迷信 | わしじゃもりじゃ

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ご縁あって、84歳のご婦人としゃべった。

ふと足元を見ると、足首にミサンガのように

黒い糸を巻いていらっしゃる。

 

「なんですかそれ。」

「これはね、おまじない。転んだり怪我したりしないようにおまじない。」

 

私は何度も転んで何度も小さな骨折をしているのに、

84歳のその方は、骨折ももちろんだが、転ぶこともないらしい。

 

足腰丈夫で股関節もやわらかそうだし、心もやわらかそうな方である。

 

しゃがんだり座ったりの和式の生活をずっとされているせいだろうか。

 

私は4年前からベッド生活にした。

その前の、「畳に布団」時代に骨折したときは、

起き上がることの大変さを思い知った。

 

床から立ち上がるときの脚力使用量のハンパないこと。

片足では、補助なしでは立ち上がれないのだ。

しかし、ベッドからだと、脚力がなくても楽に立てる。

 

畳から毎日脚力を使って起き上がっているのと、ベッドから楽に立ち上がるのとでは、

また、和式トイレでしゃがんで立ち上がるのと、洋式トイレとでは、

そりゃ、体の鍛えられ方が違って当然だろう。

 

足の筋力なんて、2か月で簡単になくなる。

2か月間、筋肉を一切使わないと、

もともと筋肉量の少ない者のふくらはぎは、

棒のようにまっすぐになってしまうのだ。

 

 

 

話がそれたが、お元気そうで丈夫そうな84歳のご婦人。

「あなたも足首に、これ付けてみたら?

細くて切れないものなら何でもいいのよ。」

この迷信を信じて疑わない84歳の純心な瞳が、私を見る。

 

いやいやいや。

そんなもの信じられるわけがないじゃん。

迷信でしょ。 ばかばかしいおまじないでしょ。

 

そう思う私の心に、もう一人の私がささやいた。

 

≪だけどさ、あんたの骨折の原因って、不注意でしょ?

あとの一つは、段差を踏んで足首ひねって転んで剥離骨折。

 

すべて足首から先の小さな骨折ばかり。(肋骨骨折除く)

せっかちでそそっかしいのが主な原因だとしたら、

足首の黒い糸を見たら、あ、気を付けなきゃ、って思いだすんじゃない?≫

 

んん、なるほど。

そういや足元見て歩かないからなあ・・。

上ばっかり見て歩いてるわ。

 

自分を戒めるためのミサンガってか。

ポリエステルのミシン糸があったから

それ、巻いてみようかなぁ。

綿の糸だと朽ちるから切れちゃうもんね。

 

84歳のご婦人、1本の糸をもう何年も巻きっぱなしらしい。

そして、・・・転んだりしてない。

 

迷信を信じるわけじゃなくて、

自分を戒めるために、巻いてみようかな。

 

自分の足首にまかれた黒い糸を見るたびに

常に落ち着いて行動しろよって声が聞こえるかな。

「足元確認」って。

 

そして、84歳のそのご婦人の笑顔をも思い出して

心もまろやかで柔らかくねって声も聞こえるかな。

 

ご清聴ありがとうございました。

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