こんにちは!
木村 聡仁です。
今日は、シェリー酒って何なの?
というお話をさせて頂きます^^
シェリー酒、、、、
名前くらいは、一度は耳にされたことが
あるのではないでしょうか?
食前酒にはドライシェリー
魚料理には白ワイン
肉料理には赤ワイン
戦後、洋食文化の流入の際、
このような公式が伝わったのですね。
今では、
「食前酒といえばシャンパン」のほうが
メジャーでしょうか^^
でも、
当時この法則にのっとって、
レストランを利用されていた
ご年配のお客様などは、
今でも食前酒には、
シェリーを注文される方が多いですね。
食前酒として有名なお酒が、
シェリー酒というわけです。
さて、話を戻します^^
シェリー酒とは一言で言いますと、
「ワイン」です。
リキュールやスピリッツ(=蒸留酒)
と思われていることも多いみたいですが、
れっきとしたワインなのです。
ただ、ワインの中でも、
特殊なカテゴリーのものになります。
酒精強化ワイン
(またはフォーティファイドワイン)
というものです^^
あまり聞き慣れない言葉ですね。
これは、ワインの発酵途中、
もしくは発酵後に、
高アルコール度の蒸留酒を加えて、
少しアルコール度を高めたワインのことです。
つまり、シェリー酒というワインは
普通のワインに比べて、
アルコール度数が高いワインなのです^^
通常のワインはだいたい、
12~15度くらいのものが多いですが、
シェリー酒は15~22度くらいになります。
シェリー酒は
スペインのアンダルシア地方
(フラメンコも有名ですね^^)
で作られるワインです。
シェリー=ワインということは、
原料は??
そう、ブドウですね^^
使用が認められているのは、
3種類の白ブドウです。
①パロミノ
②モスカテル
③ペドロ ヒメネス
①は辛口専用、
②③は主に甘口専用です。
ここでまた一つ疑問が出てきます。
「シェリー酒って辛口じゃないの??」
そうですよね^^
この疑問を持たれた方は、
最初に私が話したことを、
よく覚えてらっしゃる、
素晴らしい記憶力の方です^^
『シェリーは食前酒』
食前酒に飲むくらいですので、
辛口のイメージですよね。
でも、実は辛口~極甘口まで、
とてもたくさんの種類があります。
シェリー酒の種類としては
以下のようなものがあります。
<辛口>
フィノ
マンサニーリャ(マンサニージャ)
アモンティリャード(アモンティジャード)
オロロソ
パロ コルタド
<半甘口~甘口>
ミディアム
ペイル クリーム
クリーム
<極甘口>
モスカテル
ペドロ ヒメネス
これらの種類を、
たくさんのシェリーメーカーが造っており、
メーカーごとに味わいも違うので、
実に多種多様なシェリーが
存在することになります。
それだけ多くあると、
自分好みの1本を探し出す
楽しみがありますよね^^
ここまでお読み頂いた方、
勘の鋭い方は次のような疑問も
わいてらっしゃるかもしれませんね。
「スペインのワインなのに、
シェリーって英語やん??」
はい、その通りです!!
素晴らしい!!
シェリーは英語で、
表記は「sherry」です。
シェリーはスペイン語では、
ヘレス(Jerez)といいます。
フランス語ではケレス(Xérès)です。
でも、シェリーという名前は
聞いたことがあっても、
ヘレスやケレスなんて呼び名、
あまり聞かないですよね。
これには理由があります。
3つの名前は全て、
ある一つの言葉から派生したものです。
それは「シェリシュ」。
シェリーを生産する地域は、
ヘレスというところなのですが、
14世紀頃、この地域は、
シェリシュと呼ばれていました。
そして、そこで作られたワインも、
当然、呼び名は「シェリシュ」
それがヨーロッパ各国に
広まっていく時(輸入された際)に、
それぞれの国の呼び名に
変化していったのです。
イギリスではシェリシュ→シェリー
スペインではシェリシュ→へレス
フランスではシェリシュ→ケレス
つまり、3つの呼び名で、
ヨーロッパに広まったんですね。
では、なぜシェリーという呼び名だけが
圧倒的に有名なのでしょうか?
それは、
シェリーをこよなく愛したイギリス人が、
世界中どこへ行くのにも、
シェリーを持って行ったからです。
シェリーがヨーロッパを出て
世界中に広まったのは、
イギリス人の功績が大きいと
言えるかもしれませんね。
皮肉にも、自国のワインが
ヘレスという名前ではなく、
シェリーという名前で
世界に広まってしまった現実は、
スペインも無視できないものでした。
あるブランドを守るためには、
この「名前=呼称」というのは
非常に大きな意味を持ちます。
例えば、シャンパーニュ。
フランスのシャンパーニュ地方で
造られたスパークリングワインは、
そう呼ばなければならないことが
法律で決められています。
日本語のシャンパンですとか、
英語のシャンペンという呼び名は
正式に認められていない呼び名になります。
そうすることで、
シャンパーニュというブランドを
保護しているのですね。
同じように、スペインも
この自国の文化である
「ヘレス」のワインブランドを、
ヘレスという名前で
保護したかったのですが、
さきほど話しましたように、
イギリス人のおかげで、
あまりにもシェリーという名前で
世界中で広まってしまったため、
もうええわ、
ヘレス、ケレス、シェリーという
3つの名前で呼んでええわ
ってことに、しちゃったんですね^^
でも実は、
その方が都合が良かったんですね。
だって、あまり広まってない
「ヘレス」の名前だけよりは、
既に有名になっている
「シェリー」という名前も使った方が、
世界中で売れるんですから^^
ただし、これはスペインの
ヘレスの酒精強化ワインについて
認められている名前であって、
その他の国や地域で
同じような味のワインを造ったからといって、
シェリーという名前で販売すると、
これはアウトです。
あくまで、スペインのこのワインの呼び名が
3種類認められているという話ですね。
長々と書いてきましたが、
①シェリー酒はスペインの酒精強化ワイン
②辛口から甘口まで多種多様
③へレス、ケレス、シェリーという3つの呼び名がある
この3つを知って頂ければ幸いです。
次回はシェリー酒の造り方を
お話したいと思います。
最後まで読んでくださって
本当にありがとうございました。