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皆様、ご機嫌いかがでしょうか。
7月19日(日)に行われる明治安田生命J1リーグ2ndステージ第3節。何と言っても目玉のカードは1stステージ王者浦和レッズと、唯一2ndステージ開幕2連勝発進のサンフレッチェ広島の、現在年間順位1位2位直接対決であるのは言うまでもありませんが、個人的にはやはり同じ「ボールを持って相手を叩きのめす」スタイルの柏レイソル×川崎フロンターレに注目しています。

4月、川崎Fのホーム等々力競技場で観戦した両チームの試合。個人的には「スタイルのミラーゲーム」として注目していましたが、蓋を開けてみると「相手に自由に持たせない」という所で意思を統一させた柏が中村憲剛&大島僚太のダブルボランチを潰して相手のボール回しの軸を消し、相手の繋ぎのミスを徹底的に突いてのカウンターから立て続けにゴールを奪い、終わってみれば1-4の大差で柏が川崎Fを「粉砕」。相手のストロングポイントを消して勝つ柏の勝ち方はまるでネルシーニョ前監督(現在はヴィッセル神戸の監督)時代の柏のようでした。

今度は柏のホーム日立柏サッカー場(通称「日立台」)で対戦する両チーム。果たして今回はお互いの「ボールを失わない」スタイルが交わるゲームとなるのか。それとも4月の等々力同様「守の柏、攻の川崎F」という図式になるのか。注目です。


◯ボールを持つか持たないか

前節の横浜F・マリノスとのアウェーゲームではセットプレーを起点に生まれた工藤壮人のゴールを守りきり1-0で勝利した柏。しかし今シーズンの柏は、リーグ戦においては日立台では僅か1勝しか挙げていません。

その要因としてはボールを長く持ちながらも得点まで繋げられず、逆にミスを突かれて失点してしまう事が挙げられます。
この辺が、「ボールとスペースを支配する」スタイルを柏の下部組織に浸透させ、トップチームにもそのスタイルを浸透させようとしている吉田達磨監督が就任して以降の柏のもどかしさではありますが…。

ただ、今度の相手はボールの止め方、動かし方、運び方、相手の外し方といった基本技術の高い選手が揃った川崎Fなので、いくら日立台のゲームと言えども川崎F相手にボールを持ち続けて主導権を握るのは、両チームの技術レベルの差を考えれば至難の業です。ですから普段通り自分達からボールを動かすのではなく、「如何に相手の思うようにボールを動かさせないか」という所から意思を統一させる可能性も十分考えられます。

柏としては、川崎F戦に臨むにあたり「どう出てくるか」。そこに僕は注目しています。
4月の等々力では前述した通り中村と大島を封じる所からチームの意思を統一させました。今回は普段通りボールを動かして、ボールを持つ時間を長くして主導権を握るのか。それとも4月同様相手が持つボールを前に走らせない、進ませない所から意思を統一させるのか。柏の出方次第で試合の内容が変わって来ると思いますので柏がどう出てくるかというのは非常に重要なポイントです。

1stステージを14位で終え、現在年間順位13位と、少し油断すると降格圏に突入する順位にいる柏。1stステージはACL(アジアチャンピオンズリーグ)との兼ね合いもあり、クラブの悲願であるACL制覇に向けて、ドラゴンボール風に言うなら「10倍界王拳」でACLを戦っている反動もあってかリーグ戦ではなかなか思うような結果が出ませんでした。特に前述のように日立台で1勝しか挙げられていないのは、昨シーズン日立台で圧倒的な強さを発揮してガンバ大阪、浦和レッズ、鹿島アントラーズ、鳥栖、川崎Fといった上位勢を呑み込み「最強日立台」と謳われた事を考えれば本当にチームとしてもサポーターとしてももどかしい思いをしているのではないかと思います。

2ndステージ開幕戦となったサガン鳥栖戦は日立台でのゲームでしたが2-3で敗れました。川崎Fにはここ3シーズン日立台で連勝しているだけにその相性の良さ、そして前節横浜FMに粘り勝ちした事を、川崎F戦に繋げ、連勝で日立台を黄色く染めるサポーターを喜ばせたい所です。


◯中盤を制圧せよ!

