受験物理勉強法 | 仮面浪人医学部合格の記録&医学部生の受験勉強法解説

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都内国立工業大で仮面浪人した末、
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よろしくお願いします。

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@igakubu_teacher

(2012.03.20更新)

とっしーです。
今回は物理について書いていきたいと思います。

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高校物理を学んだ事のない人や苦手な人にとって、物理のイメージは

・難しい
・つまらない
・無味乾燥な公式の暗記
・新しい問題が出ると解けない


みたいな感じだと思います。
俺も出来るようになるまではこんなイメージ抱いてました。

だけども!
この物理という科目。
実はできるようになると、

・面白い
・覚えること少ない
・ワンパターン
・習得すべき型が少ない
・手作業で済む
・頭そこまで使わない
・ミスしなきゃ満点近く取れる


と良いこと尽くしの科目なんです。(高校物理に限ってですが)



つまり、出来るようになれば武器に、出来なければ足を引っ張るというような、ある意味両刃の剣のような科目なんです。
しかし、わかるようになってしまえばこっちのもん。ずっと武器になります。

ということで、今回は高校物理を得意になるための透視図を伝えたいと思います。
あくまで、一大学生の個人的な見解なので、そこはあしからずです!


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[1.目標とすべき姿勢]


高校物理を解く上で求められる姿勢は、

「問題文中や図から実験の様子を正しく読み取り、
高校物理の公式、過去に解いた問題の解法を応用して、
問題となる物理量を論理的に導出していく」

という姿勢です。
当たり前ではありますが、
この事を意識していかないと、
苦手な人はどんどん遠回りしていく可能性があります。

俺自身、一浪時にこの姿勢を忘れ、無駄に大学の教養過程の物理に手を出した記憶があります。
まったくの無駄というわけではありませんが、まずほとんど必要のないことでした。

とにかく、問題を解く上で必要なのは、

・高校物理公式の「理解」と「暗記」
・入試問題特有の問題解法


だけであるということを念頭におくと良いです。
というのも、大学入試の作問者は、高校の範囲で解けるように問題を作ってます。
なので、この二点だけを押さえれば、たいていの問題は事足りるわけです。(ごく稀に例外はある)
逆にどちらか一方が欠けていると、まず途中で挫折します。
俺は、前者だけに力を入れすぎたため、一浪の時、「なんとなくわかるけど、解けない」という状況に陥りました。
逆に後者だけに力を入れると、パターン問題しか解けず、応用力が欠如し、この場合も入試で得意科目にする事は難しくなります。
とにかく二点を押さえて初めて、得意科目になるのだということを意識する事をオススメします。


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[2.目標姿勢を実現するために]

では次に、上記の姿勢を実現するために必要な事を書いていきます。

~物理公式の理解と暗記~
公式の理解と暗記は、

・基礎問題を解く力
・そして応用問題を解くのに必要な思考力


の土台となります。
つまりここをしっかりしないと、直前になればなるほど物理が爆弾になってしまいます。
出来る問題は出来るけど出来ない問題は一切できないみたいな感じになっちゃいます。
爆弾にしちゃうと焦りやすい本番での成功はあまり期待できないので注意したほうがよいです。

では、公式の理解と暗記はどのようにやると効率良く正確に出来るのか書いてきます!

俺的には、公式の理解には

a.なるべく丁寧な解説
b.全体をまとめてある解説


の二点を満たす参考書が必要だと思います。
また公式の暗記には

c.基本的な問題を解く事による慣れ

が大事だと思います。

したがって、この条件を満たす参考書を揃えて勉強すると良いと思います。
個人的には

(a)
物理教室(河合出版)
チャート式物理(数研出版)
橋元の物理を初めから丁寧に(東進)


(b)

物理のエッセンス(河合出版)

(c)

物理のエッセンス(河合出版)
為近の解法の発想とルール(学習研究社)
←ちょっと公式マスターにしては高度すぎるかも

を用意することをオススメします。(本の詳細については記事一番下にまとめています。)

これらの本を準備しておけば、理解と暗記に困るということはあまりないと思います。
ちなみにこれらの本を使った勉強の段取りの一例は、また後ほど詳述しますので、ここでは省略します。




~入試問題特有の問題解法~
公式の理解と暗記が大方済んだら、次は入試問題特有の解法をひたすら体得していく事が必要になってきます。
要するにパターン暗記が必要になってきます。
暗記というと応用力が欠けている感じがしますが、実際は暗記と言うよりは「体得する」感じです。
身体で覚える感じ。
これには必要十分のパターンが載っている問題集の反復が一番効くと思います。

