只今、西遊記 宝象国の話をご紹介しています(・ω・)ノ


それでは、前回の続きと、白馬の玉龍の大活躍をお楽しみください♡

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西遊記宝象国の話その1



西遊記 宝象国の話 その二


悟空を追放した三蔵は旅を続けます。


何日もかけて白虎嶺を越え、松林へ入っていきました。

おなかがすいたという三蔵のため、八戒が托鉢に行きましたが、人家はみつからず。

八戒は今さらながらに、悟空のすごさが分かったのでした。

つかれた八戒は草のなかで眠り込んでしまいました。


いくら待っても八戒が戻ってこないので、悟浄が探しに行きました。


独りになった三蔵は何か食べる物はないかと林の中を歩いて見てまわるうちに、道をまちがえ、南のほうへ向かってしまいました。


宝塔を見つけ、誰かいるに違いないと行ってみたところ、そこには妖魔が住んでおり、 

あっという間に捕らえられてしまいました。



悟浄は眠り込んでいる八戒をくさむらのなかで見つけ、三蔵の所へ一緒に戻ってきました。


しかし、馬はいますが、三蔵はどこにもいません。


探し歩いて行くと、ふたりも宝塔を見つけました。


扉の上には、碗子山(わんしざん)波月洞(はげつどう)と書かれています。

間違いなく妖怪の住処です。


中に入ってみると、そこの主、黄袍(こうほう)怪がよろいをつけ、立っていました。


「お師匠さんをかえせ!」

と、八戒が叫ぶと、黄袍怪は、


「唐の僧侶なら預かってますよ。丁重にね。

それより、一緒に人肉饅頭でもたべませんか?」

と、言いました。


「そりゃぁいい。いただくとするか」

と、舌舐めずりした八戒に、沙悟浄が、


「八戒の兄貴はいつから人肉を食べるようになったんだい?!  


それに、あいつ、俺たちを馬鹿にしたんだ、

お師匠さんを一緒に食べようって」


と、たしなめました。


「ああ?! 俺が馬鹿にされたって?? 