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アーレー工藤~ アーレー工藤~
エーキセーントリック壮人(まさと)~
アーレー工藤~ アーレー工藤~
エーキセーントリック壮人(まさと)~
原曲「エキセントリック少年ボウイのテーマ」(エキセントリック少年ボウイオールスターズ)

等々力のアウェースタンドから響き渡った、2得点を挙げた柏のFW工藤壮人のチャント(応援歌)は未だに脳裏に焼きついています。

4月、自分達の「庭」である等々力で4失点と、柏に粉砕された川崎F。

まず中村と大島のダブルボランチが柏のインサイドハーフ、大谷秀和&小林祐介のコンビに封じられ、3バックの武岡優斗、角田誠、谷口彰悟には相手の前線3枚、工藤、レアンドロ(1stステージ終了後ヴィッセル神戸に移籍)、武富孝介が張り付いて、キーパーの西部洋平がボールを持った時の選択肢を限定させられた事で川崎Fは思い通りにボールを動かす事が出来ず、逆に相手のプレッシャーにハマって立て続けに失点したのが敗因でした。

あと、ボールを持った時も、森谷賢太郎が柏戦の前のヴァンフォーレ甲府戦で負った怪我の影響で欠場した事で相手の最終ラインと中盤の間でボールを受ける人間がおらず、「誰も受けたがらなかった」事でエウシーニョとレナト(2ndステージ2節の鳥栖戦直前に中国スーパーリーグの広州富力に移籍)のドリブル頼みになってしまったのも攻め方としては稚拙でした。

今回はまず4月の柏戦とは違い最終ラインが4人である事、あと中盤の構成が変わりました。4月の柏戦では中村と大島のダブルボランチでしたが、2ndステージ開幕以降は大島と4月対戦時は3バックの左だった谷口のダブルボランチとなり、トップ下に中村を置く形になりました。

この中盤の構成だと、相手はアンカー1枚にインサイドハーフ2枚という中盤の構成なので、各ポジションでマッチアップする形になりますし、中村がトップ下にいるので、間でボールを受けて、ボランチと前線のリンクマンになれます。更に中村の事ですから、相手のアンカーを上手く振り回して、大久保嘉人が前線から下りて受ける場所や、大島が高い位置で受ける場所を作ってくれる筈です。

柏は前節の横浜FM戦で後半途中から秋野央樹と途中出場の茨田のダブルボランチに栗澤トップ下という構成にしたので、中村が自由に間でボールを受け続けていればボランチを2枚にする可能性がありますが、今度は川崎Fのダブルボランチのどちらかが開くので、大島か谷口、フリーになったどちらか一方で相手を振り回せます。

柏が「対川崎F」をどう捉えてどのようにゲームに入るかで中盤の組み合わせが予想と変わる事もあると思います。
ただ、川崎Fは相手の中盤の構成を見ながら柔軟に中盤のポジショニングを変えていけば、彼らの技術を以ってすれば中盤を「制圧」できるはずです。

エルゴラッソでの予想は大島&中村のダブルボランチに大久保、小林悠の2トップ予想ですが、小林が左ふくらはぎに違和感を感じたという事でメンバーの入れ替えがあるかもしれません。それに個人的にはやはり前述の通りダブルボランチ+トップ下の組み合わせの方が中盤を制圧しやすいと思います。

FC東京との多摩川クラシコで2-0と快勝し、前節の鳥栖戦はレナトが突然抜けた中で1-1のドローと1stステージ同様1勝1分のスタートとなった川崎F。
前節で武岡が、そして前述の通り、練習中に小林が負傷して2ndステージも「コンディション」との戦いを強いられている中で、風間八宏監督就任以降3戦3敗と相性最悪の日立台で「風間フロンターレ」として日立台初勝利を挙げれば更に勢いに乗るでしょう。


以上です。

今回の柏×川崎F戦、やはり個人的には柏のゴール時のチャント「宇宙戦艦ヤマト」と川崎Fのゴール時のチャント「BASKET CASE」が沢山聴ける試合展開を期待したいです。
川崎Fは変わらずボールを持って前に進みたい筈なのでやはり期待通りの展開になるかならないかは柏次第。
「ボールを持って相手を叩きのめす」両チームのスタイルは交わるのか?
楽しみにしたいと思います。