といっても、こんな漠然とした表現じゃ、あまり伝わらないかもしれないので、入試問題特有の解法を用いるときの思考の一例を挙げてみます。


…鉛直面の円運動問題…
Q.円形のレール模型を鉛直に置き固定する。
ここで小球を最下点で速さvで発射したとき、最上点での小球の速さを求めよ。
(なお小球は途中でレールから離れない条件で実験している)

「うーん、なるほど。鉛直面内における円運動だから、途中の運動の様子は運動方程式作ってもわからないな。
そしたら、この場合は運動方程式を作るのではなくて、エネルギー保存則を用いるといいな。
今、最下点の玉の速さはわかってるから最上点と最下点でエネルギー保存を立てれば解けそうだな。
よし、解こう!」


こんな感じです。(笑)
この例で言えば、この主人公Aは

・鉛直面の途中点の運動は運動方程式を書いても求められない

・鉛直面内のある点での物理量はエネルギー保存則を用いて解く


という2つの事柄を体得しています。
これは、このタイプの問題演習をしていない初学者はパッと思いつかないポイントかなとか思います。
逆に、解いたことある人は「当たり前すぎるだろ」って思うようなポイントだとも思います。
つまり、こういう思考は問題演習による経験によって養われるわけです。
この養われた力こそ、入試問題特有の解法なわけです。
そして、この力は反復を重ねれば重ねるだけ身に付くと、俺は思います。

まあ、ここでは、参考書を挙げるだけにしてて、詳しい勉強の仕方は後に詳述、参考書紹介は別記事ですることにします。

参考書
・良問の風(河合出版)
・名問の森(河合出版)
・為近の解法の発想とルール(学習研究社)
・物理のエッセンス(河合出版)



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[3.物理の学習について]

前項で、

・公式の理解と暗記
・問題解法の体得

が大事になってくる、ということを書きました。
ここでは上記の事をふまえて、詳しく勉強のスタイルを書いてく事にします。
とはいえ、勉強法って個人個人で違ってくると思うので、
あくまで参考程度に読んでいただけると良いかなって感じです。

さて、物理の勉強法ですが、個人的には

1.一つ一つの項目の公式を、詳しく無駄のない解説を通じて理解し、簡単な問題集を解くことによって暗記する。

2.暗記した公式の正しい使い方を問題集を通じて学ぶと共に、徐々に入試問題特有の問題解法も並行して体得していく

3.入試問題特有の問題解法を一通り経験した後は、とにかく反復。
最終的には難しいとされる問題集一冊をやり尽くす感じで、反復。


4.実際に受ける大学の問題をやって傾向分析。同時にやり尽くしている問題集も余裕あれば反復。


のような段取りでやっていくのが、一番かなと思います。
1,2の部分をしっかりやりきれれば、3は追い込み期、4は直前でも対応出来ます。
とにかく1,2の部分が要です。
有名進学校向けの塾に通っていて現役で超難関校に受かる学生は1,2を高3、遅くとも高3夏までに終えています。
高3から受験勉強始めるぞという方。難関校受けるとなるとシャレにならないので、急いでやりましょう。
俺みたいに才能信じて逆転狙って放置すると浪人します(苦笑)

まあ俺の自虐はこの辺にして、次は1~4のフェーズを細かく説明していきます。


1.[基礎力と思考力の積み上げ期
]

一番大事です。ここの出来不出来で2以降にかかる時間が変わってきます。
ここでは、

暗記、演習用に
・物理のエッセンス(河合出版)
・教科書準拠問題集
(どっちか1つで十分です)

理解、参考用に
・物理教室(河合出版)
・チャート式(数研出版)
・橋元の~(東進)
(1つで良い。2つあっても悪くない)

を用います。オススメは物理のエッセンスと物理教室です。
(各々の参考書の目的は[2.目標姿勢を実現するために]を読み直して下さい。)

使い方としては、
参考書を読みつつ、問題集で基本問題を解きながら、公式を覚える。
単純です(笑)
とはいえ、一周じゃ身につきませんし、一通り習得するとなると時間もかかります。
さらに意外に躓きます。
なので焦らずじっくりやっていきましょう。まぁ高三から始める人はちんたらやってる暇はないんですけど(苦笑)


ちなみに躓いた時は、
・為近の解法の発想とルール(学習研究社)
を持っておくと良いでしょう。
この本は、問題解くのに必要な解法のマニュアルみたいな本で、解法専用の参考書としても使えます。問題解くときの切り口がわからないときに役立つと思います。
また、質問できる環境のある方は、積極的に活用しましょう。
家庭教師とか個別指導でも良いです!
とにかくこの時期は(どんな時もですが)分からないところはどんどん潰していきましょう。


2.[問題解法の学習と公式応用期]


