がありません。


例えば、 「①店頭POPを増やします。②お客様に声掛けをします。


③店頭が汚いので掃除をします。」


程度です。



間違ってはいません。いませんが、具体性は一切ないので、今まで通りの変わらぬ行動を


ただしているだけだし、していくということです。


業績が落ちているのに、何も行動が変わらないのであれば、業績はさらに落ちていくだけです。




よって、ここからさらにお願いをします。正直アホくさと思いながら、「教えて」という姿勢でいきます。


「じゃあさ、例えばさ、もうちょっと、誰でも「やったか・やらなかったか」分かりやすいようにさ、


①店頭POPを一週間で500枚増やします。

②一人一時間に5人のお客様に 通常の挨拶ではない余分な言葉で何か話しかける。

③一人15分早く出社して持ち場を掃除して から業務に入ります。

みたいにならないかな?


この辺の感覚値は、君の方がよっぽど長けてると思うんだよね。

そいで、それができたかどうかをできるだけ簡単にチェックできる方法は何かな?

オレはいつもここがスゴク難しくて頓挫するんだよね・・・・・。

いい方法があったら教えてよ。」

という感じまではいきます。



それに対して、得意満面で喋りはじめたら一歩進んだということになります。


人は、自分で言ったことは、自分でやる傾向にあるものですから。



まずはここからです。


ここからスタートしないと、次に進みません。



会社組織の中で、上司やリーダーになっていく人というのは、基本的にキャリアの


長い人がなっていきます。

長年の会社の運営に関する色んなことを長年の経験から知ってはいますし、やはり年齢による


上下感というのは現実としてあるし、長年いればいるほど能力評価よりも情の評価があるのが


まだまだ当然の風土というのはあるものです。



よって、歴史のある会社ほど「いろいろ君」「さまざま君」は比率が多くなって不思議ではありません。


中所企業の社長さんは、良くも悪くも「情」にとても厚いのです。


今は新進気鋭の若手中心の会社でも、いずれ多くなっていくことは可能性は十分です。



「いろいろ君」「さまざま君」が出てきたときの、私の経験上の対策は、


①「いろいろ」と「さまざま」は何か具体的に言うまで聞いてみる。


②リーダー側が「自分ならこうする」という具体策は最低一つは持った上で話を聞く。


③相手が「教えられた」という感情を持たないように、相手が「教えた」という結果に持っていく。


がポイントだと思っています。



「いろいろ君」「さまざま君」はかなりの重症で手間はかかります。


かかりますが、簡単に切り捨てる訳にもいかないというのが心情です。


少しづつ行くしかないでしょうね・・・・・・・。



そうやりながら、「この人と打ち合わせするのは何だか楽しい。」と思ってもらえるところまで


行ってから、本格的な未来のシナリオを創る・・・・・・、人はどうやって行動動機を起こしていくのか?

を一緒に考えて、行動していく段階にいくしかないでしょう。



「モノ」があれば売れていた時代に栄光を持った人達は、思考を「人」へ持っていくのには


相当苦労時間がかかるし、ここから向き不向きがやっと分かってくるのだと思います。






先日、ある会社の若手の営業の子がこう報告していました。


「私は営業マンとしてまだお客さんがいなので、取り敢えず自分でDMを200通つくって、

〇〇業界の会社を調べて 送ってみたんですが、反応がまだゼロです。

あと・・・・、先日、会社で創った販促物を周りの店に 20件ほど配ってみたのですが、

問い合わせもまだゼロで・・・・・・・・、何としないといけないと 思ってはいるんでが、

何からやっていいか困っています。」



私は、この子は今は苦しんでいるけれども、伸びるタイプだな、と思いました。




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