544冊目
『ビジネスモデル思考法』
著:川上昌直
顧客価値とは
そもそも顧客価値とは、お客様の取り分であり、言い換えるなら分け前です。
モノやサービスの価格よりも、お客様が値打ちを感じているから購入するのです。
ニーズと用事
ニーズというのはモノがある程度はっきりした状態で、顧客が持つ欲求です
重要なのは、お客様の用事に焦点を当てること
用事がニーズを発生させているのです
顧客は用事を片付けるために、製品やサービスを雇っているのです
ビジネスモデルとは
ビジネスモデルとは顧客に満足を、企業に利益をもたらす仕組みのことです
ビジネスモデルを構築するときは3つの要素が必要です
顧客価値の提案、利益の設計、プロセスです
その中でも優先的に考えるのは、顧客価値と利益の想定です
ミュゼプラチナムと脱毛サロン
ムダ毛に悩む女子をターゲットとしながらも、それを安価で提供し、
ときには赤字を出してでも低価格でサービスを受けてもらいます。
その代わり一度そのサービスを受けてもらったお客様に現場で次なるサービスを提供して
時間差で儲けを作っていくというやり方です
この業界の価格破壊はミュゼプラチナムが引き起こしました
低価格の200円でワキ脱毛を提供していますが、これでは儲けを狙っていません
狙っていたのは女性のデータベースです
一般的なサロンが儲ける仕組みに、ビッグデータの要素を付加して、事業者に課金する
具体的にはパナソニックと共同で商品を開発して課金ポイントを作っています
コストコの利益率
普通の小売業の利益率が65%に対して、コストコの利益率は90%
コストコは販売している商品を低価格で提供しています
それだけでは利益が取れないコストコは個人から4000円
法人では3500円の年会費を取っています
お金を「先」か「後」かで取るかを工夫しました
ネスカフェのバリスタ
自宅でコーヒーを飲もうとしようとするとき、多くの人はコーヒーマシンを使うでしょう
多くの家電メーカーもこのように製品で儲けるというやり方を取ります
つまり、いかに顧客の声を取り入れてよい製品を提供するかを考えて製造します
顧客が重視するポイントにコストをかけ、原価に一定の利益を加えて価格を設定するというやり方です
これよりも利便性を追求するモノに、インスタントコーヒーがあります
ネスカフェのバリスタは、インスタントコーヒーが浸透している日本独自のコーヒーマシンです
本格コーヒーに近い味が出せると謳い、コーヒーマシンも手が届きやすい9000円前後で設定しております
しかし、従来のコーヒーマシンで利益を取るというやり方ではこの価格では原価ギリギリとなり
大きな利益は得られません
ポイントはバリスタ本体では儲けず、インスタントコーヒーの消費によって時間差で儲けるというモノです
しかも詰め替え用パックは専用のモノです。
つまるところ、バリスタのマシン自体は、インスタントコーヒーを消耗してもらうプロジェクトに過ぎないのです
企業のゴールと顧客のゴールのシンクロ
企業は仕入れ→製造→販売(ココがゴールになります)
しかし、顧客は購入→使用→用事の解決(ココがゴールになります)
そもそも企業と顧客のゴールがシンクロしていなければ、お客様の用事を片付けることができず
お客様は商品を購入することはありません
iPhoneがいい例です
iPhoneを購入したそのときから、劇的に生活が変わる人はいません
iPhoneを手にしてから、それぞれの用事を済ますためのアプリを取ります
そのため、顧客はiPhoneを買った後に広がる世界を買ったということになります
『今日のドラッカー』
貢献に焦点を合わせるということは責任を持って成果を上げるということである