受験化学勉強法(6/4更新) | 仮面浪人医学部合格の記録&医学部生の受験勉強法解説

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都内国立工業大で仮面浪人した末、
都内国立医学部に合格することができました。
現在は、勉強法紹介ブログとなっています。
よろしくお願いします。

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@igakubu_teacher

とっしーです。
今回は化学の勉強法についてです。

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[1.はじめに]
まず、得意科目がないという人は化学を得意科目にしましょう。一番頭を使わずに得意科目にできます。また化学は、他の科目に比べ、演習量に比例して学力が伸びる科目であります。 

さて、では勉強法について見ていきましょう。

化学の問題は主に

・計算問題
・知識問題
・思考問題

の3つに大別出来ます。
しかし、実際には、上記二つと僅かな思考力だけで合格点を取れてしまうことが大半です。
なので、今から化学を頑張るぞ!!という人はまずは、

・計算問題
・知識問題

の2つを押さえることを意識して勉強しましょう。
また、そういう意識の下で、計算や知識問題の経験を積みまくった人にとっては、計算問題のごく一部の難問を除いて、大抵の問題が単位計算にしかみえなくなります。知識を含めて、全部常識問題みたいになってきちゃいます。
このレベルを目指しましょう。


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[2.勉強時に持つべき意識]
受験化学で大切なのは、

・とにかく沢山の問題を解くこと
・120%の理解と反復で少ない問題数をこなすより、90%の理解とさらっとした反復でどんどん新しい問題にいった方が成績は伸びる

の二点です。


前者は

・様々な問題パターンに触れることで、未知の問題への対応力をつける
・凝り固まった1対1対応の頭ではなくて、いろんな問題を自然に考える頭を作る

という目的があります。
これを効率的に達成するためには問題集選びが大切になってきます。
自分の学力値よりちょい上、もしくは同じくらいの問題集をやるのがベスト
です。(問題集については下項を参照)



で、後者ですが、これを分かりやすく言い換えると、

・少ない問題を何回もやって問題を丸暗記して出来た気になってると、少し違うタイプになってくると対応出来なくなる。それだったら若干復習の濃度を低くして、つまり方針と問題の仕組みを理解したらどんどん新しい問題にいった方がよい。しかも、実は新しい問題にどんどんあたる事は今までの復習にもなっている。

となります。要するに、

「反復と大量の問題演習」

の両方が大事ってことです。
解けない問題は解けるようになるまで解くのが基本ですし、反復は欠かせません。
大量の問題演習も対応力をつけるためには絶対欠かせません。
ただ、どちらがより大事かを言えと言われれば、化学の場合は「大量の問題演習」の方が大切だと答えると思います。

受験化学は英語や物理のように体系だった科目と違って、ひたすら経験した奴が勝ちって部分が少なからずあります。
もちろん、内容の理解は絶対に必要ですが(特に化学平衡,気体の法則,酸化還元)、それ以上に経験が大切です。
それを念頭におきましょう。



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[3.化学の分野とそのポイント]
化学の分野には以下三つの単元があります。

・理論分野
・無機分野
・有機分野

の三つです。入試本番は大学ごとに比率は変わりますが、基本的にはこの三つ全てが満遍なく出題されます。

「無機有機だけで出来ればいけるよー」
「理論計算とか出来なくても差はつかないよー」

みたいな偏ったことを言っている人は無視して、全分野を満遍なく学習しましょう。

ちなみに、個人的な見解ですが、東大,京大,阪大,東工,医学部などの難関は、ほぼ理論分野で差がつくと思います。なので、理論を無視するのは自殺行為です。むしろ理論が鍵だったりします。




さて、脱線はこのくらいにして、次に分野別のポイントや持つべき意識を述べてきます。

(1)理論分野
…難関大の核となる分野です。とにかく、差が付きやすい分野です。
この分野は、
「解法の理解と暗記→単位計算」
がポイントです。
言い換えると、解法や問題を理解し暗記した後、その解法がただの単位計算に見えるまで様々な問題を解きまくる、ということです。
分野ごとに用いる解法は、結構限られていたりするので、とにかく飽きずに覚えていきましょう。
対策ですが、理論理解用の参考書と演習用の問題集を入手して取り組みましょう。(参考書及び問題集は下項参照)あとは、理解→問題演習を繰り返すだけです!


(2)無機分野
この分野は、
「暗記」
がポイントです。
無機が出来ないとか言ってる奴は、確実に勉強不足です。黙って覚えろって言いたいくらいです。高校の無機暗記は中学受験の暗記量に比べれば朝飯前にもほどがあります。出来ないと言う人は、

「即効化学1出るとこだけ!(中経出版)の無機項目を覚えて、図説でも覚えて、問題集で一通り問題を解く」

という作業を三回くらい繰り返して下さい。それでも出来ないなら相談乗ります。とはいえ、これくらいやればどんな人も覚えてしまうと思ったりします。そんくらい努力が大事な分野です。


(3)有機分野
この分野は
「知識暗記と問題型体得と思考力」
の全てが大切な分野です。
即効化学出るとこだけ!の知識レベルを全て暗記して、構造決定ほか様々な問題型が載ってる問題集を頭を使いながら解いていく…。
この行程を繰り返していけば大抵出来るようになると思います。
有機は大学によって難度の差がかなりあるので、問題集もしっかり考えて選びましょう。


