平成28年9月23日参拝
熊野三所大神社の元神宮寺です。
補陀落山寺(ふだらくさんじ)は比叡山延暦寺を総本山とする天台宗の寺院で、
開祖は第16代仁徳天皇の御代(313-399)にインドより渡来の裸形上人。
御本尊の十一面千手観音は国重文に指定されています。
こちらもユネスコ世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部です。
補陀落とは南方の観音浄土を意味します。
補陀落山寺の住職たちは舟にひと月分のわずかな食料を積み海の向こうにあるという観音浄土を目指しました。
これを補陀落渡海と言います。
外に出れないよう小さな屋形には釘が打たれたそうです:;(∩´﹏`∩);:
最も古い補陀落渡海の記録は貞観10年(868)の慶龍上人、
最後の渡海は享保7年(1722)の宥照上人。
補陀落渡海上人(渡海した住職)25人のお名前は全て石碑に刻まれています ( ˘ 人 ˘ )
本堂裏手の山に補陀落渡海上人たちのお墓がありました。
上段は平家一門(二位尼 平時子・三位中将 平維盛)の供養塔でした!
平時子は寿永4年(1185)壇ノ浦で幼い第81代安徳天皇と三種の神器の草薙剣を抱え入水、
平維盛は寿永3年(1184)に補陀落渡海しています。
▲平家一門 供養塔
補陀落渡海‥ちょっと今では考えられないけど‥これも捨身の行のひとつで、
住職たちはわたしたちの先祖を救うために命をかけて仏さまになった、
そしてわたしたちがあるということに心から感謝しなければなりません。
*琉球王国に漂着した補陀落渡海上人が熊野信仰を広めたという記録があり、
波上宮を含む琉球八社のうち七社には熊野の神が祀られています。
沖縄に古くから伝わるニライカナイ信仰(沖宮)は熊野信仰に非常によく似ています。
◆白華山補陀落山寺
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町浜ノ宮348