どうも、こんばんは。(今もまだ)悩めるMtFです。

最後の更新からなんと丸3年!

もはやMtFの立場から言いたい事はブログで書き尽くしちゃって、燃え尽き症候群となって放置してました。


そんな中、久々に急遽筆をとった理由・・・。

記事タイトルどおり、この2つの用語の意味について私の勘違いを知ってびっくりしたからです。

私はこれまで、

トランスセクシャル=すでに性別適合手術(性転換)を受けた人達
トランスジェンダー=性転換の有無に関わらずトランス(肉体または精神の性別移行)人生を歩むすべての者を指す総称

ざっくりこのように理解してました。


だって、LGBTという有名な言葉のTはトランスジェンダーじゃないですか。
それに数年前、インターネットで調べ物をしたときはウィキペディア情報も含めて
トランスセクシャルという言葉はあまり一般的ではないし、使われる事も少ないって読んだことがあるのです。

だから私のこのブログ名も、トランスセクシャルは不適当でトランスジェンダーにすべきだったのかな?と悩んでいたものでした。

ですが最近、トランスセクシャルとジェンダーの意味の違いが、昔調べた頃と異なってることに気づいたのです。

ウィキペディアの内容まで変わってるし!!

(情報や定義なんてものは時代によっていとも簡単に変わっちゃいますしね・・・
誰でも編集できるウィキペディア情報なんて尚のことなのでしょう)



それで、最近はどうやら

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トランスセクシャル=性同一性障害者の中でも肉体的な性別変更(性転換)も、強く『望む』者たち

トランスジェンダー=異性装やホルモン療法のみで満足し、性転換までは希望せず、『元の肉体のままでの生活を希望する』者たち

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みたいな意味になっていたのです。目から鱗でした。


心の中で性転換を希望するか否かが呼称の違いっていうんなら、
例えば生涯ずっと性転換を望んでいても、諸事情で性転換できないままの層もトランスセクシャル層なんでしょうか。


性同一性障害者ならば望めば誰もが希望通り気軽に性転換できる世の中ではありません。

手術には保険が効かないので医療費以外の療養費・社会復帰までの生活費など諸々を計上すれば最低数百万単位の高額な予算が必要です。
医療ローンを組めるかどうかも病院によってマチマチだし、ローンが通るか否かも個々の信用や職業・収入形態で人それぞれ。性の問題を抱えないヘテロの多数者であっても。低収入・不安定な職ということが社会問題になってるくらいですしね。
当然MtF/FtM層でも経済力も満足な貯蓄もない人は大勢存在します。


また、つい最近話題になったニュースがあったが身体的な問題で性転換手術ができないような当事者もいる。
(性転換手術に限らないが、先天的な病気その他の身体上の問題で全身麻酔やオペ時の輸血を行えないケースがある)
性転換後の社会復帰や復職なども大きく関係してくる。その面では性転換は年齢的に早ければ早いほど有利だけども、歳を重ねればそれだけ性転換後にいざ戸籍変更して社会復帰や仕事をどうするかの問題もあって不利になる。(実際に高齢になって性転換を実現できたが、周囲の対応や理解を得られずいざこざが起きニュースになった話もいくつもある)


実は私も未だに性転換はできていない。

「希望面」でいえばそりゃ死ぬまでに性転換を実現してみたい。
でも近年は、自分のスキルの低さ・性格的に社会不適合な面から性転換を実現できないだろうなぁと半ば諦めの境地にある。


だけど別に性転換しない人生を強く希望しているわけじゃない。

そんな自分みたいな層も「トランスセクシャル」なんでしょうか?

もともとセクシャル(SEX)って言葉には肉体的な性、ジェンダーのほうは精神的な性別や社会上での性別という意味がある。

そこにトランス(移行)って付くならば、やっぱり
トランスセクシャルは性転換者、トランスジェンダーはGIDでも未性転換者で性転換の希望の有無は関係のない単純な括りのほうが妥当な気もする。

そもそも、そういう厳密な区別は不要という意見もあるので、

LGBTのTはトランスジェンダーということから、
性転換の有無に関わらず、GIDの有無にも関わらず(性転換してもGIDではないという層も存在するゆえ)、

とにかく性別移行者を総称してトランスジェンダーという呼称にしちゃったほうが便利な気もする。



ここ近年は自分のことを無難にトランスジェンダーと自称してきたが、
もしトランスジェンダーが性転換を望まない者みたいな意味があるのなら、
今後はトランスセクシャル自称に変更していかなきゃならない。

でも・・・
トランスセクシャルってトランスジェンダーより知名度低い言葉だよね・・・。
それに、今までの自分のように既に性転換してる人っていう誤解を与えかねない。
かといって性転換する気は毛頭無いような層という誤解もされたくない。

立派なMtFで性転換したい気持ちはあるけど諸事情で出来ないような層・・・をうまく表現できるような言葉があればいいのに。
そういう意味では、「タイ」はセクシャルマイノリティ呼称も広く細分化しており進んでいる。さすがニューハーフ大国。
余談だけどタイ王国は綺麗なニューハーフも、性転換した人も多い国だけれど、宗教や法律の問題で戸籍上の性別は変更できないそうな。
それでも戸籍の性別で左右されることがなくニューハーフ対応策も万全に用意されてるから困ることも少ないのでしょうね。





最後に日々のことでも。

私は今では見た目は十分にパスして(疑いなくフツーの女性として見られて)いる。
声も完全な女声とはいえないが女の声としては許容範囲レベルだと思う。

ニューハーフになりたての頃は、老若男女誰からも女として見られる、扱われることだけがただ嬉しくて、それ以外の感情はなかったのだけれど、
近年は男性から女として認識されそう接されると、内心申し訳ない気持ちでいっぱい。
女性からは別に女として見られようが男認識になろうがオカマ扱いされようが構わないんだけども(自分の中では天然の女性には決して敵わないもの超えられないものがあることを理解してるので)、
対・男性だと、やっぱり自分自身元は男だし男の心の機微なども知ってるからこそ
「ああ、この人は自分の性別知らないし完全に女として認識してるから笑顔で声かけてくるんだな~きっと真実知ったら酷くがっかりするんだろうなぁ」という後ろめたい気持ちでいっぱい。いっそ自分には関わらない方がいいよとさえ思ってしまう。
(既に性別を知っていて接してくれるのであれば逆に、もっとたくさん構ってという気持ちはあるのだけれども(苦笑))

ちょうど最近、「詐称問題」ニュースが賑わっているけれども、
我々トランス層も対人認識の面では詐称してるようなものだしね・・・。

もっとも、だからといって別に性別をカミングアウトするようなこともしないし必要もない。深い仲になる時だけカミングアウトすればいいのだ。

そういえば、何度も面識あるような仲になっても向こうから聞いてくるまでは・・・という気持ちで、自分からカミングアウトしないような人間関係も今までにあった。
けれど、いつの間にか関係をフェードアウトされたこともあったけれど、もしかしてあれは性別に感づいて身を引かれたのかな?と感じる。去る者は追わない。
性別を理解し、それでもなお真摯に接してくれる人とだけ人付き合いできるだけで十分なのだ。




それではまた、当分放置することになると思います。お元気で。