神社めぐりをしていたら円丈師匠の狛犬サイトにたどり着くのも時間の問題でしょう。
当ブログをはじめとするクソ情報が氾濫する今と違って10年前は良サイトが多く、
中でも円丈師匠のサイトは神社めぐりをする上での虎の巻として勉強させてもらいました。
狛犬の地域的特色を知ると旅が楽しくなり、
時代背景が反映された狛犬を見てはその時代を必死に生きようとしていたご先祖さまたちに感謝したものです。
まぁ色んな土地に行きましたが、
札幌で本州各地から持ち込まれた狛犬たちを見たところでわたしの中の狛犬観察が一旦打ち切りとなりました。
円丈師匠の話に戻すと、
綾瀬稲荷神社の落語狛犬はわたしの好きな狛犬三本指に入ります。
令和4年1月5日参拝
JR千代田線綾瀬駅西改札(北)より徒歩5分です。
静かな住宅街の中に観音寺と隣り合わせる稲荷神社です。
手水舎に正月飾りがあるということは手水が機能しているのかと思ったら水はない。
近づいてみるとありがたい事にアルコールスプレーを置いていただいてまして、
現状はこのスタイルがベストですね。
御祭神は宇迦之御魂神、
相殿に菅原道真公(天満宮)と水波能売神(水天宮)です。
創建は慶長19年(1614)、
金子五兵衛という人が現在の綾瀬稲荷を西端とする綾瀬川の東側を開墾(=五兵衛新田)して、
伏見稲荷より御分霊を勧請して新田の要所となる西側にお祀りしました。
こちらが落語家で狛犬研究家の三遊亭円丈ご夫妻から奉納された落語狛犬。傑作
真鶴産の本小松石に石工は真鶴の八柳伸五郎。
違う角度から見ると表情が変わってますますおもしろいね。
扇の尾っぽばかり気になってたうしろ姿、
よく見るとおしりの下の毛の流れが正座した噺家さんのちょこっと出た足の裏みたい。
品のいい座り方されてます。
迫力ある口と立った耳の中に蜘蛛の巣🕸張ってたのでお掃除してきました。
ちり紙でスッと取れるので気づいた方はお掃除お願いします!
どうしても阿形の方に注目してしまいますが吽形さんの方も素晴らしいの。
陽当たりの問題で写真は以上です。
夢中で狛犬見物していると宮司さんが大きなアレンジ花にジョウロで水を差しにいらした。
「このお花は?」
「駅前のお花屋さんから奉納していただいて立派なお花だから成人式までは持たせたくてね」
実は落語狛犬の大ファンで円丈師匠を偲び再訪したことをお伝えすると、
狛犬は喪中のため正月飾りのしめ縄をしていないことを教えてくださいました。
言われてみればご主人さまを亡くしてさみしそうな犬の顔に見えてくる不思議。
この日いただいた御朱印は其の2です。
其の1は前からあるキツネさんのやつ。
◆綾瀬稲荷神社
東京都足立区綾瀬4-9-9
ーーーーーー✂︎ーーーーーー
▽末筆
円丈師匠の妻ユリ子さんは、
「あと10年は生きてもらいたかった。落語界に何らかの功績を残せたのではないか。」とおっしゃっていたそうです。
『円丈師匠は高座で声が出づらい時期が続き、昨年5月に脳血栓の疑いで足立区S病院に検査入院となり、はじめは薬で散らして経過良好と思われたが入院生活は長引くことになる。コロナ禍の面会制限で家族すらお見舞いを許されず心配する日々が続いていたところに危篤だから来てください、とこういうわけです。最期のお顔は大変安らかだったそうです。』と。
宮司さんはひと通り話し終えると『誰かに聞かれたら教えてあげてね』とさみしそうに落語狛犬を見つめていました。