皆様ご機嫌いかがでしょうか。

さて、4月24日(日)に神奈川県川崎市の等々力競技場にて、明治安田生命J1リーグ1stステージ第8節、現在無敗で首位に立っている川崎フロンターレと川崎Fを勝点差1で追う3位浦和レッズの注目の上位対決が16:00にキックオフされます。

○「全局面圧倒」する川崎Fと浦和のスタイルが名勝負を生み出す

風間八宏監督が4年前の4月にシーズン途中就任して以降の川崎Fと、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が4年前に就任して以降の浦和の対戦は、一言で言えばいつも「噛み合い」ます。

何故噛み合うかと言うと、川崎Fも浦和もまず「ボールを持つ」という前提でサッカーを考えていて、ボールを動かして相手を崩す動かし方の質、そしてボールが動いている間のボールを持っていない選手の動き方の質が高く、相手の隙を「作りだして」ゴールネットを揺らせる「殺傷能力」が高いチーム同士だからです。

更にボールを奪われてもすぐに中盤から高い位置でボールを奪いに行き、ボールを奪い返す。或いは奪えなくても「プレーを限定」させて苦し紛れのプレーをさせ、ボールを回収して再び自分達がボールを持つ…という様に相手ボールになっても自分達が主導権を握ろうとするチーム同士でもあります。

つまり川崎Fも浦和も「全局面で相手を圧倒する」サッカースタイルであるからこそ、両者の対戦はどの様なスコアになってもファンが「面白い」と感じ、「名勝負」が次々と生まれるのです。

確かに細部で違いはあります。
システムではなく個人の技術力、発想力の最大値を組み合わせ、相手の「矢印」を見て相手を崩し仕留めていく川崎Fに対し、浦和はベースのフォーメーションである3-4-2-1から攻撃時は4-1-5、守備時は5-4-1とフォーメーションを自在に動かし、前に厚みと持たせて仕留めるのがベースになっています。

それでも全ての局面で圧倒して相手を「壊す」というのが両チームの根本的なスタイルであるのは間違いありません。

○川崎F×浦和は日本サッカー界の「希望」

前述の通り、川崎Fと浦和のゲームは、どちらも全局面で圧倒して相手を壊そうとするチーム同士のゲームなので、非常によく噛み合います。

そして両チーム共ゴールを射抜く「殺傷能力」が高いので、ほんの僅かなミスや迷い、甘さが大ピンチに繋がるという緊張感の高いゲームになります。

こういった共に相手を圧倒するチーム同士の対戦で緊張感の高いゲームは、海外ではバルセロナ×レアル・マドリードの「エル・クラシコ」、バイエルン・ミュンヘン×ボルシア・ドルトムントの「クラシカー」で味わえるのですが、Jリーグでは川崎Fと浦和のゲームが該当すると個人的には思っています。

Jリーグのゲームはどうしても個人の技術を最大限に発揮し、主体的に得点を奪いに行くゲームよりも、敢えてこういう書き方をしますが、技術を蔑ろにし、自ら得点を奪いに行く事を「放棄」して相手のミスを待つゲームの方がまだ多いなと見ていて感じます。
技術を磨かなければ、点を取らなければサッカーでは勝てないのに、それを放棄してしまうサッカーに果たしてサッカー少年達の「手本」となるでしょうか?「希望」が持てるでしょうか?

個人の技術を最大限に発揮して主体的に相手を圧倒し、ゴールを奪いに行く川崎Fと浦和の両チームのゲームは、将来プロを目指すサッカー少年達の「手本」であり、彼らのスタイル同士が今回の様に上位を争う事が日本のサッカー界にとっても「希望」だと思います。

両チームには代表クラスの選手が在籍しています。

川崎Fには中村憲剛、大久保嘉人、小林悠、大島僚太、谷口彰悟、奈良竜樹、チョン・ソンリョン。

浦和には阿部勇樹、西川周作、柏木陽介、槙野智章、遠藤航、興梠慎三、武藤雄樹、李忠成、関根貴大、ズラタン。

この代表クラスの選手達が持てる能力の最大値を出し尽くして相手を全局面で圧倒しようとするのですから、試合が噛み合い、日本サッカーの「希望」となる対戦になり得る訳です。

無敗の首位川崎F、勝点差1で追う3位浦和。
ファン注目の頂上決戦となる両者の対戦。
どの様な結末を迎えても爽快感を得られるような試合を今回も期待し、24日、等々力に向かいたいと思います。