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[4.受験校と参考書]

受験化学の問題集には様々なものがあります。その中で、役に立つと思われるものとその対象大学、使い方を記述しました。対象大学は過去問を解いたことのある大学の中からしか抜き出していないので、書いてないからといってその問題集をやる必要がないわけてはないです。まあ今後も赤本でレベル調べてみたりはする予定ですが、今のところは以下の感じでお願いします。


~問題集編~

・化学12の新演習(三省堂)
<対象大学>
東京大学,京都大学,大阪大学,東京工業大学,東京医科歯科大学,京都府立医科大学,横浜市立大学,慶応義塾大学医学部,東京慈恵会医科大学
<説明>
非常に良くできた本です。
問題数約300問あり、難易度が高めの問題が多数掲載されている問題集です。全統記述偏差値67.5~くらいの人が対象になっているイメージがあります。偏差値65を越えてない学力値の人が手を出すとオーバーワークになる可能性があります。とはいえ、この本の理論分野をしっかりマスターすれば大抵の問題に対処できるようになるので、難関大志望者は是非やっておくべきです。時間ないと言う人の場合は、理論150題をまず取り組むのが良いと思います。あと、初学者の場合は星3の問題は飛ばして平気です。



・化学12計算の考え方解き方(日常学習から大学入試まで)(旺文社)
<対象大学>
筑波大学,名古屋市立大学,日本医科大学,昭和大学,早稲田大学理工系,慶應義塾大学理工系,
上記最難関大学用教材の下準備
<説明>
かなり良くできてます。
計算問題に絞った参考書です。理論問題のポイントが問題パターン毎に書かれていて、パターン把握と体系的な練習には最適です。俺が家庭教師で用いている教材もこれです。指導にも非常に役立ちますし、生徒も分かりやすいと思ってくれているようです。ちなみに、重要問題集の理論をやるくらいならこちらの方が俺は良いと思います。
しかし、計算系分野しか掲載されていないので、他の分野は他の参考書で勉強する必要があります。とはいえ、その面倒さを超える出来の良さがあるのでオススメです。


・化学12の標準問題演習(三省堂)
<対象大学>
中堅大学
<説明>
簡単な問題集です。いわゆる教科書傍用問題集の代用品ですね。傍用問題集やってる人はやんなくていい本かもしれない。多いしね。超難関、難関大学志望は新演習までやりたいしね。
まあでも、教科書傍用問題集より解説が比較的丁寧で、問題量も多いし親切な印象はあります。親切な自習教材ってイメージです。センターレベル、中堅大学にはちょうど良いと思います。


・化学重要問題集(数研出版)
<対象大学>
難関大学,中堅大学
<説明>
レベル的にはかなり幅広いですが、計算問題が少ない。とくに浸透圧の分野は結構論外レベル。俺はあんまり好きではないです。とはいえ、これをやって伸びた人もいるっぽいんで良い問題集ではあるのでしょう。ただ、超難関大学はこれだけだと全然対応出来ないから、重要問題集使う場合は過去問も沢山使った方が良いと思う。


・セミナー化学、リードα(学校傍用)
<対象大学>
中堅大学
<説明>
ただの傍用問題集。現役でやっている人は早く終わらせて受験問題集に入ろう。とりあえず、最低限のレベルを保証する本。コレだけだと難関大学が厳しいのは確実。


・京大の化学25ヶ年(教学社)
<対象大学>
京都大学,東京大学,大阪大学,東京工業大学,東京医科歯科大学,京都府立医科大学,慶應義塾大学医学部,東京慈恵会医科大
<説明>
意外に名著な本。京大志望以外も是非やるべき。特に理論はかなり秀逸です。有機は結構簡単だけど、化学2の範囲が豊富なんで、医学部志望には勧めたい。新演習をやり終えたけど、過去問はまだやりたくないみたいな人にはオススメしたい一冊。それ以外の人にもオススメしたい一冊。



~知識暗記本~
・即効 化学1出るとこだけ!(中経出版)
・即効 化学2出るとこだけ!(中経出版)
<説明>
俺の中ではホントに神書。これだけコンパクトに必要十分の知識が見やすく分かりやすくまとまっている本はないと思う。化学の新研究で知識を詰めるのより、遥かに効率的だし、得点に結びつきます。知識面はこれを土台に覚えていきましょう。赤シートで消えるし、覚えやすいし、安いです。


・化学図説,資料集(色々)
<説明>
要するに、カラー版の資料集です。絶対に一冊持っておきましょう。特に無機の暗記には絶対にあった方がいいです。気体や液体の色とかは写真で覚えたほうがはるかに早いです。あと楽しいです。


~独学学習編~
・坂田アキラの化学1,2[計算問題]が面白いほど取れる本(中経出版)
<説明>
塾に頼らず、自分で勉強するぞ!という方にオススメのマニュアル本です。計算問題の基本的な考え方が載っていて良くできています。問題集で出来なかった分野や苦手な分野を読み込みましょう。独学者にとっての家庭教師みたいなものです。オススメです。








まあこんな感じです。
是非参考にしてみてください。

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[5.理論分野勉強法~分野別~]
随時掲載予定
~理論~
1.酸と塩基
2.酸化還元
3.化学平衡,電離平衡
4.反応速度
5.気体の法則




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今回は以上です。
化学は反復と大量演習の科目であることを忘れず、頑張ってください!




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