一通り公式を8割程度理解し暗記出来たら、次は入試問題特有の解法を習得する時期に入ります。
ここでは、一つ一つを完ぺきにこなすよりも、理解しながら全範囲を知ることが大切です。
とにかく物理の入試問題の全容を把握することが大切です。
どちらにせよ反復しなければ身に付かないですし。

さて、この時期は1期のときに解いて反復していた問題集はおいといて、入試レベルの問題集を解いていきましょう。で、どんな参考書がよいかですが、個人的には、
・名問の森(河合出版)
を勧めます。

とにかくひたすら解いていきましょう。
最初は大問1つに1時間かかったり、全然わからなかったりしますが、1期の参考書や問題集を参照したり、分からないところをじっくり考えるうちに、理解できるようになります。
いちばんしてはいけないのは、途中でほかの参考書に手を出すことです。
この時期は入試問題の全容を知ることが一番大事なので、挫けず選んだ問題集を一通り終えましょう。
この時期も分からないところを質問できる環境があると良いです。
あと全容を知るのにサポートしてくれる先生がいると早く終わります!
俺も単期間指導とかやってるのでよかったらぜひ(笑)


ちなみに、問題集ですが、ほかに
・難問題系統とその解法(ニュートンプレス)
・新体系物理Ⅰ・Ⅱ(教学社)
とかも代用できますが、解説や問題の並び方などの点で名問には劣ります。



3.[解法体得反復期]
ここでは、2期で使った問題集をひたすら反復しましょう。
とにかく反復です。
やっては忘れやっては忘れの繰り返しのはずなので、
とにかく反復しましょう。
3周くらいやってくとかなり力が付いているのが実感できるはずです。(俺は仮面時期だけで4周くらいはやりました)
たぶん、どんな問題も時間さえあれば殆ど解けるようになってると思います。
逆に3,4周やってもまだ解けないとなると、1~2期が不完全だった可能性があります。
その場合は、何が出来ていないかを分析し、出来てない分野を戻って習得しなおしましょう!

あと、
「3,4周やったし、完ぺきになったから名問はもうやりたくねぇー!」
って人は、ほかの問題集やってみてもいいかもしれませんね。
俺の高校の頭いい連中は
名問→難系→25カ年
みたいな人多かったです!
問題数経験するのは悪いことじゃないんで、余裕あるならやってもいいかもしれませんね!
ただ反復しきれてない人は他の問題集やるべきではないです。
消化不良と不均等な学力で後々後悔します。




4.[志望校対策と最終調整]

要するに直前対策です。
この時期は学力を伸ばすよりは、本番で点を取りなおかつ失敗しない事に気をつける時期になってきます。
この時期は過去問と3期の問題集の最終反復をしていきましょう。
前者は本番で点をとるために、後者は本番で失敗しないためにやっていきます。
1~3期をこなした人にとってはほんとに最後の調整って感じで焦りもないと思うので、そんなに重くないはずです。



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[4.微積物理について]
微積分を用いて高校物理を紐解く、いわゆる微積物理と言われた解法についてです。
今から物理の勉強をする方はなんのこっちゃと思う人も多いと思いますが、
物理を勉強している人にとっては微積物理という言葉はなじみあると思います。

さて、結論から言ってしまうと、個人的には微積物理は
「高校物理公式を理解する補助具」
みたいな認識であるべきだと思います。
微積で問題を解こうとするのはナンセンスだと思います。
これは浪人,大学で教養の物理学を学んだ自分自身の経験から言います。
明らかにコストパフォーマンスが悪いです。
さらに、入試問題で差がつく物理センスを問うような問題にも弱くなります。

こういうと、微積物理を勧める先生は

「それは君の理解が足りない。こんな問題、正確に理解すればおのずとわかるもんだ」

と言いますが(実際言われたww)、
高校物理の問題なんて所詮高校生の解ける問題ですし、
素直に問題集をマスターしきれば入試問題のほとんどで合格点取れます。
実際俺も高校物理使って、昭和医で2問ミス,慈恵で時間切れ3ミスでともに85%は取れてました。
なので全国模試で名前掲載常連みたいな余裕のある人じゃない限り、微積は勧めません。
まぁ、理解の助けになる部分もわずかあるので、完ぺきに止めはしませんが、やっぱ勧めません。
公式の理解も、通常の参考書で事足りますし。


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そんな感じです!
とりあえず俺が大事だと思った事と、効率がいいと思った勉強法を書いときました。
まぁ参考程度に。勉強法なんて千差万別だし、同じ問題集やってても偏差値80もいれば50もいるわけだし!

あ、質問あればぜひ!ただ、一応先にちゃんと読んでからにしてください。
あ!あと参考書は別記事にします!
では!




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