そうだったんだ。こいつめ!!」


八戒は、顔を真っ赤にしてとびかかり、悟浄もそれに続きました。


黄袍怪もそれに応戦し、三匹の妖怪たちは空中で戦うのでした。

数十回打ち合いましたが、決着はつきません。 

本来なら八戒、悟浄の二人がかりでも黄袍怪には及びませんが、

それが五分五分なのは、三蔵を守護する護法の神々がふたりを助けていたからです。






一方、三蔵は弟子たちがなかなか助けに来ないことや、自分の大難を憂い、はらはらと涙をこぼしていました。


そこへ女がやってきました。


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「私を食べるのなら、早く食べなさい」


三蔵が、自暴自棄になっていうと、

女は人間で、宝象国の第三公主・百花だといいました。


13年前、黄袍怪にさらわれ無理やり夫婦とさせられ、一男一女をもうけたとのこと。


宝象国の王に、ここから救ってくれるようしたためた手紙を届けることを条件に、

裏門から逃がれるように言い、縄を解きました。


戦いの只中にいる黄袍怪にも、争いを中断させ、


「私、先ほど、素晴らしい大王である貴方と結婚する前に、お坊様に布施をするよう神様からお告げをいただいていた事を思い出しました。


今がその時と、再度のお告げがあったのです。


どうか、私の大好きな貴方のとらえたお坊様を見逃して下さる事で、お布施とさせていただけませんか?」


と、声をかけ、戦いをやめさせました。


八戒と悟浄は、黄袍怪との決着がつかないまま、隠れていた三蔵と合流し、やがて宝象国へつきました。




三蔵はすぐに宝象国の王に会い、通行手形に印と花押(かきはん)をもらうと、預かった百花公主の手紙を差し出しました。


手紙を読んだ国王は驚き、泣き。


「誰か姫を助けに行ってはくれまいか」


と、家臣に声をかけましたが、恐ろしい妖怪が相手となれば、誰も名乗りをあげません。


国王は、慈悲深い三蔵に救ってほしいと頼みますが、


「私は人間で、妖怪など倒せるわけがありません。

妖怪を倒せるのは私の弟子です」


と、言ったので。


国王は三蔵の弟子たちに黄袍怪を捕らえるよう依頼し、八戒は意気揚々と悟浄を従え、波月洞に向かいます。


しかし今度は三蔵を守護している諸神の加勢がないため、歯が立ちません。


とうとう八戒は逃げ出し、悟浄はとらわれてしまいました。 



黄袍怪は、唐僧の弟子が戻ってきたのは、女房の公主が国に手紙を出したからだと察し、


公主の髪を鷲掴み引き摺って、捕まえた悟浄の前に連れてくると、二人を問い詰めました。


しかし悟浄は、


正直に答えれば公主は殺されてしまう、

そうしたら三蔵を逃がしてくれた恩を仇で返すことになるので、


「手紙とはなんの事だ。手紙なんて知らない。

我々は王様の出した、公主を探せという手配書を見て戻ってきたのだ」 


と惚け、言い張り。


公主も怒ったふりをして、黄袍怪をつっぱねました。


そして、この機に乗じて、この人の縄を解いてほしいと公主は願い、悟浄は縄を解かれ、一室に閉じ込められるだけですみました。


黄袍怪は公主に、夫として一度国王へ挨拶をしに行くべきかと聞き、

「父は、戦をして自分の力でこの国を勝ち取った人ではありません。城の外に出たこともない人です。


貴方のような容貌魁偉(大きくて立派な漢)を見たこともないので、父はびっくりして気絶してしまうでしょう」


と言われたので、やさ男に化けて出かけていきました。

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宝象国につくと、

「三番目の婿が父に会いに来ました」

と言い、黄袍怪の美男子な姿に国王や家来はすっかりだまされてしまいました。


黄袍怪は、



「虎に襲われていた女性をお助けしましたが、農家の娘と言い張るので、長い月日の間、妻が公主であることを知らずにおりました。

そういえば最近、虎が高僧に化けて、人を襲っているそうですよ」


三蔵こそが、虎の化けものだ、といいました。


皆がどよめいている間に、三蔵に術をかけて虎に変えてしまい。


虎になった三蔵は、守護神たちが守っていたため、なかなか捕まえられませんでしたが、夕方には檻に捕らわれてしまいました。


夜、宴会が開かれ、酔っ払った黄袍怪は正体を現し、

琵琶を弾いていた宮女を、頭からバリバリと食べはじめたので、ほかの者たちは逃げ出していきました。




そのころ宿舎では、三蔵たちの帰りを待っていた白馬が、大変、心配をしていました。


外では三蔵が虎の化けものだったという噂が広がり、白馬の耳にも届きました。


「お師匠様も兄者たちも帰ってこないと思ったら、大変なことになっているじゃないか?!

あの妖魔がお師匠さまを虎の化けものに変えたに違いない。

悟空兄さんはお暇を出されてからずいぶんたつし…

他の二人は何をやっているのかわからないし…


こうなったら、僕がお師匠様を助けるしかない!!」



白馬はそう考えて、手綱を引きちぎり、鞍とくつわを揺さぶって外すと正体を現しました。

もとの龍の姿になり、空へかけ昇りました。



空の上から王宮を眺めると、本性をあらわした妖魔がひとり、酒をのんだり、人を食べたりしています。


白馬小竜は「だらしのない化け物だなあ」と思い、

策を練りました。


そして、変化の術で宮廷美女に化けると、黄袍怪に

「お強い大王。私でよろしければ、お酌をしましょう」

と近づきました。


お酒を杯に注ぎますが、いっぱいになってもお酒はさらに山のように盛り上がり、こぼれないのです。


「おおお…これは面白い。もっと高くしてみせろ」


黄袍怪はイイ感じに酔っぱらってますので、術に気づかず、ご機嫌です。



山になった酒を舐め舐め、

「歌を歌え、舞いを舞え」

と言います。



そこで白馬小竜は、

「素手じゃ、さびしい舞いになりますわね」

と言って、小刀をひとふり黄袍怪から借りると、

まずは用心深く、花刀法(飾り切りなどの包丁さばき)をやってみせました。


あまりの速さと腕の良さに、見ていた黄袍は眼がくらみます。

そこへひとつき、白馬小竜がくらわせようとすると、黄袍怪はひらりとかわしてしまいました。



次に、刀を使った舞を踊り、隙を突いて斬りつけますが、黄袍怪は燭台で防ぎました。

「なかなかに良い太刀さばきだなあ。だが、甘いわ」

そしてそのまま、二人は戦い、宙を舞いました。



小龍は果敢に挑みましたが、八戒・悟浄が二人ががりで負けた相手です。


黄袍怪にはかなわず、投げつけられた燭台が足に命中しました。


あまりの痛さにたまらず、水河に飛び込みました。



黄袍怪は玉龍を探しましたが見つけられず、酒の続きをしに戻ると、やがて眠ってしまいました。




さて、悟浄を見捨てて逃げ出した八戒は
草むらのなかで寝ていましたが、目をさますと宿にかえってきました。


厩をみると、白馬が全身びしょぬれで息も荒く、しかも後ろ足に大きな青いあざがありました。



白馬は八戒だとわかると

「八戒兄さん」

と呼びかけました。


急に白馬が話しかけてきたので、八戒はびっくりして逃げだそうとしました。


白馬は着物の端をくわえて引き留め、


「兄さん、怖がらないでくださいよ。

私は元々龍ですから、しゃべるんです。


でも、下界で馬がベラベラ喋るわけには行かないから、黙っていただけです。


兄さんは、お師匠さまが災難に遭われたことをしらないでしょう?」


と、お師匠様が虎にされたこと、自分が化け物と戦ったが歯が立たなかったことも合わせて話しました。



途端に、八戒は狼狽えて


「そりゃ本当かい? どうすりゃいいんだ。どうすりゃ…


そうだ! 


おまえは海に帰れ。

おれは荷物をまとめて高老荘へ戻る。そして改めて入り婿になるんだ。


この旅はもう終わりだ!」 


と言いました。



「やめてくださいよ、そんなことを言うのは」


 白馬は逃げ出そうとする八戒の服をしっかりくわえて、なにがなんでも放そうとせず、

そんな投げやりなことは言わないで、と、涙ながらに訴えました。



しばらく考えて、白馬は、

「悟空兄さんを呼びに行ってください。

もう、悟空兄さんに頼るほかないですよ」

と頼みました。



八戒は、悟空がいなくなったそもそもの原因を作ったのが自分ということもあって、

「もしかしたら殺されるかもしれないし…」

と渋ります。


白馬は

「悟空兄さんは仁義を理解できる人だから、きっと来てくれますよ」

と言って、八戒を送り出しました。



悟空の故郷、花果山へ悟空に会った八戒は、三蔵の災難のことは告げずに、ただなつかしがっていると言いますが、


悟空は絶対に行かないとつっぱねます。



しかたなく八戒は別れを告げたのですが、道道、しきりに悟空をののしりました。


あとをつけさせた小ザル二匹からそのことを聞いた悟空は当然激怒し、


サルの大群に命じて、八戒をひっとらえさせたのでした。



続く。



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