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3月18日(土)に東京都調布市の味の素スタジアムで行われた、明治安田生命J1リーグ第4節、FC東京×川崎フロンターレの「多摩川クラシコ」は、序盤こそボールを持つ川崎Fと中盤で潰しに来るFC東京という構図で膠着状態が続いたものの、ACLで広州恒大とアウェーで対戦してから中3日というタイトなスケジュールの影響か、攻守において足が止まり始めた川崎Fに対し、FC東京が中盤でボールを奪ってから、相手のオウンゴール、新加入のウタカ、そして待望の大久保嘉人と、カウンター3発でFC東京が川崎Fを仕留めた結果となりました。

◯大久保嘉人から漂っていた「ゴールの雰囲気」

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ヨ〜シ〜ト〜 大久保嘉人のお通りだ〜♪
ヨ〜シ〜ト〜 奴らのゴールにぶちかませ〜♪
ヨ〜シ〜ト〜 嘉人が空を飛ぶ〜♪
(原曲:沢田研二「TOKIO」)

後半アディショナルタイム、大久保嘉人がウタカとのワンツーで谷口彰悟と奈良竜樹のCBコンビを置き去りにし、チョン・ソンリョンの体勢ををワントラップで崩して冷静にゴールに流し込んだ瞬間、大歓声が味の素スタジアムを包み、大久保嘉人のチャントが調布の夜空に響き渡りました。

今年の1月まで所属していた川崎F相手に待望の今シーズン初ゴールを挙げた大久保嘉人は前節ガンバ大阪戦でユニフォームを投げ捨てたお詫びの意味で「ゴメン」と手を合わせながらゴール裏に向かい、サポーター達と喜びを分かち合いました。森重真人をはじめとした味方選手達全員も手荒く「やったな〜‼︎」と大久保のゴールを祝福しました。

川崎のヨシト」から東京のヨシトになった瞬間でした。
その瞬間を見て、嬉しさと寂しさを同時に感じました。

ゴールシーンは流石だったと思います。
1対1では最後まで我慢して対応出来るチョン・ソンリョンに対し、大久保はソンリョンの動きを見ながら冷静にワントラップで外側にボールを置いてソンリョンの体勢を崩し、冷静に無人のゴールへ流し込みました。

ソンリョンが1対1で崩されるというのは昨シーズン殆ど見た事がありません
1対1のシーンでは殆ど相手に先に打たせてシュートストップしていたので。
それだけ1対1の対応に絶対的な自信を誇るソンリョンを崩して得点を挙げる大久保の技術、目、落ち着きには脱帽しました。
これぞ3年連続J1得点王の底力といった所でしょうか。

大久保からは前半から「ゴールの雰囲気」が漂っていました。
ゴール前でオーバーヘッドキック等、アクロバティックなシュートが出た時は大体好調の時ですし、オフサイドにはなりましたが左サイドからの阿部拓馬のグラウンダーのクロスをファーサイドでワンタッチでゴールネットに転がすシーンも、川崎F時代、特に昨シーズンに多く見て来たシーンでした。
それらを見て、「ああ、今日はやられるかもな」と思ったのですが、後半のアディショナルタイムに本当にやられてしまいました。

これでようやく「重荷」を下ろした大久保。ウタカというお互いを活かし合える最強の「相棒」の加入により、いよいよかつての3年連続得点王が量産体制に突入するか。注目したいと思います。


◯「怖さ」を感じない川崎Fの攻撃

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3失点完封負けと、「惨敗」に終わった川崎Fは自慢であるはずの攻撃に全く「怖さ」を感じませんでした。

要因としてはアウェーの広州恒大戦から中3日というタイトなスケジュールも絡んでの疲労により「出して動く」が少なく、全体的に足が止まって相手の陣形を崩せなかったのが1点。
もう1点はFC東京が頑なに外を捨てて真ん中にボールが入った時に狙いを定めてプレッシャーを掛けて来た為、それを嫌がって横パスに「逃げてしまった」事だと考えます。

特に「出して動く」が少なかった点に関しては、「出して動く」を繰り返して且つ間に顔を出してボールを受けるのが上手い森谷賢太郎を投入すれば、攻撃にテンポが生まれて相手の陣形を崩しやすくなったのではないかと思います。
但し鬼木監督が選択した交代のカードはハイネル、長谷川竜也、三好康児という独力でこじ開けるタイプの選手達でしたので、ますます「出して動く」が少なくなり、FC東京の守備陣を守りやすくさせてしまいました。

あとこれは今回の多摩川クラシコに限らず今シーズンここまでの試合でずっとそうだったのですが、「何が何でもゴールを決めてやろう!」という強い意志を持っているのが小林悠だけだというのが根本的な問題だと感じました。
それは今シーズンACLを含めて2勝4分1敗、勝っても2点「しか」取れていないという部分からも分かります。

今シーズンは鬼木監督の下、風間前監督とは逆でボールを奪う所を優先してチームのサッカーを作っている為、どうしてもボールを持った時の連携の部分でチグハグな面が出てしまうのは致し方ないとは思います。
それに最前線も大久保嘉人という偉大なストライカーがチームを去った訳で、それだけでもサッカーが変わります。

それでも「何が何でもゴールを決めてやろう!」という強い意志だけは見せて欲しいです。
昨年までは大久保嘉人、小林悠、エウシーニョの3人からその強い意志を感じ、実際最後まで「どこからでもゴールを狙うよ」という危険な「匂い」を出し続けていたので、如何に劣勢でもゲームを力づくでひっくり返せるような期待感を感じました。

ただ今シーズンは大久保はチームを去り、エウシーニョは負傷による戦線離脱中です。
「悠なら何とかしてくれる」という小林頼みではなく、「俺が試合を決める!」というエゴを他の選手ももっと出して欲しいと思います(もちろんただガムシャラにではなく相手を見ながら効果的にプレーをした上で)。
攻守の切り替え、守り方に関しては成果は出ているのですから、あとは相手に攻撃面で「怖さ」を与えるだけ。
そういった意味ではここ数戦最前線で起用されている阿部浩之はもっとゴールへの強い意志を見せて欲しいですし、途中出場が多い長谷川竜也、三好康児、ハイネルの3人の更なる成長にも期待したいと思います。
当たり前の話ですが点を取れなければサッカーでは勝てないですし、それは風間前監督に口酸っぱく言われて来た事ですから。

とは言えここまで振り返ってみるとトップチームの監督としては1年目の新人監督である鬼木監督の下で公式戦7戦して僅か1敗で来ているというのは良い意味で予想外でした。
過密日程で負傷者も続出する中、本当に上手くやり繰りしながら戦ったと思います。
鬼木監督の新人監督とは思えない大胆な采配、選手起用にも驚かされました。
今回、多摩川クラシコでは確かに「惨敗」はしましたが、シーズン序盤のタイミングで悪い所が全部出てスッキリ負けたのは逆に良かったのかなと思います。

代表戦によるリーグ戦中断を挟んで4月1日(土)にはユアテックスタジアム仙台でベガルタ仙台とのゲームがありますが、チーム全体としてどれだけ「ゴールへの意志」が強まっているか、という観点で試合を楽しみにしたいと思います。

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