勝つために叫ぶのさ 俺たちはここにいる
蒼黒の魂を 今ここに見せつけろ‼︎
※原曲「ナンバーワン野郎」(ザ・クロマニヨンズ)

バ~モ~バモ~バ~モトーキョー
バ~モ~バモ~バ~モバモトーキョー
ドキドキ止まらないぜ
オ~オ~オ~トーキョー(オイ‼︎)
※原曲「サマーライオン」(アイドリング‼︎!)

皆様、ご機嫌如何でしょうか。
7月11日(土)から、明治安田生命J1リーグの2ndステージが開幕します。
1stステージは浦和レッズが無敗で制しましたが、2ndステージも浦和が王座に着くのか。それとも1stステージで悔しさを味わったチームが栄冠を掴み取るのか。非常に楽しみです。

そんな2ndステージの開幕戦で注目のカードは、川崎フロンターレとFC東京の「多摩川クラシコ」です。
1stステージ、FC東京のホームスタジアムである味の素スタジアムで対戦した際は前半に大久保嘉人の、三浦知良(横浜FC)超えとなったプロ通算140ゴールで川崎Fが先制するも、後半に太田宏介のFKと太田→武藤嘉紀のホットラインでFC東京が逆転し勝利しました。

今回は川崎Fのホームスタジアムである等々力競技場での対戦。川崎Fは、等々力での多摩川クラシコでは2010年にチョン・テセの2ゴールで勝利して以来勝てていませんが果たして今回はどうなるでしょうか。

◯「0-6」を逆襲のキッカケに!

川崎Fは1stステージを5位でフィニッシュしました。
細かい要因は多々ありますが、優勝争いから脱落してしまった最大要因は「人が揃わなかった事」だと思います。

開幕前から登里享平、森谷賢太郎といった去年の主力が不在で、3節の山形戦では小林悠が怪我で離脱してしまった。
4月になり森谷、そして小林が戻って来てようやく…と思った矢先、5月には小林が再び怪我で離脱し、更にはチームの中盤を支えてきた大島僚太まで名古屋戦で負傷し離脱してしまった。

中心となるべき選手が怪我で離脱し、多くの選手を起用できた反面、人が揃わない状態が続くチームの「最適解」が見つからず、チーム状態としてはかなり苦しかったと言わざるを得ませんでした。

1stステージを5位でフィニッシュできたのは、人が揃わなかったチーム状態を考えれば高く評価しても良いのではないでしょうか。

そんな苦しい1stステージを経て、2ndステージは長期離脱中の登里以外は全ての選手が戦線に復帰し、更にはドイツの2部リーグで戦っているボーフムから、かつて川崎Fに所属していた田坂祐介が3シーズンぶりに川崎Fに復帰し、「逆襲」の体制は整いました。

人が揃って来た中で7日(火)にホームの等々力競技場で行われた、ドイツ・ブンデスリーガで10-11シーズン、11-12シーズンと2シーズン連続でかつてマイスターシャーレを獲得し、12-13シーズンにはヨーロッパチャンピオンズリーグのファイナリストとなった強豪ボルシア・ドルトムントとの親善試合では、「止める」「蹴る」「運ぶ」「外す」「奪う」「考える」「位置取り」全ての技術の正確性とスピードでドルトムントに格の違いを見せつけられ、0-6の大敗を喫しました。
しかもドルトムントはトーマス・トゥヘル新監督の下で始動してまだ間も無い、チームとしても個人としてもまだ状態が100%からは程遠い状態でした。
それでも川崎Fはドルトムントに圧倒的な差を見せつけられたのです。

川崎Fの選手達は皆、試合後のコメントで「もっと上手くならなければ…」と、今以上に全ての技術の正確性とスピードを上げる必要性を感じていた様でした。

選手達が揃ってきた中で、ヨーロッパの強豪相手に突きつけられた「0-6」という圧倒的な差。
この大敗という結果が選手達の意識に変化をもたらすのは間違いないと思いますが、その意識の変化がどうプレーに現れるのか、多摩川クラシコではそこに注目し、楽しみにしたいと思います。
そしてドルトムント戦の大敗が2ndステージの逆襲に繋がる事を願います。否、繋げなければいけません。


◯「背番号14」のいないFC東京

対する、1stステージ2位で惜しくもステージ優勝を逃したFC東京について、2ndステージの注目はやはり「武藤嘉紀が抜けたチームでどう勝つか」でしょう。

1stステージ、FC東京の総得点は24点ですがその内の10点、要するにFC東京の総得点の約半分が武藤によってもたらされてきました。
武藤の体幹の強さを活かした直線的なドリブルと、どんな体勢、どんな位置にいてもゴールを狙う貪欲さ、そしてチームを勝たせる得点を挙げられる「勝負強さ」。これらを兼ね添える武藤を活かすために全員がプレーする。これが1stステージにおけるFC東京の「勝ち方」でしたが、悪く言えば「武藤依存症」であった事は否定出来ません。

その武藤がドイツ・ブンデスリーガのマインツに移籍し、武藤を活かすサッカーが出来なくなった今、チームはサッカーの、特にボールを持った時のサッカーの再構築を余儀無くされました。

武藤の穴を埋めるべく、オーストラリア代表で今年1月に母国開催されたAFCアジアカップ優勝メンバーであるネイサン・バーンズとスペイン人FWのサンダサを獲得しましたが、ポジショニングの細部にまで拘るシステマチックな「マッシモ・トーキョー」のスタイルに慣れるのは容易ではありません。
そうなると前線は石川直宏、前田遼一、東慶悟、河野広貴の4人の中でうまく組み合わせながら、バーンズとサンダサを慣れさせるという起用法になるでしょう。
多摩川クラシコではどういう前線の組み合わせにして誰を活かして川崎Fを仕留めに行くのか。そこに注目したいと思います。

後ろは強固なだけにあとは武藤が抜けた前の組み合わせや攻め方の「最適解」を見つける事。それがFC東京が2ndステージを獲れるか否かの鍵になるでしょう。
ただ2ndステージ序盤3試合が中3日ペースなので、序盤から短い試合間隔で試合をしなければいけないのは、チームを再構築するにはかなり難しいシチュエーションだと思いますので、何れにせよ厳しいステージになる事は間違いありません。


戦力が揃ってきて、更にドルトムント戦の大敗で選手達の技術やスピードに対する意識が更に高まって「逆襲」の準備が整った川崎Fと武藤が抜けて改めて「どう勝つか」を模索するFC東京。
対象的なチーム状況の中で行われる多摩川クラシコ。
個人的には3年ぶりの多摩川クラシコ現地観戦となるので、5月の味スタ同様好ゲームになる事を期待したいです。