ゴンッ
「イッた」
その大きな声に目が覚めた。
声のした方向へ目を向けると愛華が頭を抑えていた。
どうやら愛華の左隣に置いてあった大きな植木鉢に頭を打ったらしい。
電車の中のサラリーマンが寝ながらガックンガックンなってるあれだ。
きっとそれで愛華は頭を打ったのだろう。
先ほどどんよりとした暗闇を帯びていた空は嘘だったかのように密集したビルのすき間から光が差していた。
雨宿りしていた人たちもここにはもう誰1人いない。
先ほどの騒音とは打って変わって、辺りは早朝の静けさを取り戻していた。
スマホの画面を見ると蓮からの着信ありが6件ほど並んでいた。
時刻はAM5:33
菅野に起こされてから1時間半ほど経っていた。
蓮のラインを開いた。
最後の電話の発信時刻は05:17
蓮に電話を仕返した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
蓮「もしもし。ごめん遅れて。今どこにいんの?」
私「さっきのとこ。BARの建物の一階にいる。」
蓮「まだいどうしてなかったのね笑おけ。んじゃ向かう。5分くらい待ってて。」
私「あ、流卯君も連れてきて!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
愛華「え?!流卯君連れてくんの??えーー。」
私「いいじゃん。一緒に遊ぼ!笑」
愛華「えー。蓮君だけでいいよー。」
そう言いながらも彼女は流卯君に来て欲しいのだといつも一緒にいる私ならわかる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
蓮「流卯あいつ今先輩のアフターについてってっから連絡取れないんだよなー。まあ、連絡ついたら連れてくるわ。」
私「おっけ。んじゃ待ってるね。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こうして、私たちは歌舞伎町での早朝を迎えた。