男の娘について触れるのは3回目



過去の記事はこちら



タイトル: 男の娘

http://ameblo.jp/trans-mind/entry-10711942459.html


タイトル: 女性化に憧れる男たち

http://ameblo.jp/trans-mind/entry-10619743515.html





そもそもブーム(流行)にはなってなく、

あくまで一部によるブームでしょう。




むしろ行為そのものじゃなく、

「男の娘」という言葉が流行ってるのでしょうね。




ところで、1つお詫びと訂正がございます。

以前の記事 で、私の見解における男の娘の定義は



>>趣味またはファッションの1つとして、性自認は男性であり、

>>女性として一生生きるつもりもなく、身体にも手を加えていなく

>>女装をする一過性の楽しみの1つ


だと述べました。




最近、詳しく調べて見たところ

本来の定義は違ったようです。



もともとは創作物の世界から派生した用語のようで



「性別も心も普通の男性なのだが、

見た目がまるで女性のように美しく可愛い男の子」


という意味だったそうです。

つまりショタ(華奢で可愛い男の子)の最上位語みたいなものでしょうか。

なので、

化粧や女性物の服装をさせたら、尚更可愛いけどそれをしないままでも

女の子並に可愛い という意味なので、

「女装も化粧もしなかったら見た目は普通の男性」の場合には、

本来の意味だと「男の娘」とは呼ばないそうです。


当然、女性ホルモン摂取をしてる方も含まれない言葉ですね。


※wikipediaの説明によると、上手く説明されているのですが、

男の娘のタレント例に、性同一性障害やニューハーフのタレントが例に挙げられていました。

なのでその部分は間違っています。




しかし最近は、この「男の娘」という言葉だけが飛び周り、

ファッションで女装を嗜んでいる者も、

性同一性障害でホルモン投与している者も、

その中で女性に見えて綺麗な人に限定して、

「男の娘」という言葉を当てはめるようになった傾向があるようです。



女装者という言葉は今はネガティブな意味になり、

趣味やファッションで女装してる者の中でも、手入れが行き届いておらず

一発で男性の女装とわかるような人だけに使われるような言葉になっているのかもしれません。



セクシャル/ジェンダーマイノリティの名称の違いは、

当ブログの最初の記事にあります。ご参照ください。

(一部改訂)


タイトル: はじめに ~各セクシャルマイノリティの言葉の定義~

http://ameblo.jp/trans-mind/entry-10106809700.html




さてこの男の娘。


便利な言葉とはいえ、

>>ファッションで女装を嗜んでいる者も、

>>性同一性障害でホルモン投与している者も

一緒に扱うのは乱暴では・・・?と思います。



優劣があるというわけではないですが、



例えば、好きでファッションとして化粧や女装してる方が



「あなたは性同一性障害なの?やがては性転換するの?子供はいらないの?」

と思われるのは迷惑でしょうし、



性同一性障害者やトランスジェンダーの方々が、



「今男の娘ってのが流行ってるもんね。普段は男なの?ファッションでやってるのなら普段は女性が好きなの?」

と思われるのも迷惑だと思うのです。



1つの言葉でいっしょに扱うということは、そういう懸念も含んでいるのです。




性同一性障害でもなく、ニューハーフでもなく、

ゲイでもなく、オネエ系でもなく、

あくまで「ファッションとして女装を楽しむ男の子」たちという

ジャンルなのでしょうが、詳しい説明もないまま、

言葉だけが巷をまわっている状態。



(注:以下より、何度適所を改行しても改行がカットされて

反映されてしまいます・・・なんでだあせる

読みづらくなってますが申し訳ございません)


それに前回の記事 でも記したように、

性同一性障害ではないけれど、趣味嗜好で女装をはじめた結果、

より綺麗になりたくてついには女性ホルモンに手を染めた

という方もいますし、

逆に、性同一性障害やニューハーフの方達でも、

「男の娘」という気軽な言葉に乗っかって、この言葉を自称する方もいます。

これでは世間の認知度が誤解されたり混同されたままでもしょうがありませんね・・・

また、性同一性障害の方の中にも、

「性同一性障害」という言葉を使いたくない人もいます。

ニューハーフでも同じく、ニューハーフ業に携わっているのに、

「ニューハーフ」という言葉が嫌いだという人もいたりします。

更には、男だとか女だとか性同一性障害だとか

性別自体に捕らわれたくない!という方もいたりします。

そういう方は、男性的な面も女性的な面も嫌うか、

または両性的な面を持ち合わせた「中性」だと主張します。

肉体的な事じゃなく、精神(考え方)の面の話ですよ。

生まれ持っての性別では大きくわけて2つ(男か女)、

詳しくは3つ(生まれ持って半陰陽/両性具有のインターセックス者)

しかありません。

その上で、精神的な性別に、男性か女性か

と分けられます。

(精神がどちらにも属さない中性という方もいるのでしょうが

まだ一般的には認可はされていませんね)

このように、肉体的な性別だけじゃなく

精神的な性別も考慮すると、実に多くの性ができるというわけです。

精神的な性別を尊重するか、

あくまで肉体的な性別を尊重して縛るかのどちらかしかありません。

今はその二者が混同している状態だと思います。

この世の中は、様々な事を性別で"区別"することは避けられないので

男性か女性か、そうではないのならばインターセックス者かまたは

性同一性障害者か・・・と区別しているような状態です。

実際には、更にいろんな心の性別があるので

更に多くの区別用語をちゃんと明確に設けるのは必要でしょう。

区別用語はあっても、心の性別はたくさんあるという事を分かってもらう事が前提です。

昔の時代は、

男性が女性っぽい言動をしたり、女の真似したり

女性の服装を着用することなどは全てまとめて「オカマ」と呼ばれていました。

(歌舞伎の女形は別です)

かつて美輪明宏さんがTVでこのような事を申しておりました。

(記憶にある言葉をまとめたものなので、一字一句同じとは限りません)

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「昔はおかまおかまと全ての男性のセクシャルマイノリティ者に対し一括して差別的に

使われていたが、頑張ってそれらの言葉を撤廃してセクシャルマイノリティに対するイメージも払拭してきた。

けれども近年はTVでセクシャルマイノリティの当事者が自分でオカマだと自傷して使用している。

またオカマという言葉を流行らせセクシャルマイノリティ者のイメージを低減させる気なのだろうか・・・」と。

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近年、ようやくニューハーフ、性同一性障害、トランスジェンダー、

女装者、男の娘などの言葉が出てくるようになりましたが、

それでもまだまだ、これらの言葉の意味の違いを知る者は多くありません。

嫌悪感を持っている方や、興味のない方にとっては、

どれも同じようなものだと思ってるんでしょうけれどね。




オカマという言葉よりは、意味も軽く蔑称的な意味も含んでいないのですが、

本来の男の娘という定義からかけ離れて、

性同一性障害者もニューハーフもMtFトランスジェンダーも一括して

扱うのは、いささか早計ではないでしょうか。